歌舞伎の不思議 2

投稿日:2023年5月23日

2)10年以上前に、大阪で「文楽」に対する公的補助を続けるか否かで大論争があった。
「公的補助の継続を求めるならその用途と会計を明快にすべき」というのが大阪市の主張だった。
歌舞伎にこれが起きていないのは、今のところ母体の松竹がうまくマネージしているからだろう。
しかし演芸が人気頼みの水物であるかぎり、いつ松竹や歌舞伎が文楽の轍を踏んで経営危機に陥らないとも限らない。
吉本などと違い、テレビ中継もあまりない歌舞伎はどうやって収益を図り、その経営は安泰なのだろうか?
そもそも公演に3度以上通った客をファンであるとすれば、国民のうち何パーセントのファンがいるのか? おそらく大した数ではないはずである。
歌舞伎は今なお「梨園」と呼ばれる特殊社会を形成し、門閥制度の典型と言われながらもファンや一般社会にそれを許容する文化を生み出している。
そういう特殊性は松竹が意図的に助長した文化ではないかと思う。歌舞伎を下手に民主化、大衆芸能化するよりも伝統芸能の権威を与える方がむしろ有利という戦略があるのではないかと思う。

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