木曜会の介護予防教室
投稿日:2020年2月17日
高齢者いきいきサロン「木曜会」(三島 脩 会長)は、2月13日午後出村公会堂に中村歯科医院の中村文昭院長を講師に迎え、海吉ダイヤモンドクラブと共催で介護予防教室を開催しました。
講師の紹介
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テーマは「高齢者の歯と健康保持に大切なこと」で、ご自身の編集に係るカラーリーフレットを教材に、総勢41名の受講者に対し要旨次のようなお話がありました。
■歯周病は国民病!
~ 35歳以上の約8割が罹っている ~
■歯周病は万病のもと
~ お口の健康と全身の健康は密接に関連しており、歯科医療によってさまざまな疾病(※)のリスクを抑制できる~
その「さまざまな疾病」とは
心臓病(通常の3倍)、 糖尿病、動脈硬化、低体重児出産・早産(通常の7倍以上)、脳梗塞、アルツハイマー型認知症、(誤嚥性)肺炎、バージャー病、骨粗鬆症・・・
●歯周病と生活習慣病の深い関わり
~ 歯周病は歯の喪失をもたらすだけでなく、その細菌がつくる毒素が血液中に入ることで全身の健康に悪影響を及ぼす。~
疾病別のワンポイントコメント
●認知症
~ 歯周病菌がアルツハイマー病の誘発と症状悪化に関係しているが、口腔機能管理(口腔ケア)で予防できる ~
●誤嚥性肺炎
~ 口腔機能管理(口腔ケア)で発症リスクを6割以下に減らすことができる ~
●寝たきり
~ 歯数と義歯は「寝たきり」に関連する!! 歯がなく、義歯も使っていないと転倒のリスクが2.5倍に増える! しっかり噛めてこそ転倒予防に効果あり ~
歯周病が及ぼす全身へのリスク
- がん リスク 1.24倍
- 糖尿病 リスク 2.0倍
- 脳梗塞 リスク 1.63倍
- 狭心症・心筋梗塞 リスク 2.11倍
噛むこと、噛めることの大切さ
高齢者の願望は何でしょう? 多くの方が「好きな物をおいしく食べる事」と話しています。おいしく食べるためには歯は必須です。
歯の数・義歯の使用と認知症の関係をみると、「歯数が多いほど、また、義歯による機能回復をするほど認知症発症が少ない」というデータがあります。
咀嚼(歯で食物を噛むこと)によって脳に有効な刺激を与えることができ、認知症の発症抑制にも一定の効果があるとされています。
日ごろから気を付けたいこと
- 歯科のかかりつけ医を持ちましょう。
- 歯や口腔の定期健診をうけましょう。
~ 歯科検診で歯は残る! 歯には自己治癒能力がない。
80-20運動(80歳で20本の自分の歯を)と言われるが、長期受診者だと80歳で23本、そうでない(歯や口腔ケアに無関心な)人だと同じ80歳で7本しか残ってないという調査結果もある ~
~ 歯科検診で健康寿命を伸ばしましょう!
この他にも、増える高齢者と支える世代の減少、高騰を続ける医療費・・・。医療費を抑制し、「全世代型社会保障制度」を守るためにも、また、万病のもとと言われる歯周病を予防するためにも、どうか歯科検診をという「国民皆保険制度存亡の危機」という視点からのお話もありました。
マイカーの定期点検も然りながら、自分の健康長寿の延伸はまず足元、いや「口元」の定期健診が大切だということに改めて気付かされた有意義な講話でした。
(文・写真:小野田)
カテゴリー:ニューストピックス