洪水浸水想定区域図(国土交通省)
■高梁川・旭川・吉井川の下流域は国の直轄管理区間となっており、国土交通省より水防法の規定に基づき、浸水が想定される区域・浸水した場合に想定される水深を表示した図面【洪水浸水想定区域図】が公表されています
■国土交通省の【洪水浸水想定区域図】によると、富山学区の洪水浸水想定は
- 150年に一度の降雨の規模を前提とした「計画規模」では、浸水の危険なし
- 1000年の一度の降雨の規模を前提とした「想定最大規模」では、百間川沿いで浸水の深さ3~5m
■平成22年3月24日公表の【洪水浸水想定区域図】では、「計画規模」での百間川沿いの浸水の深さは2~5mとされていましたが、平成29年4月19日公表分より「浸水の危険なし」と変更されました
■旭川放水路事業の進展により、河川整備(堤防等の設計計画など)の前提となる降雨の規模「計画規模」では、富山学区の洪水リスクが解消したといえます
■しかしながら、近年「計画規模」を超える浸水被害がいたるところで多発しており、平成30年7月の西日本豪雨でも旭川流域の雨量は「計画規模」を若干超えていたことから、1000年の一度の降雨の規模「想定最大規模」での百間川沿いの浸水の深さ3~5mを念頭において、日ごろから備えておくことが重要です
洪水浸水想定区域図とは
■水防法の規定に基づき、浸水が想定される区域、浸水した場合に想定される水深を表示した図面(※画像をクリックすると拡大表示できます)
■市町村が公表する洪水ハザードマップの元資料となっています
- 市町村の洪水ハザードマップは、河川管理者の異なる河川の浸水想定を表示する必要があります
- そのため国土交通省による浸水想定が、市町村の洪水ハザードマップに反映されるには時間を要します
■河川管理者が公表します
- 一級河川(大臣管理区間):国土交通大臣
- 高梁川・旭川・吉井川の下流域が該当します
- 一級河川(指定区間):都道府県知事
- 二級河川:都道府県知事
公表される図面の種類
①洪水浸水想定区域図(想定最大規模)
・想定最大規模降雨により当該河川が氾濫した場合に浸水が想定される区域及び想定される水深を示した図面
②洪水浸水想定区域図(浸水継続時間)
・想定最大規模降雨により当該河川が氾濫した場合に浸水が想定される区域における想定される浸水の継続時間を示した図面
③洪水浸水想定区域図(計画規模)
・河川整備において基本となる降雨により当該河川が氾濫した場合に浸水が想定される区域及び想定される水深を示した図面
④家屋倒壊等氾濫想定区域図(氾濫流)
・想定最大規模降雨により当該河川が氾濫した場合の洪水氾濫流により、木造家屋の倒壊のおそれがある区域を示した図面
⑤家屋倒壊等氾濫想定区域図(河岸侵食)
・想定最大規模降雨による洪水時の河岸侵食により、木造・非木造家屋の倒壊のおそれがある区域を示した図面
最新の洪水浸水想定区域図(令和2年12月10日公表)
■国土交通省 中国地方整備局 岡山河川事務所
高梁川・旭川・吉井川の洪水浸水想定区域図
■国土交通省 重ねるハザードマップ
・災害種別で選択:洪水(想定最大規模)
→表示するマップの種類を選択、複数のマップを重ねて表示できます
■おかやま全県統合型GIS
・掲載マップ一覧:「防災情報」選択 → マップ選択:「洪水浸水想定区域図等」選択 → 表示位置選択
・こちらをクリックすると直接地図が表示されます
→「L2:想定最大規模」/「L1:計画規模」、「区域図」/「参考図」のいずれを表示するか選択
海吉・福泊の洪水浸水想定(国土交通省 重ねるハザードマップ)
■洪水浸水想定区域図(想定最大規模)と家屋倒壊等氾濫想定区域図(氾濫流)の重ね合わせ
■が家屋倒壊等氾濫想定区域(氾濫流)を示します
a1443318849a752163d928d17e51112e- 1000年の一度の「想定最大規模」では、浸水の深さ3~5m
- 旭川流域の48時間総雨量:756mm
- 令和3年7月現在の岡山市洪水ハーザドマップの浸水想定区域とほぼ同じ
- 150年に一度の「計画規模」では、浸水の危険なし
- 旭川流域の2日間総雨量:257mm
- 河川整備(堤防等の施設計画など)の前提となる降雨の規模
- 旭川水系河川整備計画では、最大毎秒6000トンを2:1に分流し、百間川に毎秒2000トンを流す分流計画
- 旭川水系河川整備計画に基づく旭川放水路事業の進展により、「計画規模」では海吉地区での破堤の危険が解消
- 平成30年7月西日本豪雨での48時間総雨量最大値
- 旭川ダム下流域で約250mm~300mm、「計画規模」を若干超えている
- 旭川ダム上流域で約340mm~420mm、「計画規模」を超えているが「想定最大規模」のほぼ半分
平成27年度 水防法改正
■堤防等の施設計画を超える浸水被害の多発を受けて、洪水浸水想定区域図作成の前提となる降雨の規模を「計画規模」から「想定最大規模」に変更
出典:平成27年度 水防法改正の概要 ~ 国土交通省 中国地方整備局 岡山河川事務所
- 計画規模
- 河川整備(堤防等の施設計画など)の前提となる降雨の規模、100~150年に一度の大雨
- 想定最大規模
- 想定し得る最大の規模、1000年に一度の大雨
- 浸水の深さの区分変更
- 浸水の深さ:2~5m → 3~5m
- 家屋倒壊等氾濫想定区域図の追加
- 「想定最大規模」の降雨で、家屋倒壊等をもたらすような氾濫の発生が想定される区域を表示した図面
旭川水系での前提となる降雨の規模
出典:想定最大規模降雨、浸水継続時間、家屋倒壊等氾濫想定区域(氾濫流、河岸侵食)とは ~ 国土交通省 中国地方整備局 岡山河川事務所
想定最大規模
- 想定し得る最大の降雨の規模
- 1000年に一度の大雨
- 過去に瀬戸内地区で降った最大の大雨を採用
- 昭和51年9月台風第17号の降雨
- 県南部の想定最大規模降雨量
- 吉井川:744mm/48h
- 旭川:756mm/48h
- 高梁川:674mm/48h
- 小田川:888mm/48h
- 昭和51年9月台風第17号の気象状況
- 台風第17号は北西に進み、9日に南西諸島を通過後、10日から12日朝にかけて九州の南西海上でほとんど停滞した。 12日午前に北上を始め、13日01時40分頃長崎市付近に上陸した。同日午前日本海へ進み、速度を速めて北上し、14日朝温帯低気圧になった。全国的に大雨となり、土砂災害や洪水が多発した。この期間の総降水量は、香川県小豆郡小豆島町(内海観測所)で1,076mm(48時間)という記録的な量に達し、大きな災害が発生した。
計画規模
- 河川整備(堤防等の施設計画など)の前提となる降雨の規模
- 吉井川、旭川、高梁川流域で150年に1回程度降る大雨
- 旭川流域の2日間総雨量:257mm
平成30年7月西日本豪雨での48時間総雨量最大値
- 旭川ダム下流域
- 約250mm~300mm、「計画規模」を若干超えている
- 旭川ダム上流域
- 約340mm~420mm、「計画規模」を超えているが「想定最大規模」のほぼ半分
百間川の洪水浸水想定の変遷
出典:国土交通省 中国地方整備局 記者発表資料
平成22年3月24日
岡山三川(吉井川水系吉井川・金剛川、旭川水系旭川・百間川、高梁川水系高梁川・小田川)に関わる浸水想定区域の変更指定・公表について
- 計画規模のみの浸水想定
- 海吉地区の平野部:浸水の深さ2~5m
- 当時の洪水浸水想定区域図
- 令和3年11月までの岡山市洪水ハーザドマップの元資料
平成29年4月19日
吉井川水系、旭川水系、高梁川水系、芦田川水系及び太田川水系における想定最大規模の降雨による洪水浸水想定区域等の公表について~主体的な避難行動につながる防災情報の周知~
- 想定最大規模の浸水想定【追加】
- 海吉地区の平野部:浸水の深さ3~5m
- 計画規模
- 旭川放水路事業の進展により浸水の危険解消
令和2年12月10日
旭川水系旭川・百間川洪水浸水想定区域図の変更~旭川放水路事業の完成等により、約9k㎡の浸水が解消~
- 富山学区での浸水想定
- 変更なし
洪水浸水想定の比較
:令和2年12月10日 想定最大規模 3~5m :0.5~3m
:平成22年3月24日 計画規模 2~5m
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