操明懐かしの写真館(第10回)

投稿日:2021年6月10日

婚礼風景の今昔

人生儀礼と言われる冠婚葬祭の中で出会い(結婚)と別れ(葬儀)は親族も集まり
誰にとっても大きな節目となるものです。
今回は婚礼にまつわる風景の今昔を見てみます。
親族写真ではその時代の髪型や服装(老若男女の)が見てとれます。
花嫁の衣装は白無垢、引き振袖や色打掛を着て髪は文金高島田に角隠しか綿帽子を付ける和装が主で、婚礼は自宅でするのが一般的であったが、昭和30年代後半頃から結婚式場で行われることが多くなった。
花嫁は嫁ぎ先の近隣を挨拶して廻り、夜にはご近所を招待して酒席でもてなしたり、嫁入り道具を披露していた。
昭和30年頃は御当家の庭先に集まった子ども達にお菓子を配ったりしていた光景も見られたが昭和50年代に入ると次第に見かけなくなったように思う。「嫁入り」という言葉も今は聞かれなくなった。
昭和34年に当時の皇太子との婚礼で美智子妃がウェディングドレス姿であったことから洋風への憧れが広まり、花嫁衣裳も大きく変化していった。
神主が立ち合う神前結婚式で白無垢、披露宴では途中にお色直し更に二人が洋装にというパターンが主流になった。
現在では神父が立ち会う教会式が多く最初からウェディングドレスで中にはウェディングドレスの色直しがある。花嫁さんの負担が軽く出席者との会話や写真撮りの時間も多く取れて現代風になっている。式場で聞いてみると8割位が洋風という。
但し、人生一度の花嫁姿を記念写真に残したいという願いは強く豪華な色打掛で「前撮り」をする人も多いようだ。
いずれにしても当人はもちろん両親・家族の願いがこもった、人生の大きな節目といえる婚礼風景の今昔は時代の流れを物語っている。

大正5年5月今から105年前の婚礼祝いの家族写真当時の正装がよく分かる(江崎)

 

戦前の昭和14年の新郎新婦この当時は妻子を残し戦地へ出征していく男子も多く不幸にして戦争未亡人になる人もあった時代。(江並)

 

戦時中の昭和18年頃当時の大人は全員和装である。(桑野)

 

終戦から間もなくの昭和26年頃洋装の人も見られる。(藤崎)

 

文責  萩原正彦

 

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