常夜燈

丸端台地の地蔵堂の東手に建てられていて、「常夜燈、天保十五歳、出村中」などの刻字がある。 天保15年といえば1844年で、吉備津岡辛木神社創営が文政12年(1829年)だから、この常夜燈は神社ができた15年後の建立ということになる。

他の町内にも、神社参詣路の入口付近にあったようで、近年になって諸事情で小移設はあったようだが「奉燈」などの名で概ね昔の場所に健在だ。

察するに、秋のお祭りの日にはこの石燈籠に灯明を灯し、お宮参りする人の足元をほのかに照らしたのだろう。

一説では「倉安川を航行する高瀬舟の“陸の灯台”としても位置していた」ともいう。

いずれにせよ、いまどきこの常夜燈にろーそくの灯を灯してもけっして「照明」としては機能しないだろうが、それだけ昔の夜は闇が濃かった…ということもあっただろけれど、それよりも「御燈明を捧げる」という心がそうさせたのだと思う。

f52e572ca270046c8f328aa78f45faa3

(文責:小野田)

SNS
検索
ページトップ