出村地蔵堂の再築工事完成
投稿日:2018年12月30日
この記事は、2018年8月26日「出村地蔵堂落慶法要及び地蔵盆」(←をクリックすると記事が表示されます)に関連したものです。
8月には屋根部分を残していったん落慶法要は終えていた出村地蔵堂は、年の瀬も押し迫った12月19日、延び延びになっていた屋根工事(全面銅板葺き)が完了し、足場囲いも撤去されて見事な堂屋がその全容を現わしました。
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再築工事が落成した出村地蔵堂
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お堂正面から内部を望む
最後に、画竜点睛状態となっていた屋根の東西側面に取り付ける「破風懸魚」といわれる木彫装飾の取付けもいよいよ12月29日には完了し、これをもって平成の再築工事はめでたく落成となりました。
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屋根の東頂部と破風懸魚
旧地蔵堂の前回の再築は大正9年ですが、99年経った平成30年1月に屋根瓦が崩落したため「出村地蔵堂再築期成委員会」を設立し、町内会員の篤志(寄付金)により平成30年3月から再築工事が行われていたものです。
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屋根が崩落した旧地蔵堂
この工事は、当地(海吉中村町内会)在住の田中工務店田中知之氏による設計・施工で、氏は石工、鉄工、左官、木工、板金、塗装等のすべての作業を一手に引きうけて行い、堅牢にして精緻、清楚にして荘厳な純日本建築のお堂を作り上げてくれました。
まだ新品状態の銅板は文字通り赤銅色に輝いていますが、やがて時の移ろいと共に屋根全体が緑青(ろくしょう)に覆われ、落ち着いた佇(たたず)まいへと変わっていくことでしょう。
この工事に関する次の資料は特製のタイムカプセル(直径10×長さ48センチの塩ビパイプ)に収納して厳重に密封し、参考資料として次の世に伝承するためにお堂の天井裏に格納しました。
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タイムカプセルと収納資料
- 事業基金勧進趣意書
- 事業基金奉賛者芳名録
- 事業完了報告及び収支決算書(回覧)
- 関係写真
- 施工者に対する感謝状(写)
工事間、抜魂祈祷して一時他の場所に安置していた地蔵尊は真新しい頭巾と前掛けに着替え、木の香も高い新装なったお堂のなかに鎮座されて新年を迎え、これからも末長く町内の安寧を見守ってくださることでしょう。
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柔和なお顔のお地蔵様
(文・写真:小野田)
カテゴリー:ニューストピックス