岩松の庭

投稿日:2004年12月7日

海吉の武川さんのお宅の庭の岩松はみごとだ。

ものの本によれば、岩松は『岩檜葉(イワヒバ)の別名で、イワヒバ科の常緑・多年性のシダ』とある。

また、『本来は山地の岩上に生え、大きいものは20数センチ。 茎の頂から多くの枝を出し、乾燥時には内側に巻き込み、湿気にあうと開く。枝に小さな片鱗状の葉が密生する。鑑賞用に愛用され、園芸品種も多い。 「巻柏(けんぱく)」「くさひば」の別名あり。季語は「夏」』だそうだ。

武川さん宅の10坪ばかりのお庭には、いたるところにこの岩松が列をなし群れをつくって生えていて、その名のとおり岩肌にもしっかりと活着していて、庭全体にしっとりした風情を醸し出している。

夫人の話によると、「肥料などはやりませんが、お水だけは欠かしたことがありません。葉の下の方の茎の枯葉をとってやると、背が段々伸びてきます。これから寒冷季に入ると、葉がちじこまったようになりますが、特に夏場にお水さえ欠かさなければいくらでも増えてくるんですよ」と、いかにも岩松を愛おしむ思いが語り口ににじむ。

滝口から流れ落ちる岩清水の楚々とした水音・・・、濃緑の岩松の群れがもみじの紅(くれない)を控え目に際立たせ、初冬の凛とした日本庭園の静寂をさりげなく、だがみごとに演出している。

(写真、文:小野田)

カテゴリー:出村スポット

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