秋祭り“だんじり巡行”

投稿日:2004年10月6日

氏神様(吉備津岡辛木神社)の秋季祭礼に合わせ、出村子ども会の伝統行事“だんじり巡行”が、10月2日・3日の両日行われました。

五穀豊穣と村落安寧を祈る当地の村祭りは、おそらくは3百年以上も前から行われてきたものでしょうが、いまのだんじり(総ケヤキ造り)が作られたのは明治12年(いまから125年前)のことです。

以来、この村の年中行事の一つとして、秋祭りにはこのだんじりが子どもたちによって村の内外を引き回されてきました。

だんじりの4つの車輪は、最近までは木の丸太を輪切りにしこれを車軸の両端にはめ込んだものでしたが、村の悪ガキども精々十数人(筆者もその一人)はこれを引いて東山峠の方まで凱旋(?)し、村にたどり着くころには紅ちょうちん(紙製)は破れたり燃えたりで灯りのついたものは一つもなく、子ども連中もクタクタになったものでした。

時は移ろい人同じからず、だんじりの車輪もベアリング入りのゴムタイヤになり、巡行に参加する主役の子どもたちも年々増えてきて、昔はなかった笹ちょうちんやタルみこしも登場するようになったのです。

今年の巡行に参加した子どもたちは二日間で延べ300人に上り、子どもたちの周囲を役員の大人たちが取り囲むようにしての巡行風景に今昔の感を覚えるのは私だけではないでしょう。

これも、昨今の交通事情を思えばやむを得ないことですが、ずいぶんと健全でにぎやかな巡行に変わってきたものです。

そんなだんじり巡行は、天候にも恵まれて二日間で町内のほぼ全域を回りましたが、よい子たちの思い出づくりは夜の静寂(しじま)に映える紅ちょうちん、そして響きわたる備前太鼓唄のお囃子とともに、これからも続き伝えられて行くことでしょう。

(写真・文:小野田)

カテゴリー:ニューストピックス

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