船頭道(せんどうみち)

主要地方道28号線の「海吉」信号の北方約60メートルの倉安川に架かる丸端橋の下に船頭道の痕跡が遺っている。

在りし日の船頭道

倉安川を高瀬舟が往来していたころ、丸端橋の下では竿や櫓(ろ)が使えないため、舳先(へさき)に舫(もや)い綱を結び、その綱の先を船から降りた船頭が持って内法面中段の道から舟を引っ張って歩いたという。その足場となった道が船頭道で、倉安川水系で唯一この丸端橋の下に見ることができる。

平成16年(2004年)の丸端橋の架け替え工事にではこの船頭道は壊されることになったが、施主(岡山市)と施工業者の配慮と尽力により、南北の川岸には往時の船頭道を模した石積みが施されて、お城下へ年貢米を運ぶ高瀬舟の様子やその舫いをとる船頭たちの息遣いが伝わってくるようだ。

船頭道を模した石積み(丸端橋北岸)

(文責:小野田)

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