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ニューストピックス(2014年12月14日)
富山学区「在宅医療・介護」意見交換会
12月14日(日)の午後1時から、富山公民館において富山学区連合町内会、中区地域保健医療福祉連携懇話会と岡山市医療政策推進課の共催により「富山学区在宅医療・介護」意見交換会が開催されました。
題して『在宅医療・介護について学ぼう!』〜在宅医療・介護の現状と課題について〜。
今まで岡山市は「区」単位で開催してきましたが、より地域密着=地域指向を目指し、市としては初めて富山学区で開催することとなったものです。
今回のねらいは、次の3点でした。
在宅医療とはなにか、それが自分の生活にどのように関わることになるのかについての知識を得る機会とする。
富山学区の住民と在宅医療・介護に関わる専門職とが語り合うことで、顔の見える関係づくりを進め、医療介護等が必要になったときの相談や対応をスムーズなものにする。
自らの希望により自宅等で医療・介護等が受けられることを知るとともに、そのためにどのような準備が必要か、今何ができるのかを富山学区住民と専門職がともに考え、今後の生活や仕事につなげる。
この背景には、開会の挨拶でのこれさわ内科医院長の是澤俊輔医師の指摘のとおり、少子高齢化の進む中で、増えるお年寄りを財政的に支える若者が減る一方であること、高齢者のための施設が少ないこと等により、高齢者が在宅でできるだけ健康な生活を送ることが望ましいという社会の要求があり、そのためにも今回の意見交換会を在宅医療への理解を深める機会とすることが期待されました。
笠原富山学区連合町内会長と是澤医師の挨拶の後、2部構成の第1部は、具体的事例をとおした在宅医療・介護の資源紹介のコーナーでした。
ここでは、脳梗塞で倒れたAさんの不安を抱えながらの在宅療養の開始から、身体的には不自由ではあっても日々の暮らしを楽しみ、自分らしい生活を送ることができるようになるまでの事例を下に、今回出席の医師、医療ソーシャルワーカー、薬剤師、訪問介護師、介護支援専門員、管理栄養士、歯科医、保健師の8人の専門職がAさんのために、どの段階でどのようなサービスがなされるかを順次詳細に説明してくれ、在宅医療のシステムの緻密さと重要性とを実感できました。
休息をはさんでの第2部は、富山学区の住民と専門職とが17のテーブルに別れて座ってのグループワークで、在宅医療・介護について、出席者それぞれの立場でどのような準備が必要になるのか、今何ができるのかが活発に話し合われました。
この意見交換の最後に発表された意見には、在宅医療における家族の絆の重要性、子どもと高齢者とのコミュニケーションの大切さ、高齢者やその家族への相談先の情報供与や地域の連携の心強さ、独居老人を地域の付き合いに呼び出すことのむづかしさと重要性など、実に多様なものがありました。
出席者は、地域住民と専門職を合わせて90人以上という盛会で、この問題への住民の皆さんの関心の高さと、専門職や行政の方たちの熱意のほどがうかがわれました。
会場には暖かい飲み物とお菓子が用意され、リラックスした雰囲気の下、たいへん充実した意見交換となりました。
(文・写真:矢尾)