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浮世絵は江戸時代に咲いた町人文化の華として知られる芸術です。日本の庶民の心を描き、日本の美を表現したものです。
浮世絵は、元禄年間(1688〜1704)に 菱川師宣によって始まりました。
時代の変遷を経ながら、明和2年(1765)には 鈴木春信が 多色摺版画を考案しました。
その色彩の美しさは まるで錦のようだと感嘆され「錦絵」と呼ばれました。
浮世絵版画は、絵師と彫師と摺師との総合芸術です。ちょうど陶器が窯の中で 焔の変化によって、作者の予測とは違うものが出来あがるように、彫師の手腕によって線に鋭さを増し、摺師の技術によって、抒情性と情感が生まれます。
この点が 同じ浮世絵でも、肉筆浮世絵とは ちょっと違っています。
たった1枚だけの絵でなく、木版画では複数の作品ができあがるので、これが広く大衆の手に渡り、国の内外に拡がっていきました。
でも 浮世絵は風俗画であり、芸術を作る目的で作画したのではありません。伝達と報道性が主目的ですから、浮世絵師は自己の表現よりも 伝達を第一にしていました。
したがって 浮世絵全てが芸術品ということではありません。
しかし 歌川広重などの作品は、立派な芸術品です。世界に通用する高い価値を持っています。
その芸術性は時代を超え、現在もなお世界の美術の動向に影響を及ぼしているようです。
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