< 第 33 回 > 岡山市 中牧 地区の 風土記(2)    平成19年10月1日
会  長  : 大倉 武仁
副会長 :
小林 良教

       

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 1.淀 子 神 社 (よどしじんじゃ)
中牧地区の西方にある約150mの山に登ると、旭川が見下ろせる頂上に 淀子神社の社殿が 堂々たる構えで建っています。(現在は、檜・杉等の樹木が茂り、旭川の展望はできません)

この地域では、明治31年に中国鉄道(現在のJR津山線)が開通するまでは、高瀬船20余隻を持ち、美作の勝山から岡山までの旭川の水運に 一勢力をなしたところです。
高瀬の船問屋もあり、江戸時代から交通の要地でした。

淀子神社は、旧中牧村(現在の中牧地区・郷地区・湯須地区・十谷地区・堀越地区・大月地区)の氏神様で、天明7年(1789)の建立といわれています。

神社の祭神は、淀姫命(よどひめのみこと【與止日女命:神功皇后の御妹】)です。
現在 佐賀県に鎮座している與止日女神社(よどひめじんじゃ)の御神徳は、水の神・川の神として信仰されており、農業・交通安全の守護神として崇拝されています。
祭神を同じくする 当地区の淀子神社も 水の神・川の神として 地域の米の豊作と 高瀬船の安全のために建立されたものと思います。
旭川を上り下りする高瀬舟が 当地区を通過する際には、船頭・乗船客共々に 山の上にある神社に 安全のお祈りをしたものと思われます。

しかし、明治に入ってからは 交通・運輸の主体が陸上に移り、高瀬船は しだいに衰えました。
それに伴い 当神社も 水運の守護から交通安全の守護へと替わって行くのも 時代の流れと思われます。


淀子神社の社殿は 南に面しております。
本殿は、入母屋造本瓦葺き 妻入の三間社で、三方に椽(たるき)を廻し、前面の椽巾を広くして 吹放しの外陣風に作られているのが特徴です。

拝殿・釣殿の二棟は切妻造り瓦葺きで、天井は張っておりません。
かつては 割竹を使った小舞裏が下から見上げられておりましたが、近年の屋根瓦の改修時に 板製の小舞となりました。
竹は旭川流域の村々の特産で、割竹の小舞は この地域の神社建築の特徴です。

また随身門は本瓦葺きで、三間一戸の八脚門です。

なお 拝殿は間口七間で奥行き二間と横長で中央に通路をもっており 割拝殿(わりはいでん)と呼ばれています。
牧石、牧山地区の神社には、このような割拝殿が多く見られます。


毎年秋祭り(10月第4土曜日)には、氏子たちがこの割拝殿に集まり 祭典を行ったあと、頭屋(とうや)と呼ばれる当番が持参した酒肴で 年に一度の饗宴をする場所として使われています。

この昔ながらの純朴な行事は 今も続いております。
       


淀子神社 随身門
随 身 門

淀子神社 備前焼の狛犬
備 前 焼 の 狛 犬

淀子神社 割拝殿
中央に通路をもつ 割拝殿 (後方に本殿)

淀子神社 本殿
りっぱな 本殿です



 2.中牧地区 農業集落排水処理施設(浄化センター)

農業集落排水事業 中牧地区処理施設
農業集落排水事業 中牧地区処理施設



















農業集落排水事業は、農業振興地域内(および一体的に整備可能な周辺地域)の農業集落における下水道整備事業です。

農業集落のトイレのし尿、台所・風呂場などから出る生活雑排水を集め、これらをきれいに処理して農業用水路や川に戻すことにより、農村の生活環境を快適にするとともに、農村を とりまく水環境の保全や農作物生産条件の改善を図るための事業です。

岡山市には農業集落排水処理施設が 28箇所あります。

平成16年度より 御津町、灘崎町、建部町及び瀬戸町と合併しましたが、旧瀬戸町が11箇所、旧岡山市が10箇所、旧御津町が5箇所及び旧建部町が2箇所あります。

▼中牧地区農業集落排水処理施設
処理施設位置 中牧649番地
敷地面積 1,205m2
現有処理能力 72.9m3/日
処理方式 標準活性汚泥方式+凝集沈殿
処理開始年月 平成14年10月
処理区域内人口(世帯数) 163人(69世帯)

平成15年に開かれました総合政策審議会汚水処理施設検討委員会において、建設・維持管理両面において投資効率が低いことから慎重に判断すべきで、公共下水道事業を優先されるべきと 農業集落排水処理施設については、事実上一時凍結となっています。

現在、整備は御津地区において行われていますが、これは合併時に取り交わされました新市建設計画において約束されたものです。


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