この地域で キクを始めとする 花き栽培が始まったのは、大正初年頃と言われています。
金山寺地区が キクの特産地となった背景は、標高が約400メートルで 岡山市内と較べると 気温が約2度低い涼冷地です。 そのため 寒暖差が大きく、花の色つきが良いことにあります。
また、キクは水が少なくても 栽培できます。そのため 水が少ない当地区でも栽培に適していたんです。
大正時代には、花の運搬のための自動車は もちろんありませんでした。 そこで当時は、収穫されたキクを自転車に載せて 岡山市内に行商に行ったもんです。
キクは 重量が軽いので、山の上の当地区からでも出荷が可能で、栽培には幸いでした。
最盛期は、昭和の終わり頃から 平成初期の頃でした。
しかし 20年経過した今では、生産者が高齢化し、作付け面積も 約5ヘクタールまでに 減ってしまいました。
これまで 多くの人たちが培ってきた伝統の「キク産地・金山」の灯を 消したくないと、知恵を出し合い 良いキクを作り、産地の維持に努めております。
しかし、労働がキツイ事と 花の単価が下がっていることもあり、後継者が おりません。
あと10年経過すると「金山ブランドのキク」が どうなるのか 大変心配です。
キクは 昼間の長さが 短くなると花が咲く短日植物で、秋を代表する花です。
しかし現在では、品種改良やホルモン剤を使用することにより、一年中出荷ができます。
キクは 日本人が最も親しみを持つ花のひとつです。
地区では50種類を超える品種を栽培しております。しかし 大半は特産になっている小菊(花の直径が9センチ未満)です。 これぞ 金山ブランドの最優良品です!!
金山寺地区では、7月から9月に 出荷ができるよう 開花時期の調整をしています。
特に仏壇や墓地に供えられるため、盆の時期が需要のピークで、一家総出の収穫作業となり大忙しです。
ところで キク栽培は大変なんです。
畑の殺菌・除草、キクの害虫駆除・水やりと 労働集約産業です。
その上 成長したキクが イノシシ被害に遭うようになったため、延長約8Kmの電牧柵を設置するなど、多くの投資を行い 被害を防止しています。
また出荷作業も大変です。畑で収穫されたキクは、先ず選別機にかけ 等級選別をし、10本ごとに結束機で束にします。
そして 花の鮮度を保ちつつ出荷するために 水につけ水揚げをします。
その後に 箱詰め作業となり、夜間に集荷場に集め 出荷をします。
当地区では、年間 約200万本を 岡山市中央卸売市場へ 共同出荷しています。
|
|
|
|
キク畑には、秋に出荷する キクが 整然と
|
|
|
|
選別機で、等級選別を
|
|
|
|
結束機で 束にします
|
|
|
|
水揚げ中です
|
|
|