高野尻地区には むかし街道が通っていました。そして 街道脇の田んぼの中に「笛吹岩」と言う 高さ約4メートルの大きな岩があります。この岩の上で1人の男が
いつも街道の見張りをしていたという言い伝えがあります。
男はいつも笛を持っていました。
この街道では 街道筋の要所の山々に 高野尻に近づく者の見張りがいました。街道を往来する人々の中で、怪しそうな者の監視をしていたのです。
そして 近隣の見張り地点から手旗による合図があると、「笛吹岩」の見張り番は、近づいてくる人物の最終チェックをしていたようです。
高野尻地区には 大師堂に聖(ひじり「高野聖」)がいらっしゃいました。
怪しい者の通過時には 見張り番の男は 笛を懸命に吹いて 聖に連絡をしたそうです。
その後も、この岩の見張りは 幕末まで続いたそうですが、連絡手段は笛から大きな音のする鉄砲に変わっていったようです。
名残として今でもこの地区の台帳には、岩のある田んぼは、小字で「笛吹」という地名として残っています。
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