平瀬地区のある山腹に張り付いたある岩は、いつの頃からか 「あなし」 と呼ばれ、昔の子供達の遊び場の一つであった。
標高100m?はあるだろう。
春には弁当を持って登り、周辺の“松緑”や“あけび”を取って楽しんだものである。
上部は平らで町内が一望出来る展望台でもあった。
岩の中には丁度すべり台の様に 上から下にくり抜かれて湾曲しており、滑って下りる事が出来る。 現代のサーフライダーである。
穴があるのに 「あなし」 と呼ばれる由来を誰も知らないし、記録もない。
誰が いつ なんのために、どうやってあけたのか謎のまま、今日に至っている。
今は昔、訪れる人も無く、岩は苔むしてはいるが昔のままである。
戦国時代、この地は 竜ノ口、船山等の山城があり、武士、村人達の隠れ場だったのだろうか。
途中には江戸時代の無縁墓も多い。
ゲームソフトで家にとじこもって遊ぶ最近の子供達にとっては、先人が残した手近にある、不思議な 夢 の世界ではないだろうか。
いつの日か 「あなし探検隊」 で子供達と登ってみては如何だろう。
|