<第5回>   「岡山市玉柏 河本地区 の 風土記」     平成17年6月1日
      記  :  田里 伊佐雄
  


河本地区は旭川の堤防(堤防に県道吉井線が通っている)と宗谷山(惣谷山)の間にあり,戸数は約200ほどです。

昔は桃源郷と言われるほどに桃の木が沢山あり,桃の花が満開の頃は岡山駅から玉柏駅まで花見列車が出て賑わったと聞いています。桃の木は旭川の河川敷に今でも沢山あり,桃の花が咲く季節には花見を楽しめます。

電子町内会用の風土記を書くに当たりインターネットで河本町内の重立った施設を検索したところ,「玉柏駅」(JR津山線玉柏駅),「上興院」,「諏訪宮」,「惣谷神社」で検索できました。


河本地区の地図



「玉柏駅」で検索したサイトには玉柏駅の紹介と共に昔と今の写真が掲載されているものがあります。
「惣谷神社」で検索していて「宗谷山公園」が紹介されているサイトに遭遇しました。造園業者が作られたもので,惣谷神社の西側に広がる公園です。
車でも行けますが,河本町内の坂元遊園地近くの山道(惣谷神社の参道)を歩いて登ることもできます。花が美しいとの評判があります。

惣谷神社は牛と馬をお祀りしている神社で,牛や馬が農業に欠かせない時代にはお参りするお方が多く,参道もきれいだったと聞いております。今でも春と秋に参道の掃除が行われ,その際風水害で傷んだ所は修理されていますが,参道を利用するお方の数が減った今寂しさはあります。


町内会の運営を円滑に行うため,町内を10の組に分け,規約を設け,会長をはじめ副会長,理事,幹事,顧問などの役員をおいています
1月に総会を開いて1年間の活動計画を図り,承認をもらって活動を開始します。活動の中から盆踊り,秋祭り,お地蔵様について紹介します。

盆踊りは毎年8月15日午後6時から8時までの間上興院境内で開催されております。盆踊りの曲が拡声器から流されますと,いやが上でも盛り上がり,河本地区のお方をはじめ宮本地区,平瀬地区など他地域からのお方も参加され,賑わいます。
電灯の明かりの中で踊りが盛り上がり,日頃のご無沙汰を埋めるかのように人々の間で語らいが盛り上がるのを見るに付け,つくづく良い行事だなと思っています。

昨年は10月10日に秋祭りが行われました。祭りの主役は小学生などの子供でしたが,土俵作り,だんじりや御輿の飾り付けは大人がしました。だんじり,御輿の巡行は例年通りで,拡声器から流れる威勢の良い曲に元気付けられるように12時30分に諏訪宮を出発し,町内を一巡して諏訪宮に戻りました。巡行が終わった後で小学生男児による奉納相撲がありました。

玉柏駅付近での だんじりと御輿の巡行

玉柏駅近くでのだんじりと御輿の巡行
諏訪宮境内での奉納相撲

諏訪宮境内での奉納相撲


お地蔵様という行事があります。毎年12月の第一日曜日に輪番制で餅つきとお地蔵様の掃除,前掛けの取り替えを行います。
下の写真の右側にお地蔵様がおられます。お地蔵様にお餅をお供えし,上興院の住職様にお経を頂き,町内会の人々の健康をお祈りしてもらっています。

お地蔵様

お 地 蔵 様


餅つきは,当番を引き受けた組の方が前日にもち米を研ぎ,日曜日の早朝から蒸籠(せいろう)で蒸し,昔ながらに臼と杵でつくという伝統的方法で行い,また,電気餅つき器を用いても行っています。
下の写真に写っているのは餅つき会場になる公民館とその前の広場です。入り口の左側に餅つきに使われる石臼が逆さにして置かれているのが見えます。
石臼のある所から右の方へ目を移していただきますと地面が少々黒ずんでいます。これは昨年12月の餅つきの際に出ました炭です。


河本公民館

河 本 公 民 館

(河本町内では公会堂という名称が定着している)



餅にはお地蔵様にお供えする大きめのものと町内の方に配るための小さめのものがあります。お地蔵様の周囲に町内のお方が多く集まられ,上興院住職様の読経が済みますと,大きい餅が先ず町内のお方に手渡され,餅はちぎられながら人から人の手に渡っていきます。小さい方の餅は蜜柑と共にお地蔵様にお参りに来られたお方に配られます。この餅を食べて無病息災を願います。
残念なことに餅をつくということは平成17年度から無くなりますが,餅を購入してお地蔵様の行事は続けられます。


小学生の登下校の姿や元気よく響き渡る話し声は日々の生活を明るく,嬉しくしてくれるものです。自動車が増えるに連れ,通学中の小学生が事故に遭わないようにと歩道が整備されてきています。
牧石小学校から坂元遊園地の傍の水門の所までは道路と並行して用水路(幅約8mで,6月から9月までは水量が多い)があり,用水路の上にせり出す形で歩道が作られています。

下の写真は水門の所を小学校側から写したものです。写真の左側にフェンスが見えます。フェンスの左側に用水路がありますが,歩道の下も用水路です。
歩道が水門の所で行き当たりになっており,歩道が無く,水門が視界を悪くしているので,歩行者は水門手前で道路を横切り,写真で右側の道端を歩いています。


水門、坂元遊園地付近の風景

水門,坂元遊園地付近の風景(5月上旬撮影)


今年に入ってから坂元遊園地の一部を使って車道を作る工事が始まりました。工事が終わると,現在の車道,歩道兼用の道路は歩道になるので,通学中の小学生の安全性が高まると思いながら工事の完了を待っています。


老人会(桃の里クラブ)の活動は盛んです。お世話くださいますお方,参加されますお方はお元気で,筆者に老人会の活動の魅力を話してくださりながら勧誘の声を掛けてくださいますが,今のところ若い積もりでいるので生返事をしています。

河本地区には田畑が多く,専業農家のお方や兼業農家の方がおられます。畑を借りて野菜作りをしている関係で野菜の出来具合には大いに関心があります。農家のお方の野菜作りには‘さすが’と思わせられるところが沢山あります。
筆者の栽培技術ではまぐれで出来の良い野菜ができることはあっても,素人故に出来が悪いのが常で,どうしたら出来を良くすることができるか試行錯誤しています。
農家のお方の中には,未だ10回しか経験が無いと素人に合わせるように言われながら親切に教えてくださるお方がおられる。10回しか経験が無いと言われても1年に1回の経験ですから10回という事は10年掛かっているということです。
天候が年々異なるので,野菜作りというのが如何に大変かということや,作物は可愛がればそれに応えてくれるということがやっと分かり掛けています。

風土記に相応しい事をお書き頂けるお方が河本地区にはおられますが,他地区の風土記を参考にさせてもらって筆者なりに河本地区の風土記を書かせてもらいました。反省点は,知らない事が多いという事です。


<<<学区の皆様のご投稿をお待ちしています>>>


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