平成27年度 加茂健康づくりウォーク記
 by三垣
   
2月6日(土) 最上稲荷コース←ここをクリックするとpdfで開きます。 

1月9日(土) 吉備津神社コース←ここをクリックするとpdfで開きます。 

12月5日(土) 井原駅周辺コース←こことクリックするとpdfで開きます。 

11月14日(土)  秦の郷コース←ここをクリックするとpdfで開きます。

10月3日(土) 妹尾・箕島コース ←ここをクリックするとpdfで開きます。 

9月5日(土) 三徳園コース ←ここをクリックするとpdfで開きます。

 
8月1日(土) 生石コース ←ここをクリックすると pdfで開きます。 


7月4日(土) 鴨方町屋公園・遺跡めぐりコース  ←ここをクリックすると pdfで開きます。


6月6日(土)   児島方面コース  ←ここをクリックすると pdfで開きます。

5月9日(土)   和気ロマン街道 ←ここをクリックすると pdfで開きます。

 

44日(土) 尾道千光寺公園コース

 前日の大降りの雨からして難儀なウオークを覚悟していたが、5時過ぎ起床と共にカーテンを開けて外の様子を窺がうと、曇り空ながら雨の気配はない。テレビをつけると午前も午後も20%の曇りマークが映っている。一瞬ホッとする。「花に嵐」は遭いたくないなと念ずる。
 7時10分、予定の21人が高松駅に集合。駅前の広場で体操をして、742の電車に乗る。

岡山駅では弁当を仕入れたりして、823の下りの山陽本線糸崎行きの電車に乗りかえる。車中で役員は行程の相談をする。窓外に眼をやると、沿線には意外に桜が多いのに気づく。
 935、尾道駅に着き、観光案内所で案内地図を貰い表口に出る。天を仰ぐと薄雲の空は雨の心配は全く要らない明るさになってきた。
 
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144.2mの山頂を目指して出発す。国道2号線沿いに東進。屋根が濃いみどり色のレトロバスが追い越してゆく。200mばかり進んで踏切を渡り、山側に移る。山側に向うと道は急な登りなる。

 林芙美子や大林宣彦氏が在学した
土堂小学校の横を過ぎると坂道は急な石段道になる。杖を突きながら上るがかなりきつい。稲荷の奥の院への急勾配の坂道を思い出す。後方からゆっくり行くようにと声が掛かる。小休止をとる。

 坂道の両側には桜の若木が点々と植えられている。道が少し広くなった所に出て再び小休止。

 前方頭上には「尾道城」が間じかに見える。この城は歴史も由緒もない建物。お金持ちが趣味で建てた天守閣風の単なる建築物と言う代物らしいが、桜の花に包まれた山の一角にあると、けっこう様になって見える。

 
 
 

 
 
 再び登坂に移るとやがて
西展望台に着く。階上からの展望は素晴らしく、山麓に散在する満開の桜、尾道市街、尾道水道、尾道大橋、向島等が一幅のパノラマとして広がる。衣服の前を開いて身軽にし、ベンチに腰掛けて「のど」を潤す。

 貰った案内地図を広げて行くコースを確認する連中もいる。展望台を降りて坂道に出ると、シルバーのボランティアの人が除草作業をしていた。

 ややゆるやかな坂道になり、道幅も広くなる。道の両側の桜の木も多くなってくる。大きな建物が道沿いに増えてくる。夜桜のためのしゃれた街灯が立つ。 


 県立美術館
前まで来ると人通りも多くなる。館前の掲示板を読むもの、沿道の案内板を読むものと隊列も広がる。

 山頂近くに着たので食事場所を探し、最高所の
八福稲荷宮の前の広場に陣取る。八畳岩まで行き腰を下ろすもの、設けられているベンチや芝生に席を取るものと、三三五五にはなったが、花見の弁当を開く。

 昨日の雨で散った花びらは僅かで、きょうが満開という美しい装いだ。雨の心配は全くなく、むしろ日陰で心地よい。我われの食事がやや早めなので花見客の姿は初め少なかった。
 
 しかし、予測していた通り時が経つにつれ人数も増え賑わいできた。外人のご夫婦やサリーを着た夫人連れなども見かけるようになる。

 昼食時間を十分とっているので、食事がすんだどころで
展望台に上がってみる。螺旋状の階段を上がる。二階部分にレストランがあってソフトクリームを求める客で賑わっている。

 屋上に出ると視界が開け、「西展望台」より高い位置にあるだけ遠方までの眺望が四方に広がる。景色をカメラに納めて下に降りる。

 記念写真の場所を物色するが、さすがこの雑踏する人の群れでは適当な場所が見当たらない。
K氏の薦める場所に決めて、集合場所に帰る。
      
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1230、日程コースの確認をして午後の部に移る。まず、展望台近くの一角に並ぶが、人通りのためバックの景色は思い通りにはならない。急ぎ整列して、通行の若い人にシャターを切って貰って下山に向う。

 ロープウエイの山頂駅の脇を通って、千光寺裏参道の
文学のこみちに入る。坂道沿いに25基の句碑が立つという。沿道には千光寺の奉納幡が立てかけてある。

 道は舗装されている石段みちで歩き易い。先頭は立ち止まって読む間もとらずドンドン降って行く。
 1基の句碑は、江見水蔭という人の「覚えきれぬ 島々の名や 夏かすみ」あり、大きな岩の前には志賀直哉の「暗夜航路」の一節の「文章碑」がある。

 沿道にある残りツバキの大輪の花が目を惹く。裏手から
千光寺境内に入る。千光寺は中国三十三観音霊場の十番札所である。10数年前に納経に訪れたことはあるが、ハッキリとした記憶では残っていないから全く新しい。

 イワクラは聖なる地として「信仰の山」である。様々の大小の巨岩が不規則に積み重なっている。先を行くものが「鏡岩」を見つけて教えてくれる。
10数m上に磨崖の鏡面が目に止まる。

 大師堂に参拝して、「散れやちれ 花を衾の 肘枕」の句碑を見て境内に出る。まっすぐに本堂に上がる。

 俗に「赤堂」と呼ばれるそうだが舞台づくりの建物は朱塗りである。ご本尊は千手観音で
33年目に一度開帳の秘仏。狭い舞台は人で一杯。手を合わせるや眼下に拡がる風景を一瞥して、すぐ境内に下りる。

 「玉の岩」と呼ばれる巨岩の上には丸い仏塔が載せてある。狭い境内に抹茶席が設けてあり、同行の数名は席に腰掛けて休息をとっている。

 下山に移る。「共楽園」に立ち寄り、園内を一巡して参道に出る。
天寧寺の三重塔の古色な装いに頭をひねりながら、仰視するだけで通り過ぎる。

 左右に折れながら参道を下ってゆくと、降りのケーブルが空中を下って行くのが目に止まる。ゆるやかな参道の両側は建物が隙間なく続く。

 「艮神社」への参道口を過ぎ線路を渡り国道
2号線を超え商店街に向う。

 
 →海岸通りに向う道には、「尾道ラーメン」を食べようとする客の行列が店前に続いているのが見える。折角のチャンスだから「尾道ラーメン」を食べてみたいという仲間の要望から、「商店街に出たら駅まで自由行動」ということに急遽変更することにする。

 一先ず商店街を西進して街筋を見ながら進む。築出小路筋に来て、「適当な時機」と自由行動にする。

 男性の多くは、「ラーメン」を求めて各自目当てを立てて行動に出る。吾が方は、
商業会議所記念館を目指して駅方面に向けて商店街を進む。地図では分かりにくいので、店の前に立つ女の人から丁寧に教えてもらう。

 商店街に面して「記念館」の入口があり極めて分かりやすい。中に入ると建物自体が記念物で多くの展示品はない。ただ、因島出身の「クボタ」の創業者久保田権四郎氏の紹介案内があり、昭和
21年に開発した「耕運機」の写真もある。動力部分は「発動機」を使い大輪の台車に載せて爪部分を回転させるといった機工で、開発初期の発想が頷ける。 その他にも展示物はあったが十分見ないで、2階の会議所の旧議場を見に上がる。

 ちょうど、場内中央に映写スクリンを広げていて、作業中の男性一人が応対してくれる。ここでは
2時から「怪傑黒頭巾」の作者 高垣眸(18081983)を語る会を開催すのだという。高垣眸氏のことは全く無知であったが、説明を聞くと驚くことに自分の母校でもある矢掛中学校の卒業生だという。

 旧矢掛中学校の寄宿舎は、自分の通学時代にもあったのでよく知っているが、高垣氏は寄宿舎に入り勉学をしたとのこと。尊敬すべき先輩ということになる。

 話が弾むが時間もあるので別れを告げ館内を出る。記念館横の広場では、
44日というのに「お釈迦様の花祭り」の行事が執り行われようとしている。10数名のお坊さんと稚児行列に参加する親子が待機して時刻の来るのを待っている。

 そこから商店街を進んでいると、
芙美子記念館―「旧宅公開中」という看板のある商家に出くわする。観光案内地図には載っていない所だ。中に入ると驚いたことに、同行の女性連中がお先に見学している。林芙美子が大正6年、14才の時から約1年余り家族と移住して暮らしていた家。館内には様々な遺品記念品が陳列してある。「私はお釈迦様に恋をしました。。。」と書かれた達筆の書が掲示してある。「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき」という心情と一脈通ずる人生観によるのだろうか。奥の離れの2階には遺品の着物が衣桁に架けて展示してあった。

 館を出て駅に向う。商店街通りはすぐ尽きて、
芙美子像前に出る。S氏親子に遭いT君と和服姿でしゃがんでいる像を背に写真を撮る。3人で駅まで帰り、集合時刻の2時半には少々時間があるのでコーヒーショップに入る。店内では先ほどの女性群と再び遭う。

 暫時休息の後、駅に帰り構内で全員の集合を待て、2番ホームに出る。電車の到着を待つ間、次会の「和気行き」の概略を伝言する。
1459発の列車に乗り、岡山経由で、1642高松駅に無事帰着、解散。歩数10,500歩余り。
          

 今年度最初のウオークは、週間天気予報では連日変わることなく雨マークが続いていて、前日の大雨が一変して止み、不思議なくらいの好天に恵まれた。この幸せは、感謝の外ない。桜の花の方も散るのを待っていてくれていたような気がする。ちょうど満開の装いでわれわれを迎えてくれた。こんなことは珍しいとしかいえないが、幸先よい出発になった。(ただ、カメラの操作をミスって映像が悪くなったのが少々心残りだ)