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【情報提供】南海トラフ地震関連解説情報が公表されました。(2025年9月5日17:00 気象庁)

2025/09/06

カテゴリー: 防災, 防災委員情報提供

 気象庁は、9月5日に開催の南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会等が評価した、南海トラフ周辺の地殻活動の調査結果を公表しました。概要は以下のとおりです。

 評価結果:現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時(注)と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない。
(注)南海トラフ沿いの大規模地震(M8からM9クラス)は、「平常時」においても今後30年以内に発生する確率が80%程度であり、昭和東南海地震・昭和南海地震の発生から約80年が経過していることから切迫性の高い状態。

1 地震の観測状況
 ○ 顕著な地震活動に関係する現象
 8月17日6時13分、日向灘の深さ29kmを震源とするM5.7の地震が発生した。この地震は発震機構が西北西-東南東方向に張力軸を持つ型で、フィリピン海プレート内部で発生した。
 ○ ゆっくりすべりに関する現象 
(1)紀伊半島中部:8月28日から8月31日

2 地殻変動の観測状況
 ○ 顕著な地震活動に関係する現象
  GNSS観測によると、2024年8月8日の日向灘の地震の発生後、宮崎県南部を中心にゆっくりとした東向きの変動が観測されている。また、2025年1月13日の日向灘の地震に伴い宮崎県南部を中心に地殻変動が観測され、それ以降にもゆっくりとした東向きの変動が観測されている。
 ○ ゆっくりすべりに関係する現象
  上記(1)の深部低周波地震(微動)とほぼ同期して、周辺に設置している複数のひずみ計でわずかな地殻変動を観測した。周辺の傾斜データでも、わずかな変化が見られている。
  GNSS観測によると、2019年春頃からの四国中部で観測されている、それまでの傾向とは異なる地殻変動は、最近は停滞しているようにみえる。また、2020年初頭から紀伊半島南部で観測されている、それまでの傾向とは異なる地殻変動は、2024年秋頃から停滞していたが、2025年初頭から再び地殻変動が観測されている。さらに、2022年初頭から、静岡県西部から愛知県東部にかけて、それまでの傾向とは異なる地殻変動が観測されている。
 ○ 長期的な地殻変動
  GNSS観測等によると、御前崎、潮岬及び室戸岬のそれぞれの周辺では長期的な沈降傾向が継続している。

3 地殻活動の評価
 ○ 顕著な地震活動に関係する現象
  8月17日に発生した日向灘の地震は、フィリピン海プレート内部で発生した地震で、その規模から南海トラフ沿いのプレートの固着状態の特段の変化を示すものではないと考えらる。
  GNSS観測による2024年8月8日と2025年1月13日の日向灘の地震発生後のゆっくりとした変動は、これらの地震に伴う余効変動と考えられる。余効変動自体は、M7程度以上の地震が発生すると観測されるもので、今回の余効変動は、そのような地震後に観測される通常の余効変動の範囲内と考えられる。
 ○ ゆっくりすべりに関係する現象
  上記(1)の深部低周波地震(微動)と地殻変動は、想定震源域のプレート境界深部において発生した短期的ゆっくりすべりに起因すると推定している。
  2019年春頃からの四国中部の地殻変動、2020年初頭からの紀伊半島南部の地殻変動及び2022年初頭からの静岡県西部から愛知県東部にかけの地殻変動は、それぞれ四国中部周辺、紀伊半島南部周辺及び渥美半島周辺から浜名湖にかけてのプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因すると推定している。このうち、四国中部周辺の長期的ゆっくりすべリは、最近は停滞している。また、紀伊半島南部周辺の長期的ゆっくりすべりは、2024年秋頃から一時的に停滞していたが、2025年初頭から再びゆっくりすべりが見られている。渥美半島周辺から浜名湖周辺にかけての長期的ゆっくりすべりは、すぺりの中心が渥美半島周辺から浜名湖周辺に移動している。
 ○ 長期的な地殻変動
  御前崎、潮岬及び室戸岬のそれぞれの周辺見られる長期的な沈降傾向はフィリピン海プレートの沈み込みに伴うもので、その傾向に大きな変化はない。

詳細情報:第97回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会、第475回地震防災対策強化地域判定会 気象庁資料(気象庁ホームページ)


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