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【情報提供】南海トラフ地震関連解説情報が公表されました。(2025年11月10日17:00 気象庁)

2025/11/10

カテゴリー: 防災, 防災委員情報提供

 気象庁は、11月10日に開催の南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会等が評価した、南海トラフ周辺の地殻活動の調査結果を公表しました。概要は以下のとおりです。

 評価結果:現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時(注)と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない。
(注)南海トラフ沿いの大規模地震(M8からM9クラス)は、「平常時」においても今後30年以内に発生する確率が高いと評価されており、昭和東南海地震・昭和南海地震の発生から約80年が経過していることから切迫性の高い状態。

1 地震の観測状況
 ○ 顕著な地震活動に関係する現象
 南海トラフ周辺では、特に目立った地震活動はなかった。
 ○ ゆっくりすべりに関する現象
 プレート境界付近を震源とする深部低周波地震(微動)のうち、主なものは、以下のとおり。
(1)四国東部:9月29日から10月11日
(2)四国西部:10月19日から10月24日

2 地殻変動の観測状況
 ○ 顕著な地震活動に関係する現象
  GNSS観測によると、2024年8月8日の日向灘の地震の発生後、宮崎県南部を中心にゆっくりとした東向きの変動が観測されている。また、2025年1月13日の日向灘の地震に伴い宮崎県南部を中心に地殻変動が観測され、それ以降にもゆっくりとした東向きの変動が観測されている。
 ○ ゆっくりすべりに関係する現象
  上記(1)、(2)の深部低周波地震(微動)とほぼ同期して、周辺に設置している複数のひずみ計でわずかな地殻変動を観測した。周辺の傾斜データでも、わずかな変化が見られている。
  GNSS観測によると、2022年初頭から、静岡県西部から愛知県東部にかけて、それまでの傾向とは異なる地殻変動が観測されている。また、紀伊半島南部で2020年初頭から観測され、2024年秋頃から停滞し、2025年初頭から再び地殻変動が観測されている評価していたそれまでの傾向とは異なる地殻変動は、詳細に検討した結果、2024年秋頃からの停滞後、収束していたとみられる。
 ○ 長期的な地殻変動
  GNSS観測等によると、御前崎、潮岬及び室戸岬のそれぞれの周辺では長期的な沈降傾向が継続している。

3 地殻活動の評価
 ○ 顕著な地震活動に関係する現象
  GNSS観測による2024年8月8日と2025年1月13日の日向灘の地震発生後のゆっくりとした変動は、これらの地震に伴う余効変動と考えられる。余効変動自体は、M7程度以上の地震が発生すると観測されるもので、今回の余効変動は、そのような地震後に観測される通常の余効変動の範囲内と考えられる。
 ○ ゆっくりすべりに関係する現象
  上記(1)、(2)の深部低周波地震(微動)と地殻変動は、想定震源域のプレート境界深部において発生した短期的ゆっくりすべりに起因すると推定している。
  2020年初頭からの紀伊半島南部の地殻変動及び2022年初頭からの静岡県西部から愛知県東部にかけの地殻変動は、それぞれ四国中部周辺、紀伊半島南部周辺及び渥美半島周辺から浜名湖にかけてのプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因すると推定している。このうち、渥美半島周辺から浜名湖周辺にかけての長期的ゆっくりすべりは、すぺりの中心が渥美半島周辺から浜名湖周辺に移動している。また、紀伊半島南部周辺の長期的ゆっくりすべりは、2024年秋頃から一時的に停滞し、2025年初頭から再び見られると評価していましたが、詳細に検討を行った結果、2024年秋頃の停滞後、停止していたとみられる。
 ○ 長期的な地殻変動
  御前崎、潮岬及び室戸岬のそれぞれの周辺見られる長期的な沈降傾向はフィリピン海プレートの沈み込みに伴うもので、その傾向に大きな変化はない。

詳細情報:南海トラフ地震関連解説情報(令和7年11月10日)(気象庁ホームページ)

詳細情報:第99回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会、第477回地震防災対策強化地域判定会 気象庁資料(気象庁ホームページ)


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