【情報提供】南海トラフ地震関連解説情報が公表されました。(2024年7月5日17:00 気象庁)
2024/07/05
気象庁は、7月5日に開催した南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会等が評価した、南海トラフ周辺の地殻活動の調査結果を公表しました。概要は以下のとおりです。
評価結果:現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時(注)と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない。
(注)南海トラフ沿いの大規模地震(M8からM9クラス)は、「平常時」においても今後30年間以内に発生する確率が70から80%であり、昭和東南海地震、昭和南海地震の発生から約80年が経過していることから切迫性の高い状態。
1 地震の観測状況
○ 顕著な地震活動に関係する現象
南海トラフ周辺では、特に目立った地震活動はなかった。
○ ゆっくりすべりに関する現象
プレート境界付近を震源とする深部低周波地震(微動)の主なものは、以下のとおり。
(1)紀伊半島中部から紀伊半島西部:5月30日から6月2日
(2)紀伊半島西部:6月15日から18日
(3)東海:6月17日から24日
(4)四国中部:6月20日から29日
2 地殻変動の観測状況
○ ゆっくりすべりに関係する現象
上記(1)から(4)の深部低周波地震(微動)とほぼ同期して、周辺に設置している複数のひずみ計でわずかな地殻変動を観測している。
3 地殻活動の評価
○ ゆっくりすべりに関係する現象
上記(1)から(4)の深部低周波地震(微動)と地殻活動は、想定の震源域のプレート境界深部において発生した短期的ゆっくりすべりに起因するものと推定される。2019年春頃からの四国中部及び2022年初頭からの静岡県西部から愛知県東部にかけの地殻変動は、それぞれ四国中部周辺及び渥美半島周辺のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因すると推定される。このうち四国中部周辺の長期的ゆっくりすべリは、2023年秋ごろから一時的に鈍化していたが、最近は継続している。
以上の微動及び短期的、長期的なゆっくりすべりは、従来から繰り返し観測された現象。
詳細情報:第81回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会、第459回地震防災対策強化地域判定会で、南海トラフ周辺の地殻活動を評価しました。(気象庁ホームページ)