【情報提供】南海トラフ地震関連解説情報が発表されました。(2024年5月9日17:00 気象庁)
2024/05/10
気象庁は、5月9日に開催した南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会等が評価した、南海トラフ周辺の地殻活動の調査結果を公表しました。概要は以下のとおりです。
評価結果:現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時(注)と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない。
(注)南海トラフ沿いの大規模地震(M8からM9クラス)は、「平常時」においても今後30年間以内に発生する確率が70から80%であり、昭和東南海地震、昭和南海地震の発生から約80年が経過していることから切迫性の高い状態。
1 地震の観測状況
○ 顕著な地震活動に関係する現象
4月17日23時14分に豊後水道の深さ39kmを震源とするM6.6の地震が発生。この地震は、東西方向に張力軸を持つ正断層型で、フィリピン海プレート内部で発生。
○ ゆっくりすべりに関する現象
プレート境界付近を震源とする深部低周波地震(微動)の主なものは、以下のとおり。
(1)四国中部:3月22日から4月4日
(2)四国南部:4月8日から4月29日
2 地殻変動の観測状況
○ 顕著な地震活動に関係する現象
4月17日の豊後水道の地震に伴い、わずかな地殻変動を観測した。
○ ゆっくりすべりに関係する現象
(1)及び(2)と同期して、周辺に設置している複数のひずみ計でわずかな地殻変動を観測している。
3 地殻活動の評価
○ 顕著な地震活動に関係する現象
4月17日の地震は、プレート内部で発生した地震であり、プレート境界の固着の状態に特段変化をもたらすものではない。
○ ゆっくりすべりに関係する現象
上記(1)及び(2)の微動と地殻活動は、想定の震源域のプレート境界深部において発生した短期的ゆっくりすべりに起因するものと推定される。四国中部では、2019年春頃から長期的なゆっくりすべりに起因すると推定される地殻変動が続いているが、最近は鈍化していたが、最近は継続している。
以上の微動及び短期的、長期的なゆっくりすべりは、従来から繰り返し観測された現象。
詳細情報:第79回南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会、第457回地震防災対策強化地域判定会で、南海トラフ周辺の地殻活動を評価しました。(気象庁ホームページ)