第73回オレンジカフェ『青春』が開催されました。
投稿日:2024年2月28日
昨日の雨も止んだ2月26日(月)午前10時から富山公民館で、第73回オレンジカフェ『青春』が開催されました。
福森和子会長の開会の挨拶に続き、池田俊夫副会長のハーモニカ伴奏に乗って、「青い山脈」を参加者27名全員で合唱しました。
今回の第一部は、『安心・安全な暮らしを守るために ~認知症の人の意思決定を”支援する“・”支援される“を学ぼう~』と題して、
講師の岡山旭東病院医療福祉相談課課長で医療ソーシャルワーカーの片岡志麻さんと進行役の同病院地域医療サポート室室長の河村武人さんのお二人の専門家からお話を伺いました。
この意思決定支援とは、認知症の方が不十分な判断能力の下で地域生活や社会参加を継続してゆくために、自らの可能性を活かし、自分らしく暮らしたいという希望や願いを実現することへの支援を意味します。
認知症の方からすると、どこでどのような人生を送りたいか、人生の最終段階でどのような医療やケアを望むか、自分の意思は誰にどのように伝えておくかの問題につながります。
認知症の方の態様はさまざまで、その意思決定を支援することもたやすいものではありませんが、本人の意思を尊重し、その意思決定残存能力に配慮し、医療、介護、地域のチーム(家族・親族、福祉・医療、近隣関係者、成年後見人等)による早期からの支援継続を基本としながら、①本人の意思の形成と②それを表明し③さらにそれを実現させる(意思決定の三要素と呼ばれます。)ための支援にほかなりません。そして、本人の意思の確認方法として、挨拶ができるかどうか、会話が成立するかどうかを見ながら、課題についてわかりやすい言葉で説明し、本人の言葉を反復して意思を確認するとともに、反応を見て意思表示の方法(うなづき、首振り、握手、表情、筆談等)をさぐり、質問の表現を変えて理解力を確認するなどが考えられます。
また、認知症の方へのかかわり方に「さしすせそ」の原則があることも教わりました。それは、「さりげなく、しからない、すみやすい環境、せっとくよりも納得、そんけいの気持ちで」というものです。温かく見守り、理解しやすくゆっくりと声をかけて、優しく安心できる環境で気持ちや話を聴いてあげれば意思を表明しやすいというもので、これは意思決定支援の第一歩とのことでした。
動画による認知の方へのインタヴューも交えて、意思決定支援についてのたいへん説得力のあるお話が伺えました。
休憩をはさんで
第二部『~みんなが主役笑顔の輪を広げましょう~』は、
第一部に続き、片岡志麻さんと河村武人さんの指導で、参加者全員が五つのグループに分かれての「もしバナゲーム」、つまり「もしものための話し合い(=もしバナ)ゲーム」を楽しみました。
ランダムに配られた手元のカードと中央に置かれた積み札のカードには、「痛みがない」「家族と一緒に過ごす」「誰かの役に立つ」などの、人生の最終段階で大切にしたいと願う事項が記載され、参加者は手元のカードと積み札のカードを交換しながら、最後にこれだけはと願うカード3枚を手元に残して、その理由を他の参加者と話し合います。
余命わずかの想定で自らの価値観を見つめ、他の参加者と共有することで、最終段階での意思決定支援のあり方を体感的に学ぼうというゲームで、最後には会場内でのグループ発表もあり、参加者の皆さんのもしもの時の希望や心構えを聞けた感慨深いひと時でした。
今回はこれで終了となりました。
※次回の第74回は、令和6年3月25日(月)13:30~15:30、岡山市立富山小学校2棟1階ランチルームでの開催です。いつもと、開始時間も会場も異なりますので、ご注意ください。また、参加される方は、上靴をご持参ください。
(文・写真:矢尾)