地域安全マップづくりの授業支援と発表会

投稿日:2019年10月31日

 

地域安全マップづくりの授業支援【フィールドワーク】

 10月16日AM8:30~10:30まで富山学区防災協議会を主力とする地域のボランティアと保護者のボランティアの皆さんが、富山小3年生の「地域安全マップづくり」の授業支援を行いました。

 学校・地域と家庭が協働して『地域の宝』である子どもたちを「犯罪から守る」ことを目的としていて、今回で11回目となります。

 正指導員(地域ボランティアで有資格者)12名と副指導員(保護者ボランティアで指導者養成講座受講済の方)13名の25名が指導に当たりました。115名の子どもたちは9班に分かれ、小学校近くの設定した9地域を分担して現地調査(フィールドワーク)に出発しました。

正・副指導員打合せ

正・副指導員打合せ

あいさつする浜辺会長

あいさつする浜辺会長

 

 この日は晴天に恵まれ日差しが強く汗ばむ程でしたが絶好のフィールドワーク日和となり、出発前に正副指導員を含む全員で集合写真を撮った後、9ヶ班がそれぞれの担当地区へと出掛けました。

調査中のグループ①

調査中のグループ①

調査中のグループ②

調査中のグループ②

 

 1班にはそれぞれAとBの2つのグループがあり、この2つのグループで1つの班が形成されていて、1つのグループは6~7名で編成されています。グループには班長・副班長・写真係・地図係・インタビュー係等の役割があり、全員がいずれかを担当します。

班 長:グループのリーダーでみんなの行動や意見をまとめる
副班長:班長の手助けをする、また自転車や車にも注意する
写真係:調査した地区の危険な場所や安全な場所の写真を撮る
地図係:危険な場所や安全な場所、またインタビューした場所を地図に書き込む
インタビュー係:近所の人に犯罪に遭う様な場所を聞き、危険な場所と安全な場所を見つけてメモをとる

 それぞれの係の主な役割は以上の通りです。

インタビューの様子

インタビューの様子

 

「危険な場所」とは
入りやすい(逃げやすい)場所で、まわりから見えにくい(隠れやすい)場所です。視線が届かない物陰や死角があるところ、また近くに家がなく家があっても窓がないところ、ゴミが散らかり草も茂り、落書きや壊れたままの管理されていない施設など、視線があっても無関心な場所などです。

「安全な場所」とは
入りにくい(入れない)場所で、見えやすい(隠れられない)場所です。きれいな玄関まわり、よく剪定された庭の樹木、よく手入れされた公園など、また子どもかけこみ110番のプレートがある家など、防犯活動や防犯意識が高く、よく管理された場所は犯罪者のきらいな場所です。

 これは『犯罪には起こりやすい場所がある』という立正大学の小宮信夫教授(犯罪社会学)が提唱した地域安全マップ作りで、子ども自ら危険な場所を見つける力を養い「そこに絶対近づかない!」ということを教えます。防犯ブザーは危険な状況に追い込まれてから使うもので、防犯ブザーを使わなくてもすむ状況に身を置くという究極の安全教育と言われています。

 それぞれの班は「入りやすくて」「見えにくい」をキーワードに、調査した地区の危険な場所や安全な場所を自分たちの目で見つける作業を行いました。

移動中の子どもたち

移動中の子どもたち

 

 フィールドワークが終わった班から元気よく学校に帰りました。事故もなく終えて最後に正指導員から「注意事項がよく守られてよい学習ができました。今日習ったことを通学路や自宅近くで調査して見つけてください。そして危険な場所には絶対近づかないように」などの注意があり、子どもたちは声をそろえて大きな声で「ありがとうございました」とお礼のあいさつをしました。

 最後の班が帰った頃、ちょうど10:30になり、ボランティアの皆さんはそれぞれ“おつかれさま!”の挨拶で帰途につきました。

(文・写真:平井)

 

 

地域安全マップづくりの授業支援【発表会】

 10月25日(金)AM9:40~10:25、小学校の体育館に小学3年生が集合して、10月16日のフィールドワークで調査した『危険な場所』『安全な場所』をグループごとに1枚のマップを作成して、1人ずつ全員が発表しました。

 体育館の壁には、班ごとに9班18枚のマップが貼られており、自分たちが作ったマップの前でグループごとの発表です。

マップの発表をしている様子 3班

マップの発表をしている様子 3班

 マップには10ヶ所程度の調査結果が表現されています。
『危険な場所』『安全な場所』が示され、そこがなぜ危険なのか、なぜ安全なのかの理由を書いた付箋紙を貼り付けて、説明していました。それに加えて写真係が撮った写真も貼ってあり、その場所の情景がよく理解できました。

 

マップの発表をしている様子 7班

マップの発表をしている様子 7班

正指導員に子どもたちからお礼の綴が届きました。

正指導員に子どもたちからお礼の綴が届きました。

 

 このマップはフィールドワーク後の授業で、一定時間内に子どもたちだけで作成したものです。1人が1ヶ所以上のポイントを見つけて場所を記し、理由と写真を付けて完成させ、その場所の発表を自ら行います。同じ地区を調査しても違うポイントの記入があったり、樹木や家の絵があったり、大変良いマップができました。

 このマップを自ら作成し自ら発表することで子どもたちの犯罪被害予防能力が一層高まることが期待できます。

 今回の発表会は前回までの会に比べ、より詳しく調査できた、より詳しく表現されたマップで、子どもたちの成長が感じられるすばらしい発表会でした。

 先生方もご苦労様でした。

(文:平井 写真:松本先生)

カテゴリー:ニューストピックス

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