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ニューストピックス(2017年2月26日)

防災講演会が開かれました。

西村敬一岡山理科大学客員研究員 2月26日(土)午後、富山公民館において岡山市市民協働企画総務課・富山公民館主催で、“3・11と熊本地震に学び想定される災害について考える”というテーマで、地震学が専門の岡山理科大学客員研究員の西村敬一氏が『富山学区の防災・減災について』講演を行いました。

中学生ボランティア2名を含め地域の高齢者を中心に約50名が参加し熱心に勉強しました。

第1部では、3・11を踏まえた『南海トラフ巨大地震の想定』について説明があり、内容は次のとおりでした。

  • ①想定震源域が3・11以前の想定より大幅に拡大され、「南海トラフ巨大地震」と名付けられた。

  • ②震源域の中に強振動生成域(特に強い地震波を放射する領域)が生じると仮定された。

  • ①と②が想定どおり起こると、長く続く揺れと強い揺れの波状攻撃で、家屋の損壊・地盤の液状化・揺れによる土砂災害が激しくなる要因となり、また、切り立った高い津波を発生させる津波地震が起こると仮定され、被害が非常に大きくなる。

  • 今後30年以内の発生確率が70%と言われている地震は「南海地震」のパターン・「東南海地震」のパターン・「三連動地震」のパターンで、「南海トラフ巨大地震」パターンの発生確立は数パーセントと低いと考えられている。

  • 予測はすべて歴史的周期や類似性に基づくもので、2032年〜2034年が油断できない時期と想定されている。

第2部では、断層の地震が他の断層に連動して起こる本震−余震型に対し、前震−本震−余震型があり、最初の揺れでもろくなった家が次の大きな揺れで壊れてしまい被害が大きくなる、この地震を念頭において気象庁の情報を聞き注意深い行動が必要だとのお話でした。

次に家屋の耐震改修について解説がありました。

  • 建築基準法の制定〜改正で、旧耐震基準(1950年)→新耐震基準(1981年)→新・新耐震基準(2000年)と厳しくなっている。厳しくなって行った基準をクリアしている住宅ほど倒壊・崩壊は少なくなっている。(岡山県の住宅耐震化率は2014年で75%と全国平均と比べて低い)

しかし、新耐震基準も、新・新耐震基準も震度6強〜震度7の揺れに2回以上見舞われることや、長く強い揺れ・強い揺れの波状攻撃は想定されていないとのお話でした。(1日も早い安価な免震工法の技術が確立される事が望まれます)

講演会場の様子

第3部では、富山学区に想定される災害について次のようなお話がありました。

  • 自分の家の揺れやすさを知っておくこと。(震度6弱)

  • 自宅の耐震性を高めること。

  • 地震火災の延焼危険度が高い。1〜5の評価で最も高い5(木造建物の割合、消防車の通行できる道路、消防水利状況などから評価)の状態にあるので、通電火災を防ぐために感震ブレーカーの設置を!

  • 液状化危険度を知っておくこと。

  • ガケ崩れ警戒区域の方は注意。操山は風化しやすい花崗岩のためガケ崩れが起こりやすい。(芥子山と比べずいぶん風化が進んでいる)

液状化実験の説明をする中学生ボランティア 西村先生の講演後、富山中学校1年の井上君と山ア君が、実験で液状化現象がどうなるものかを再現して説明してくれました。

実験装置では、マンションや民家・車・マンホールの模型が振動を与えてしばらくするとマンション・民家・車が沈み、マンホールが浮上しました。水の含有量によっては地表に水が流れ出てくる液状化の仕組みがよく理解できました。

中学生ボランティアの皆さん大変ご苦労様でした。

最後に質疑応答があり、参加者全員がまた一つ大きな防災知識を身につけて解散しました。

質疑応答で解説を聞く参加者

(文:平井、写真:平井・横地)

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