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ニューストピックス(2011年9月11日)
先人の知恵と歴史を感じた「倉安川の源を訪ねて」
9月11日(日)バスツアー「倉安川の源を訪ねて」が、富山の自然を楽しむ会の主催で開催されました。熱中症が心配されるような晴天の中、いずれも熟年男女の参加者とスタッフ総勢24名が、9時30分 富山公民館をマイクロバスで出発しました。「バス内」や「倉安川の源」では、實村代表による説明や解説がパンフレットを用いてありました。
- 祇園用水
祇園用水を生み出す堰やサイホンでは、水不足や水利権をめぐる争いを克服した先人の知恵があった事を知りました。初めて見聞きする人、改めて確認する人、様々でしたが、熱心に聞き入っていました。旭川合同堰から取り込まれた用水が蕩々と流れ、サイホンで旭川の底をもぐって対岸へ、さらに祇園大樋から5ルートに分水され、後楽園・西川・・・そして平井方面にも流れていることを実感しました。
- 旭川合同堰(玉柏)大原橋上流
- 旭川サイホン入口(原) 旭川祇園サイホン出口(旭川荘)
- 段原分水樋門(祇園大樋)
- 旭川合同堰(玉柏)大原橋上流
- 倉安川
倉安川では、岡山県庁付近の新堰で締め切られた旭川の水が新地堰で倉安川に取り込まれている様子に時を忘れて見入っていました。
- 旭川新堰(県庁付近) 旭川新地堰(京橋よし少し下手)
祇園用水伏越底樋(平井)では、新堰が冬季開放されていること。その為倉安川の水は止まり雑草が繁茂し悪臭が漂っていたこと。富山の自然を楽しむ会は、平成20年から富山学区連合町内会・農業委員の方々と岡山市中区役所を訪問し倉安川への通水をお願いしたこと。役所の尽力や水利権をもった方々の了解を得て平成21年10月に念願の通水がなされたこと。以来毎年10月〜4月も分水される様になったこと。通水の結果、雑草が少なくなり川が生き返ったこと。みんなで気をつけて「きれいな倉安川」にすること。等々の説明や訴えがありました。
- 祇園用水伏越底樋(平井ポンプ場横) 倉安川サイホン(山崎)
- 旭川新堰(県庁付近) 旭川新地堰(京橋よし少し下手)
- 倉安川吉井水門(岡山市吉井)
最後に、江戸時代津田永忠によって建造された倉安川吉井水門を尋ねました。参加者は、当時の姿のまま残されている閘門式水門を目にして、灌漑用水の確保だけでなく高瀬舟によって物資輸送がされていた昔の人々の営みを思い浮かべていました。
14時30分には、参加者全員心地良い充実感と共に元気で富山公民館に帰着しました。参加者の感想は全員「よかった。」でした。
(文・写真:中村)