倉安川周辺歴史探訪ウォーク
投稿日:2021年11月13日
秋冷の11月11日(木)午前9時より「倉安川周辺歴史探訪ウォーク」が開催されました。これは富山の自然を楽しむ会と富山公民館の共催で、世界かんがい施設文化遺産に指定された倉安川周辺の歴史を学ぼうとの主旨で開催されたものです。
午前9時には富山公民館前に参加者と富山の自然を楽しむ会メンバー計20人強が集合し、實村代表から本日の趣旨・注意事項などの説明がありスタートしました。
探訪するのは富山公民館から東の倉安川沿いの歴史的な場所で、世界かんがい施設遺産記念看板と栴檀の木、雁木(川市)、上水道記念碑、舟回しと樋門、丸端橋と船頭道、丸端の井戸、出村の大師堂、中村橋の上の常夜灯と地神様、賽の神様、本村橋の常夜灯と地神様、天地天満宮、本村の大師堂、百間川柾木配水樋門と柾木樋門、倉安川排水機場、倉安川の説明板などです。
世界かんがい施設遺産の説明板と傍にある栴檀の木を見ました。これは2019年(令和元年)インドネシア・バリ島で開催された第70回国際執行理事会において、歴史的価値のある農業用水利施設として「百間川・倉安川」が選ばれたものです。傍には栴檀の木(枝が横に張り日陰をつくるので洗い物などをする場所などで重宝された)が植えられています。
福泊バス停南にある雁木(川市)を見学しました。これは昔、用水で洗い物などをしていた場所です。また傍には昭和38年建立の上水道記念碑が忠魂碑や地神様・常夜灯と共に建っていました。
丸端橋は高瀬舟が往来していた時代は木製の太鼓橋で橋の下には船頭が舟を引っ張るための石垣の船頭道があり、その名残の石積みが見られます。また橋の傍らには江戸時代から昭和になって上水道が引かれるまでは、特に新田地区の出村や福吉の村落民の飲料水として利用されていた丸端の井戸があり、出村の大師堂が鎮座しています。
【船頭道:写真の橋脚部に石積が見られます】
中村と本村の村境には悪霊を防ぐと信仰されている賽の神様(道祖神)が榎の大木の根元に祀られています。この神様は足の神様としても信仰され「わらじ」が奉納されています。また、近くの本村橋上には倉安川を往来する舟の目印と、吉備津岡辛木神社の御神灯を兼ねる常夜灯と地神様が祀られています。
天地天満宮は富山中学校西の山裾に鎮座している主祭神は菅原道真で学問の神様です。社の前には文化八年(1811年)の文字が刻まれた石灯篭があり、地元の人々の奉仕により清掃整備されています。
倉安川から百間川への排水を受け持つ柾木排水樋門と百間川の水位が高くなった場合に強制排水をおこなう倉安川排水機場を見学しました。排水機場の操作員は大雨の時など不眠不休で操作にあたり浸水被害が起こらない様に努めているそうです。
【写真:柾木配水樋門(左)と倉安川排水機場(右)】
最後に倉安川に3カ所ある案内板の一つである本村地区の倉安川河川整備事業現地説明板の説明を受け、本日の探訪を終えて公民館に帰りアンケートを記入し解散となりました。
晩秋の富山平野の散策を楽しめた一時でした。
(文・写真:横地)
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