講話「今年、知っておきたい防災のポイント」

投稿日:2020年9月25日

講師の難波主任(左)と蜂谷技師

講師の難波主任(左)と蜂谷技師

 9月24日午前10時から、富山公民館において岡山市(市民協働企画総務課)と富山公民館の共催で「今年、知っておきたい防災のポイント ~ 第一弾 身近な浸水被害(内水)に備えて~」と題する講座が催されました。

 講師は、岡山市下水道河川計画課の難波主任と蜂谷技師(女性)で、事前申し込みの19名の一般学区民が聴講しました。

 

 話は「内水氾濫(はんらん)」「洪水」の用語の解説から始まり、前者は「降雨により、河川などの排水先の水位が高くなったときに雨水が処理できなくなり、水路に水が溢れて住宅地や道路などが浸水すること」「被害は比較的小規模だが近年の市街化に伴い頻発傾向にある」。また、後者は「長時間、雨が激しく降るなどして河川が増水し、堤防を越えて水があふれたり、堤防が決壊してはん濫すること」「発生頻度は低いが、いったん起きるとしばしば甚大な被害を招く」との説明がありました。

 また、岡山市の水害に対するぜい弱性についても話が及び、海抜0メートル地帯の総面積は大阪湾・東京湾の湾岸面積の2倍もあって、近年の都市化に伴う農地の宅地化による遊水地の消滅にも起因して浸水被害が増大し、その被害額は平成26年~30年の統計では全国主要都市中ワースト2だという話には驚かされました。

 ドローンで撮影したという平成30年7月豪雨の浸水の実相写真や令和元年の九州地方の豪雨の動画も数多く紹介されましたが、「災害は忘れぬうちにやって来る」近年の実態を思うとき、「積極的な正当情報の取得と的確な状況判断に基づく時機を失しない行動」の大切さを思い知らされました。

 その一方で、配布資料のなかに岡山県のリーフレットがあり、それには赤地に白抜き(あるいは白地に赤文字)で、

と大書してあり、ウイズコロナ時代の避難のあり方(自宅での垂直避難、親戚・知人宅等への避難など選択肢が記載してある)に新しい発想をみる思いでした。

会場風景

会場風景

 岡山市の場合は、「洪水は危機管理課」「内水はん濫は下水道河川局」と所管が分かれていて、今回の出席者には令和2年6月版(最新)の「浸水(内水)ハザードマップ」が配付され、また、岡山市地図情報マップ(GIS)へのパソコンやスマートホンでのアクセスの仕方を始め、ハザードマップの裏面に掲載された

 ・ 避難情報の伝達  

 ・ 日頃からのそなえ  

 ・ 家庭でできる浸水対策(自助)  

 ・ 大雨が降ってきたら  

 ・ 要配慮者への支援(共助)

などについても説明がありました。

 なお、平成2年1月作成~全戸配布の「富山学区地域防災マップ(洪水・土砂災害)(A3判)は危機管理課の担当で、内容に変更発生のつど再発行されるものと思う」とのことでした。

 今後、岡山市(下水道河川局)としては、

 ・ 河川や下水道の排水能力の向上  

 ・ 水タンクや地下タンクの設置

 ・ 増水に先立っての用水路の取水停止や放水による水位の低減  

 ・ 土嚢及びマサ土の斡旋  

 ・ 止水板設置助成制度や雨水貯留タンク設置助成制度の推進

などに取り組むとのことで、令和3年度には非常災害時用の「マンホールトイレ」を富山小学校に設置する予定だとのお話もあり、正午過ぎに散会となりました。

 最後の質疑応答では、われわれの周辺の「治水」部門だけでも5つの行政部局に跨っていることへの「縦割り行政」にじれったさを痛感しましたが、この講座はシリーズで行われ、次回は「感染リスクについて」を10月29日に開催するそうです。

(文・写真:小野田)

カテゴリー:ニューストピックス

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