富山学区防災訓練

投稿日:2019年2月21日

 2月17(日)午前9時より正午まで、富山学区の恒例行事の一つである防災訓練が富山小学校のグランドにおいて行われました。

開会式

開  会  式

 主催は富山学区防火防災会で、共催は富山学区連合町内会、後援は富山学区愛育委員会、富山学区婦人会、富山学区栄養改善協議会、富山地区民生委員児童委員協議会、岡山市中消防署旭東出張所、岡山市富山消防分団です。

来賓の皆さん

来賓の皆さん

開会式とスタッフ

開会式とスタッフ

 

 参加者は各町内会から287名と、来賓・富山消防分団・中消防署旭東出張所・実行委員から計99名の総勢386名で盛大な訓練が開始されました。

 まず小橋実行委員長から「昨年は岡山で大きな災害が発生しました。近い将来には南海トラフ大地震の発生が予想されており、その時に少しでも役立つように今日の訓練に取り組んで頂きたい。」との挨拶があり、続いて内田分団長代理から訓練の内容・手順について説明がありました。

小橋実行委員長の開会の挨拶

小橋実行委員長の開会の挨拶

内田分団長代理の訓練の説明

内田分団長代理の訓練の説明

 

その内容は次のとおりです。

訓練・体験・実習は、

1 貯水タンク見学         5 車イス体験
2 備蓄倉庫見学          6 水消火器訓練
3 起震車体験           7 救急救命実習
4 スモークトンネル訓練      8 簡易担架実習

の8種類があり、

指導と説明を担当したのはそれぞれ、

1 岡山市水道局職員
2 根木富山小学校教頭
3 岡山市消防局
4 岡山市消防団富山分団
5 太田さん(富山犠牲者ゼロプロジェクトリーダー)と石井さん(富山学区防火防災会)
6 岡山市消防団富山分団
7    同
8    同
でした。

岡山市中消防署の皆さん

岡山市中消防署の皆さん

岡山市消防団富山分団の皆さん

岡山市消防団富山分団の皆さん

この8種類の訓練等を、

Aグループ : 海吉本村・海吉中村
Bグループ : 福泊
Cグループ : 海吉出村
Dグループ : 山崎本町
Eグループ : 福泊川東・海吉福吉
Fグループ : 湊池の内・操陽南山・湊操山・湊光ヶ丘
Gグループ : 円山境内・円山宮西・円山中央・円山団地
Hグループ : 円山浜倉・円山嶽・円山外新田・円山南・円山表・操陽ヒルズ
の8つのグループに分けられた町内会が、それぞれ15分ずつ訓練を受けるというとても効率のよいスケジュールで回して行きました。

会場全景

会 場 全 景

 

訓練の主な内容は、

 貯水タンクでは応急給水活動の説明があり、応急給水栓収納箱の場所を確認しました。そこに受水タンクの扉のカギがあり、開けると赤いハンドルが正面にあってそこから水を取り出す給水訓練がありました。タンクが空になると市に8台の給水車があり、これが対応して活動するそうです。

応給水栓

応給水栓

応急給水タンク

応急給水タンク

 

 しかし被災した人すべてはまかなえず、「各家庭で最低でも1人1日3ℓで3日分の9ℓは準備してほしい。ただし水道水の保存期間は3日なので注意すること。

 また、震災の後では、水道水は敷地内で漏れている可能性もあるので、メーター部の止水栓を止めてください」などの話もありました。

 

 備蓄倉庫では、アルファ米と水(ペットボトル)と毛布が保管されていました。数量が意外に少な かったのですが、これは避難者を賄うための量ではなく、不足時の応急用の物だということでした。ちなみに昨年7月の豪雨では、この備蓄倉庫も50センチメートル程浸水したそうです。

備蓄倉庫

備蓄倉庫

 

 起震車では1組4人で体験しました。最初に、南海トラフ大地震でこの地域で予想されている震度6弱をセット、続いて震度7の縦波・横波が実行されましたが、数字の上では1の差は1とは言いながら揺れの激しさは段違いのものでした。

 起震車ではテーブルが車に固定されていてその足に捉まっていれば怪我は防げそうですが、固定されていなければテーブルごと動きまわり大怪我はまぬがれないところです。

起震車

起震車

起震車体験

起震車体験

 

 体験者に話を伺うと、「とても恐かった」「気持ちが悪くなった」「もう少しで終わると知っていたので我慢できた。知らなかったらどうなっていたのか解からない」などの感想があり、グラッときたらつかまる物があり、落下物を防げる場所をそれぞれの部屋に造っておくことが必要だと感じました。

 

 スモークトンネルでは長さがわずか7メートル程のトンネルに、ハンカチを口に手に懐中電灯を持って身を低くして入りますが、途中2ヶ所障害物があり、うろたえて1メートル手前で少し明るくなった出口をやっとみつけて脱出することができました。

スモークトンネル

スモークトンネル

 ハンカチも懐中電灯も何の役にもたたないことを思い知らされ、これが全く知らない建物の中で遭遇したらまず助からないと実感しました。

 

 車イスはよく見慣れた物ですが、実際に操作したことがない私にとっては大変有意義な体験となりました。車イスの開き方、畳み方、乗せ方、坂道の上り方・下り方、20センチメートル程の段差の上り方・下り方、回転の方法、降り方など簡単ではありますが、知らないとなかなかできない難しいことでした。指導員さんありがとうございました。

車椅子体験

車椅子体験

 

 水消火器訓練では「ピンを抜く、ホースをはずす、それを目標に向けてレバーをにぎる」の手順 で、女性も高齢者も指導者の説明どおりに上手に放水(実物は消火剤)を目標に当てて、スムーズに多くの方々が訓練できていました。

水消火器体験

水消火器体験

 

 救急救命では、「救急救命法は、人工呼吸法で仮死状態の人を蘇生させるために人工的に肺に空気を流通させる方法で、両手で横隔膜部の圧迫を反復する方法と、呼気を口移しに直接吹き込むものがある」とのことで、今回は前者を実習した後、この次のアクションとしてAEDの使い方も学びました。

救急救命実習

救急救命実習

心肺蘇生体験

心肺蘇生体験

 

 AEDは、「倒れている人を発見したらまず声かけをして、返事がなければ続けて呼吸と脈がないことを確認して、すぐ近くの人に向かって「そこの緑のスカートの方、救急車を呼んでください」。 また別の人に「そこの赤いシャツの方、AEDを探して持って来てください」と具体的に1人を決め、胸部圧迫を反復しながら指示(お願い)をすること。この作業は『強く・早く・たえまなく』がポイントで、『胸部圧迫を30回してAD・・・』、これをくり返すこと」などを学びました。

 AEDの操作は、スイッチを入れたらAEDが話すとおりに操作をしながら救急車の到着を待つことになりますが、ずいぶん体力が必要なことを体験したので、胸部圧迫動作を担当する若い人を2~3人確保しておくことも必要だと思いました。

 

 簡易担架は、3メートル程の長さの竹(直径5~6センチメートルのもの)を2本と毛布1枚で作る担架です。竹に毛布を巻くだけで人が運べました。人の重さで毛布がずれることはありませんし、体重100Kg超の消防団員も4人でちゃんと運べていました。注意点は頭の方から先に持ち上げ、足は後からです。下ろす時は足の方から下ろし、頭は後です。また、先に行く人は進行方向に向いて歩き、後ろの人は足もとが見えにくいので十分注意を払って歩くことなどを教わりました。

簡易担架体験

簡易担架体験

 イスを使っての方法も実習しましたが、これは重くて歩きにくい方法でした。

 

 以上予定どおりの時間に訓練が終了し、全員テントに用意されたアンケート用紙に記入して朝の開会式の場に集合しました。

アンケート記入

アンケート記入

 全員集まったところで閉会式が行われました。まず今日の訓練の総評を岡山市中消防署旭東出張所の野上指令補が述べ、「富山の訓練は規模も大きく内容も大変よく計画されており、その上タイムスケジュールもよいすばらしい訓練でした。今後の災害に備えて充分訓練を重ねてください」という高評価をいただき、続いて三澤実行副委員長の閉会の挨拶で無事終了しました。

野上司令補の総評

野上司令補の総評

三澤実行副委員長の閉会の挨拶

三澤実行副委員長の閉会の挨拶

 

 閉会後、Aグループから順番に市からのアルファ米と非常用お菓子と、中央警察署から反射シールの参加賞をいただき、最後に昨日から準備し、朝7:30から愛育委員12名の方々が用意した温かい豚汁(300人分)をいただき、少し冷えかけた身体に浸みて心地よく、なぜか心も体も温かくなって、グループがまた小さなグループに分かれそれぞれ家路につきました。

愛育委員による豚汁の給仕

愛育委員による豚汁の給仕

 

 この日は好天に恵まれた訓練日和で、内容も前年に比べ一段とレベルアップし、中身が濃くなり、また多岐にわたるものでした。

 非常によい防災訓練でした。

(文:平井、写真:横地・和久野・平井)

カテゴリー:ニューストピックス

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