伝統行事4(ひな祭り)

投稿日:2022年3月4日

3月3日は「ひな祭り」でした。雛人形(ひな人形)を飾り、女の子の幸せと健やかな成長を願うお祝いの日です。床の間のある今の我が家は7段でも飾れますが、昔は関西のマンション暮らしだったので義母から頂いた一段飾りを飾っていました。今年は孫娘にさらに小ぶりの雛を送ったのですが、昔の雛を我が家の床の間にも飾っています。息子の誕生日も重なっており、赤飯と甘さ控えめの桜餅、菱餅のセットでお祝いしました。旧暦の3月3日までは飾っておこうと思っています。梅は五分咲きになり、チューリップの芽も顔を出し始めました。明日(3月5日)は啓蟄です。

ひな祭りの由来

ひな祭り(雛祭り)は「桃の節句」と言いますが、元々は「上巳(じょうし)の節句」と言い、五節句(季節の節目の日)の一つです。春を喜び、無病息災を祈る日でした。3月上旬の己の日に災いを払うために人形に厄を移し、川に流していたのです。昔から奇数が重なる日は縁起の良い日とされています。それが室町時代以降に、雛人形を飾り女の子の成長を祝う行事に変化していきます。ひな祭りは水と関係があるため、二十四節気「雨水」の日にひな人形を飾るのが良い日とされています。今でも鳥取の千代川で行う「もちがせの流しびな」など、各地に風習が残っています。

厄除けの人形(流し雛):川に流す紙の人形、布の人形

立ち雛:紙で作られていたが、後に豪華に

座り雛:豪華な作りの人形に

ひな人形の飾り方

雛人形は宮中の婚礼の様子を表現したものです。地方によっては飾り方や道具に違いがあります。雛段飾りは7段が代表的とされています。それは奇数が吉数とされてきたからです。雛飾りは必ず縁起の良い奇数を選びましょう。

お内裏様&お雛様(天皇・皇后をかたどった内裏びな)

三人官女(内裏の世話をする女官たち)

五人囃子:太鼓・大鼓・小鼓・笛・謡(能の演奏をする人たち)

右大臣・左大臣:(警護に携わる随身・武官)

仕丁(宮中の雑務・外出時の従者)

飾り:ぼんぼり、桜、立花、お道具など

ヒゲをはやして弓矢を持ったのが左大臣、若いのが右大臣です。仕丁は3人います。怒りの上戸、泣きの上戸、笑いの上戸です。

最近は住宅の事情から飾る場所が無いので、三段飾りや五段飾り、お内裏様とお雛様だけの一段飾り(豆雛人形やお内裏様だけ)が一般的になっています。左右どちらに置けばよいのか悩んでしまうことがありますね。今は左側が男びな、右側が女びなが一般的です。以前は逆だったそうですが(地方によって異なる)、昭和天皇が即位するときにこのスタイルに変わったとされています。

地方の伝統的なひな飾り

雛人形以外にその土地特有の伝統的な雛飾りが今でもあります。

傘福:布で作った縁起物をつるす

さげもん:布製のおもちゃをつるしたもの

雛のつるし飾り:静岡県賀茂郡、雛人形の代わりに手作りのおもちゃをつるす

犬張子:犬の形をした置物。安産の象

流しびな:穢れを人形にうつして川に流す。地方によってさまざま

土びな:青森県弘前市

押し絵びな:長野県松本市

薩摩糸びな:鹿児島県

犬の張り子は全国的に有名な置物です。犬はお産が軽いことから子宝への願いを込めて、雛壇に飾られています。つるし飾り(つるしびな)に吊り下げられるフクロウは、福や不苦労をかえたもの。また猿は、厄が去るなどという意味がありました。

ひな祭りの食事について

雛祭りに欠かせない食べ物「行事食」をまとめてみました。

「菱餅」

三食のひし形の餅を重ねたもの。下から緑、白、赤の順。娘(女の子)の健やかな成長を願う気持ちから。

意味と材料

赤色:魔除け、生命、桃、クチナシの実(解毒作用)

白:清浄、残雪、ひしの実(血圧を下げる)

緑色:健康と長寿、木の芽や大地、よもぎ(厄除け)

「雛あられ」

雛人形を持って、野山に出かけ、お雛様にも春の景色を見せてあげるという「雛の国見せ」という風習で、持参したことが始まりです。関西では餅を砕いて揚げた小さな煎餅のようなあられで、関東では米粒を煎ったもの。関西と関東では形も味も異なります。ひなあられには、桃色・緑色・黄色・白色の4色あります。四季を通じて子供(娘)が幸せであるように願う気持ちが込められています。

「白酒」

元々は、桃が「百歳(ももとせ)」に通じることから、酒に桃の花を浮かべた「桃花酒(とうかしゅ)」が飲まれていました。厄除け(魔除け)と長寿をもたらす力があると言われていたそうです。みりんともち米、こめ麹で作ったにごりのあるお酒。白酒は江戸時代から始まり、それが今に至っています。

「ちらし寿司」

赤い海老、白いれんこん、緑の豆などの華やかなちらし寿司です。海や山の食材を彩りよく使っています。赤白緑は定番メニューですね。海老は長寿、れんこんは見通しがきくように、豆はまめに働けるようにという願いから縁起の良い料理とされています。

「蛤(はまぐり)のうしお汁」

はまぐりのお吸い物。蛤などの二枚貝は、貝殻がピッタリ合い、その他の貝とは合わないので、相性の良い相手と結ばれ生涯を共にすごすとの願いが込められています。

お椀の中にはまぐりの二枚貝があり、その両側にそれぞれの身をのせるのが正式とされています。

「草餅」

古くからヨモギもちは桃花酒とあわせて桃の節句に食べられていました。よもぎは病気をはらう薬草であると言われています。

暮らしの歳時記ガイド三浦 康子さんの記事もご覧下さい。

https://allabout.co.jp/gm/gc/220699/

記事は日本の年中行事より

https://nihon-nenchugyoji.com/hinamatsuri/

カテゴリー:里山保全会

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