常慶寺住職柳川穆宗
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月宮(げっきゅう)に踏入(ちょうにゅう)して須らく薬を搗く 兎は善いことをして月の世界に徃った 世のために困った人につくす心がけを |
兔にまつわる諺
兔の上り坂 (うさぎののぼりざか)
兔は坂を登るのが得意で速いから、ものごとが良い条件に恵まれて早く進むことのたとえ。
兔の耳 (うさぎのみみ)
人の知らない条件や噂などをよく聞き出してくること、地獄耳。
兔の罠に狐がかかる (うさぎのわなにきつねがかかる)
思いがけない高運のたとえ。
二兔を追う者は一兔をも得ず (二とをおうものは一とをもえず)
同時に二つの物事をしようとすれば、両方とも成功しないことのたとえ。
狡兔死して良狗烹らる (こうとしてりょうくにらる)
獲物の兔が捕えられて死ねば、猟犬は不要となり、煮て食われる。
敵国が滅びれは、それまで手柄のあった智謀の家臣は、邪魔となり殺されてしまうことのたとえ。
狡兔三窟 (こうとさんくつ)
兔は隠れる穴を三つもっていて、万一の時は、いずれかの穴に逃げ込んで危機を脱する。
いざというときに身を守る用意が大切なことのたとえ。
守株待兔 (しゅしゅたいと)
中国宋の時代、兔が切り株にぶつかって死んだのを見た農夫が、労せずして兔が手に入るのではないかと思い、毎日切り株を見守ってばかりいたが、兔は手に入らず国中の笑い者になった。
古いやり方にこだわって、世の中の変化に対応できないことの愚かさを言う。
脱兔之勢 (だっとのいきおい)
罠から脱して逃げる兔のように、非常に速いことのたとえ。
参考図書
ことわざ大事典(小学館)、広辞苑(岩波書店)、四字熟語辞典(岩波書店)