請 願 書 |
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旭川改修新設計案ニ対シ、左記御採用相成度、村会ノ議決ヲ経謹ミテ奉請候也 |
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要 旨 |
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一. |
御津郡牧石村地内三ケ所ノ遊水地ヲ全廃シ、安全ナル地域ト為サレン事ヲ望ム前記要求ヲ容レラレザルトキハ左記五項御採用アランコトヲ望ム |
イ. |
特別負担金ノ免除 |
ロ. |
遊水地域ノ地租低減 |
ハ. |
大字原、字塔婆木ヨリ笠木ニ至ル横堤防ハ本堤防ト同様ノ高サニ増築アランコトヲ、又「カルバルト」ニ沿堤ヲ設ケ、閘門ヲ築キ、金山川ノ逆流防止ノ方法ヲ講スルコト |
ニ. |
大字玉柏字大原遊水地ハ全部之ヲ買収サレ相当ノ使用料ヲ払ヒ、部落民ニ借用使用セシメラレタキコト |
ホ. |
遊水地内ノ町村道路ハ浸水ノ憂ナキ様拡築セラレタキコト |
ニ. |
金山川大字原突曲ヨリ下流ハ本堤防マデ上流ノ川幅ニテ、堤防ハ石又ハコンクリートヲ以テ擴築スルコト
本堤外ハ大字宿字江川マデ本堤ニ並行シ外堤ヲ築造シテ排水セラレンコトヲ望ム |
三. |
御津郡横井村ヨリ本村原駅及中原ヲ経テ上道郡高島村ニ通スル町村道ヲ県道ニ編入シ、大字中原、原間ニ橋梁ノ架設アランコトヲ望ム |
四. |
大字玉柏字堤外耕地約二拾町歩ノ護岸工事ノ施設アランコトヲ望ム |
五. |
大字宿地内字中島耕地約拾三町歩及大字中原字中島耕地約三町歩ハ之ヲ存置シ、護岸工事ノ施設アランコトヲ望ム
前記要求容レラレザルトキハ隣接セル半田山国有林ノ払下アランコトヲ望ム
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六. |
大字原字中洲耕地約七町歩買収ノ際ハ失業救済ノ爲メ隣接セル半田山国有林ノ払下ヲ望ム |
七. |
大字宿字三本松ヨリ江川下ニ至ル堤敷トシテ買収サルベキ耕地約一町歩ハ堤防ノ設計ノ小部変更サレ堤敷トナサザルコトヲ望ム |
八. |
大字宿地内字三本松ヨリ宿部落ニ通ズル山下道路ヲ約四五尺高築セラレタキコトヲ望ム |
九. |
大字宿盲樋ヨリ釣新設樋門ニ至ル悪水路ヲ整理シ護岸工事ノ施設アランコトヲ望ム |
十. |
大字中原用水路ノ新設アランコトヲ望ム |
十一. |
大字中原西側堤防ノ先端ヲ約三拾間下流マデ延長セラレンコトヲ望ム |
十二. |
本村内ノ改修ノ爲宅地ヲ堤敷トセラルヽトキハ相当家屋ノ移転料ヲ支弁アランコトヲ望ム |
十三. |
改修ニ伴フ道路用悪水路渡船場等ノ変更新設及諸種ノ付帯事業ハ全部国費ヲ以テ施設アランコトヲ望ム |
十四. |
改修ニヨル本村内廃川地及其他不要地ハ本村関係民ニ払下ゲラルベキ優先権ヲ付与セラレンコトヲ望ム |
十五. |
旭川改修設計案実施ニ當リ可成民意ニ應ジ、多少ノ変更施設アランコトヲ望ム |
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理 由 |
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本村ハ受益地トシテ旭川改修特別負担金ヲ課セラレ、岡山市、上道郡及御津郡一部 |
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ト同様改修ノ恩恵ニ浴シ、明治二十五年及仝二拾六年ノ如キ大洪水ト謂ヘドモ逆流 |
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又ハ氾濫ノ憂ナク、而シテ本村民ノ生命財産ヲ安全ニ保護シ得ルモノト信ジ居リシ |
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ニ今回ノ改修新設計案ハ予測ニ反シ岡山市ト上道郡トノ両意見ヲ折衷セラレ洪水放 |
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流ノ既得権アル百間川ノ第二取入口ヲ高メ又岡山市ヲ貫通スル本流ノ川幅ヲ広メズ |
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シテ堤防ヲ増築セラルヽ結果本村地内ニ三ケ所ノ遊水地ヲ設ケラルヽハ村民ノ一大 |
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脅威ヲ感ズル所ナリ。 |
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況ンヤ河川敷地トシテ数拾町歩ノ耕地ヲ買収セラレ、多数ノ失業者ヲ生ジ転任又ハ |
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転業ノ惨状ヲ来サントス。 |
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又金山川ハ旭川ノ改修ニ伴ウ事業トシテ排水上ニ関シ一大改修ノ要アリ、且ツ之ニ |
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要スル経費多大ナリ。 |
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又本村ハ旭川ヲ以テ両断セラレ交通ノ不便甚ダ大ニシテ入会耕作ノ如キ絶望ヲ来ス |
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ノ悲境ニ陥ルノミナラズ、御津郡上道郡ノ両郡ノ要路ナルヲ以テ中原・原地内ニ橋 |
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梁ヲ加設シテ之ヲ補ヒ又道路用悪水路渡船場ノ変更新設及其他各種ノ改修ニ伴ウ付 |
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帯事業尠カラズ。 |
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之ニ要スル経費ハ村民ノ到底堪エ能ハザル所トス。又本流域ニ残存セル玉柏地内堤 |
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外耕地ニハ護岸工事ヲ施シ、完全ニ耕地保護ノ方法ヲ講ゼラレタク、而シテ買収サ |
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ルヽ土地ト雖モ耕地ニシテ差支ヘナキモノハ之ガ利用ノ道ヲ講ゼラレ、又失業救済 |
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ノ爲国有林野ノ払下ヲ行ウ等適当ノ方法ヲハカラレンコトヲ切望シテ止マザル所ナ |
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リ。 |
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カクノ如ク本村ハ旭川改修ニ依リ旭川沿岸中他ニ比類ナキ犠牲ヲ払ヒ、一大窮境ニ |
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陥ルノ悲況ニ在ルヲ以テ、御賢明ナル、且ツ公正ナル当局者ノ御賢慮ヲ仰グ次第ナ |
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リトス。 |
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希クハ前記願意実現被成下度謹ミテ奉請願候也 |
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昭和五年八月 日 |
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御 津 郡 牧 石 村 長 津 下 真 太 衛 |