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西村 輝の防災コラム
●その1(岡山平野のリスク)●その2(堤防はなぜ決壊する)●その3(地震時の液状化現象)

吉備学区連合町内会 会長 西村 輝
岡山大学 非常勤講師(地盤防災工学)
 地震の際、液状化が起こる事があるのはご存知だと思います。では、どの様な地盤が液状化するかと言うと、砂地盤が液状化しやすいです。砂とは工学的に、粒の大きさが 0.075〜2mmと規定されています。また、地下水面より浅い地層は液状化しません。ですが、岡山平野の場合、地下水面が地表面近くにあるため、ほとんどの砂層は液状化発生の対象層となります。
 写真-1をご覧ください。この写真は1964年新潟地震の際に被災した県営川岸町アパートです。新潟の町は信濃川の三角州上にあり、これまで砂地盤は構造物の良好な支持地盤とされていましたが、液状化により支持力が著しく低下する事が分かりました。この地震が我が国の液状化研究の始まりとなりました。
 では、どの様に液状化が発生するかを図-1で説明します。砂地盤は意外と緩い状態で支えあっており、その間を水が満たした状態で存在しています。そこに地震動が加わると一時的に支え合いの結合が外れてしまい、砂粒が水に浮いた状態になります。この状態では構造物を支持することが出来ず、変形してしまいます。また、マンホール等の中空構造物には浮力が発生して浮上がり現象が起こります。
 液状化は、構造物には多大な被害をもたらします事になります。岡山平野の場合、河川近傍や、人工的に埋め立てを行った場所は特に注意が必要です。
 写真-2は2016年に発生した熊本地震の際の液状化によるマンホール浮上がり現象で、写真-3は同様に道路の陥没が発生した状況です。写真よりわかる様に、液状化が発生した場合、地表面に大きな変状が生じ、避難行動や復旧・復興の物流に影響してしまいます。
 吉備学区連合町内会では、液状化の出前講座も行っています。


写真-1 新潟地震時の川岸町アパート

図-1 液状化の発生模式図(出典:国土交通省HPより)

写真-2 熊本地震時のマンホール浮上がり

写真-3 熊本地震時の道路陥没