top
西村 輝の防災コラム
●その1(岡山平野のリスク)●その2(堤防はなぜ決壊する)●その3(地震時の液状化現象)

吉備学区連合町内会 会長 西村 輝
岡山大学 非常勤講師(地盤防災工学)
 私たちの暮らしている岡山は、「晴れの国岡山」のキャッチフレーズにある通り、年間の日照時間が長いことで知られている。同時に降水量が少ないにも拘らず、中国山脈から3河川で多くの水が確保されている。
 では、岡山平野の生立ちを見てみよう。図―1に現在の岡山平野の地形を示しました。 図-2には6000年前(縄文時代)の岡山平野の地形を示しました。ご存知の方もおられると思うが、縄文時代は現在より海水面が3m程高かったとされている。この時代岡山平野は吉備の穴海と称され巨大な内湾を形成していた。その後、海水面の低下と共に粘性土が堆積して岡山平野が形成されていった。地盤の年代からすると6000年は一瞬の出来事に等しく生まれたての地盤と言え、非常に柔らかい状態である。もう少し詳しくお話しすると、この柔らかい地層は10m程度の深さまで分布しており、その下には丈夫な砂利(砂礫)層が有り、この砂利層が大きなビルを支えています。  岡山平野は、日本のゆれやすい地域ベスト3に入っている事をご存知だろうか。図-3には日本のゆれやすさを示したが、名古屋、新潟、岡山が(人口や社会資本等を考慮した上)その3地域になる。  ゆれやすいと言うことは、当然地震時の揺れが大きくなり、被害も増加することになる。そのことを踏まえた上で、日常を送り生活していただきたい。  岡山平野にお住まいの方、また、家族・親戚・知人・友人・恋人が、この3地域にいらっしゃる場合は「ゆれやすい地域ですよ」と知らせてあげてください。


図-1 現在の岡山平野

図-2 6,000年前の岡山平野

図-3 日本のゆれやすさ分布