操明懐かしの写真館(第35回)
幻の木製飛行機
太平洋戦争末期に金属物資の不足から木製の飛行機が製造されていたという話を聞いた事はありますが、中区江崎の斎藤さん宅の父親のアルバムに製造工場の社員だった当時の飛行機関係写真があったそうです。平成12年に新聞にも取り上げられていますが機体は本来ジュラルミン製で、木製は重くなるため実用化されなかったようです。軍事機密から関係資料は処分されたため、木製機の飛行中の写真は防衛省防衛研究所にも残ってなく極めて貴重とのことです。当時のアメリカが原爆を開発したりB29で襲来したりしていたのに比べ日本がいかに無謀な戦争を継続させようとしていたかが分かる資料と記されています。
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1944(昭和19)年11月に岡山市海岸通りにあった岡山航空機製作所(現・クラレ岡山工場)で製造された木製の海軍訓練用飛行機「 白菊」一号機の進空式の式典 於立川飛行機飛行場と写真の裏書にある。 右手上方の幕の前に同機が置かれ多くの参列者が完成を祝い左手奥には神官が招かれ安全祈願がされている。
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飛行する木製機「白菊」
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プロペラを折りながら胴体着陸した白菊
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昭和20年2月に上記製作所で試作中の木製飛行機の海軍の「東海」(零号機)と写真の裏書にある
参 考 2000年(平成12年)4月15日読売新聞全国版
写真提供 斎藤倫子さん 文責 萩原正彦
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