常慶寺住職柳川穆宗


頭は低く目は高く心は広く善をめざす
善き人にあって教えられ
悪き人にあって反省すれば
善悪共にありがたし


The copyright of these pictures belongs to a copyeight person.
Unapproved reproduction and duplicates. such as a picture.
a text. etc. in a site. are forbidden.
これら画像の著作権は著作権者に属します
サイト内の画像・文章等の無断転載・複製を禁止します


子にまつわる諺



鼠が塩を引く
 ネズミが塩を引いて行くのは少量ずつだが、度重なっていつの間にか大量になることから、些細なことが積もり重なって大事になることのたとえ。

鼠壁を忘る壁鼠を忘れず
 ネズミは壁をかじったことなど忘れているが、壁にはネズミのかじった跡が残る。被害者の恨みは長く続くということのたとえ。

大山鳴動して鼠一匹(だいざんめいどうしてネズミいっぴき)
 前ぶれの大騒ぎの割に実際の結果が小さいこと。大きな山が大きな音をたてて地震を起こしたが、出てきたのはネズミ一匹だった。

窮鼠猫を噛む(きゅうそネコをかむ)
 絶体絶命の窮地に追い詰められて必死に反撃すれば、弱者も強者を破ることがあるというたとえ。

鼠の嫁入り
 あれこれ迷っても、結局は平凡なところに落ち着くとのたとえ。
 
急ぐ鼠は雨に会う
 少し待てば雨が上がって濡れなくて済むところを、急いで飛び出すので雨に降られる。慌てはいけないとのたとえ。

時に遇えば鼠も虎になる
 よい時期にめぐりあうと、つまらない者でも出世して権勢をふるうようになることのたとえ。

猫の留守は鼠の代
 ネコのいないときはモズミの天下、強い者のいないときは弱い者の世の中であるということ。



ねずみの嫁入り

 むかし、むかし、あるのおの中に、おって、って、って、って、たいそう豊にらしているおちのねずみがんでおりました。
 子供がないのでさまにおいしますと、やっとの子がまれました。
 その子はずんずん大きくなって、輝くほどしくなって、それはねずみのおでだれ一人比べのない日本一のいいになりました。
 こうなると、もうねずみの仲間にはわたしたところ、とてものお婿さんにするようなはありませんでした。
 ねずみのお父さんとお母さんは、「うちの日本一なのだから、でも日本一のお婿さんをもらわなければならない。」といました。
 そこでこのの中でだれがいちばんえらいかというと、それはの上から世界中をあかるくらしておいでになるお日さまのにはありませんでした。
 そこでお父さんはお母さんとれて、って行きました。

 そしてお日さまに、「お日さま、お日さま、あなたはの中でいちばんえらいおです。どうぞ私のをおにもらってさいまし。」といって、ていねいにおじぎをしました。
 するとお日さまはにこにこなさりながら、「それはありがたいが、の中にはわたしよりもっとえらいものがあるよ。」とおっしゃいました。
 お父さんはびっくりしました。
「まあ、あなたよりもえらいがあるのですか。それはどなたでございますか。」
 「それはさ。わたしがいくらでかんかんっていようとっても、が出てくるともうだめになるのだからね。」
 「なるほど。」

 お父さんはそこで、こんどはへ出かけました。
 「さん、さん、あなたはの中でいちばんえらいおです。どうぞ私のをおにもらってさいまし。」
 「それはありがたいが、の中には私しよりももっとえらいものがあるよ。」
 お父さんはびっくりしました。
 「まあ、あなたよりもえらいがあるのですか。それはどなたでございますか。」
 「それはさ。きとばされては私もかなわないよ。」
 「なるほど。」

 お父さんはそこで、こんどはへ出かけていきました。
 「さん、さん、あなたはの中でいちばんえらいおです。どうぞ私のをおにもらってさいまし。」
 「それはありがたいが、の中には私しよりもっとえらいものがあるよ。」
 お父さんはびっくりしました。
 「まあ、あなたよりもえらいがあるのですか。それはどなたでございますか。」
 「それは、さ。ばかりは私のでもとても、きとばすことはできないからね。」
 「なるほど。」

 お父さんはそこで、こんどはへ出かけていきました。
 「さん、さん、あなたはの中でいちばんえらいおです。どうぞうちのをおにもらってさいまし。」
 「それはありがたいが、の中には私しよりもっとえらいものがあるよ。」
 お父さんはびっくりしました。
 「まあ、あなたよりもえらいがあるのですか。それはどなたでございますか。」
 「それはだれでもない、そう言うねずみさんさ。私しがいくらまっ四をして、くなって、頑張っていても、ねずみさんは平気で私しのって、をあけてけていくじゃないか。だから私しはどうしてもねずみさんにはかなわないよ。」
 「なるほど。」

 とねずみのお父さんは、こんどこそほんとうにしんから感心したように、ぽんとって、「これはまでがつかなかった。じゃあ私しどもがの中でいちばんえらいのですね。ありがたい。ありがたい。」とにこにこしながら、いばってっていきました。
 そしてるとさっそく、おのちゅうねずみをのお婿さんにしました。
 いお婿さんとおさんは、よくらして、お父さんとお母さん大事にしました。そしてたくさん子供んで、おのねずみの一家はますますえました。

    おしまい