世 界 遺 産 (エジプト編 U)      

                                                                    エジプト編Tへリンク

エジプトを訪れる人は、紀元前5,000年の歴史をもつ神秘的文明の壮大な規模にまず驚かれるだろう。
古代文明の煌やきや、神殿装飾に接することでファラオ時代の生活に思いを巡らせば、古代人の為せる技は
神に近いものだと想う。現地に立つとオリエンタルな香りが漂い、コーランの祈りがこだまして・・・大聖地と化す
イスラム信仰のパワーを想像させる。
そんなエジプトの巨大遺跡からは、強烈な感動を与えられ、そしてラムセル2世、ツタンカーメン、クレオパトラ
7世など歴史を創った実在人物の痕跡を辿る旅はロマンに溢れ楽しいの一言だ。

今回は、王家の谷で有名なルクソール西岸、ギザのピラミッド、北岸のアレキサンドリアを訪ねた。

ギザのピラミッドは、エジプト観光のハイライト。ファラオの墓とされる発掘された98基のピラミッドのうち、ギザの3大ピラミッド
は規模が最大で保存状態も良好のため特に注目される。
カイロの南30kmの地メンフィスは、古代エジプト王朝統一後の最初の都。その近郊に紀元前2,700年頃から約900年間
に多数のピラミッドが造られた。 ピラミッドは従来、奴隷の強制労働で建てられた王墓と言われてきたが、近年は異なる
学説が唱えられている。ナイル洪水期の公共事業として農民に仕事を与え、生活を助けたという説が定着しつつある。

  
        カフラー王の大ピラミッド:4,500年前の建造とされる三大ピラミッドのひとつ。底辺各200mで高さ137m.
          スフィンクス:カフラー王ピラミッドの景観の邪魔にならないようにとその地にあった岩山を彫り抜いた彫像。全長57m、高さ24m.


鼻など風化による傷みは、かなり進んで哀れ

ギザ市内から見た夕方のクフ王ピラミッド

ギザの三大ピラミッドが一目で観える観光スポット

保存状態は良い方だと言うけれど・・・一部は悪い

当初のピラミッドは、登頂部に残る白化粧石板で全面を覆われていたという

一辺が約150cmの石ブロックを300万個積み上げたクフ王のピラミッド

クフ王の冥界の船が展示されている船博物館

クフ王ピラミッド前の広場は、岩ごつごつで歩き難い

階段ピラミッド:エジプトで最初の石材ピラミッド

ハトシェプスト女王
は、奇異な運命の下に誕生した唯一人の女性の王である。トトメス2世の王妃であった彼女は、
夫の死後に即位した側室の子トトメス3世の摂政となって、王朝の権力を独占する。やがて、幼少の王を押しのけて
自らファラオを名乗る。
王位への執着ぶりは、公式の場では
あご髭を付けて男装を通したと言われる。
彼女の死後、ようやく王位に就いたトトメス3世は、積年の恨みから、葬祭殿のテラスにあった男装女王26体の立像を
破壊し、内部に残る彼女の全ての痕跡を消したと言われ、その削り跡を見ることが出来る。
 ハトシェプスト女王葬祭殿:王家の谷の東、切り立った断崖の下に建つ。葬祭殿は女王が自らの権力を示すため、在位中に築いたもの。
                  壮大なスケールは、ハトシェプスト女王の威勢を余すところなく伝えている。

トトメス3世によって、女王の痕跡が消された葬祭殿

メムノンの巨像:創建時は頭上に王冠が載っていた。葬祭殿の入口に建つ

王家の谷
・・・紀元前1,520年頃に王たちがこの地に墓を造り始める。険しい岩場を削って造られ、人が近づくことを
阻んだ。現在、63の墓が発見されているが、中でも未盗掘で発見されたツタンカーメン王墓は有名。
元はと言えば、先代の王が埋葬されたピラミッドが全て盗掘に遭っていることを知り、ピラミッドを止めて、人里離れた
岩山に王墓を建設するよう王が命じたという。
王家の谷:後ろの岩山はピラミッドに見える。この下に王墓が63基発見されているが、ツタンカーメン王以外は盗掘されて
おり、当時の埋葬品を知ることはできない。また、秘密裏に墓を掘るため前に造った墓と交錯することもあったとか。

灼熱の谷は、墓の近くまで運搬車が運んでくれるので便利

王墓の入口は厳重な監視で添乗員の注意が飛ぶ
コム・オンボ神殿ローマ時代に完成した二重神殿で、縦にニ分割され2つの神が祀られる。面白い描写が2つあり、年間の祭礼暦で
           192の行事と医学の程度を示す外科手術用具が描かれていることだ。当時のエジプト文明を表す貴重な神殿である。

神殿のレリーフは鮮やかに残っている

医療用具が刻まれたレリーフ
クレオパトラ7世が使ったと言われる風呂 砂質岩の石材を使う工夫として、くさびを打って強度を保った

アレキサンドリア
は、エジプト第二の都市だが、起源はアレキサンダー大王が征服したばかりの王国の都としたこと。
後に地中海一の重要都市に発展し、王朝最後の女王クレオパトラ7世まで繁栄は続く。
世界の7不思議の1つに
「アレキサンドリアの大灯台」が挙げられるが、今は海底に沈んだ王朝として名高い。
博物館には、海底から引き揚げられた遺産が数多く展示されており、往時の生活振りを垣間見ることができる。

アレキサンドリアの海岸

博物館は、海中からの遺産でいっぱい

中には、クレオパトラ7世の使った調度品があるかも?

アレキサンドリア駅のホーム風景

岸辺は、ヨーロッパからの観光船でいっぱい


                                      散 歩 フ ォ ト       


カイロ市内で見かけた商店街通り

世界で最初の紙といわれる「パピルスの木」を説明する店員

日干しレンガを使った土木工事の作業風景

金曜日のカイロ市内:市内のあちこちで見られる風景

イスラムの国では、ディナーショーはベリーバンス

市内観光に馬車も走る


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