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ニューストピックス(2016年1月25日)

「岡山市愛の泉賞」の表彰式

1月25日午後、岡山市役所において第27回「岡山市愛の泉賞」の表彰式が行われました。

岡山市愛の泉賞

岡山市連合婦人会は、「豊かで潤いのあるまちづくり」を支援するため、昭和62年度平成2年度に「愛の募金運動」による浄財を岡山市に寄付されました。

また、平成13年度には、同婦人会の横山 民 元会長のご遺志としてご遺族からもご寄付がありました。

岡山市では、青少年をはじめとする多くの市民の皆様の優しく美しい心を育むため、「岡山市愛の泉基金」を設立し、ご寄付の趣旨に沿った功績を「岡山市愛の泉賞」として顕彰しています。

このように「岡山市愛の泉賞」では、市民福祉の向上、伝統文化の保存・継承、青少年の健全育成、男女共同参画の促進、明るく住みよいまちづくりなどに貢献された個人や団体を毎年表彰しており、その豊かな心と温かい活動の輪が大きく広がることを期待しています。

表彰式の栞より

今回の受賞者は、次の11名〜5団体です。

まちづくり賞〈個人の部〉7名
  同  〈団体の部〉1団体
福祉賞〈個人の部〉3名
   同   〈団体の部〉1団体
教育文化賞〈個人の部〉1名
   同   〈団体の部〉1団体
横山民記念賞〈個人の部〉1名
   同   〈団体の部〉1団体

このなかで、富山学区からは「福祉賞〈個人の部〉」で海吉の赤松百合子さんが、また、「福祉賞〈団体の部〉」では福泊の福祉委員会(代表:本澤美夜子さん)が、それぞれ受賞の栄冠に輝かれました。

市長から表彰状を授与される赤松さん(左)と本澤さん(右)
市長から表彰状を授与される赤松さん(左)と本澤さん(右)
表彰状/岡山市愛の泉福祉賞/赤松百合子様/あなたのあたたかい心と立派な行いをたたえここに表彰します/平成28年1月25日/岡山市長 大森雅夫 表彰状/岡山市愛の泉福祉賞/福泊福祉委員会/あなたのあたたかい心と立派な行いをたたえここに表彰します/平成28年1月25日/岡山市長 大森雅夫
それぞれの表彰状と副賞

(文・写真:小野田)


それではここで、受賞者(団体)の活動の軌跡を簡単に紹介しておきましょう。

赤松さん宅の玄関脇に取り付けられた看板。切り抜き文字で WHITE−EYES LIBRARY め じ ろ 文 庫 MEJIRO BUNKO と刻んである。庭に飛来するメジロ 「めじろ文庫」の命名の由来である

赤松百合子さん(民生・児童委員、富山学区海吉出村町内会在住)

「めじろ文庫」主宰者。平成9年に現在の場所に居を構え、平成13年からは自宅の一室を開放して小さな子どもの図書館「めじろ文庫」を設立・運営するかたわら、毎月第4土曜日と月曜日に赤松さん宅に集まってくる絵本やお話の大好きな幼児や小学児童たちに、赤松さんや若いお母さんたちが絵本の読み聞かせをしたり、お話〈ストーリーテリング〉をしている・・・、そんなまちかどのボランティアライブラリーの主(あるじ)である。

取材中、ふと戸外の木漏れ日の庭木に目をやるとメジロが遊びに来て、赤松さん心づくしのミカンの輪切りをついばんでいて、なるほど「めじろ文庫」の命名の由来がよくわかる風景だった。

赤松さんがこの道に歩を踏み入れるきっかけとなったのは、幼稚園教諭だった20歳代のころに「絵本の力に魅了された」こと、そしてふと目にとめた「天声人語」(朝日新聞のコラム)の『幼い時に本を味わう楽しさを身に付けることができるかどうか。角が擦り切れ、綴じ目が壊れそうになった一冊の絵本、1冊の物語の本を持つことができるかどうか。それはその子の一生を左右する』という一文に決定的な衝撃を受けたことだという。

母親業に専念しはじめた昭和56年ごろ、岡山市立東公民館で4人の母親仲間たちと「かあさん文庫」(恐らく公民館での文庫の草分けだろう)を立ち上げ、研鑽と活動の5年間を過ごしたが、当時は公民館に絵本などはなく、「自宅から何箱にも詰め込んで、車で運んでの読み聞かせだった」と振り返る。

現在の活動の内容は、めじろ文庫のほか富山公民館のぽけっと文庫、図書館、幼稚園、小学校、親子クラブ、子育て支援センターなどで読み聞かせのほか、本の貸し出し、紹介、わらべ歌のお遊戯、簡単な工作など子どもたち中心の楽しい行事を盛り込んだ活動をしていて、多いときは幼児・小学生が20人、親子連れが15〜20組ほど集まって、赤松さんをはじめ6〜7人の協力者の指導の下、文庫からは明るい笑い声も聞こえてくる。

めじろ文庫のある日のひとコマ。親子で楽しくわらべうたを歌っているところ。

「子どもたちの目が輝き、いい笑顔が見られることがなによりの喜びとやりがい」という赤松さん、「出合う子どもたちはもちろんのこと、一人一人を大切に思うこと」、そして「初心を忘れず」「感動する心を持ち続ける」ことをモットーとして創始以来一切会費もとらず、「ただひたすらに子どもからお年寄りまでが気楽に本や人に触れ、そして和めるめじろ文庫」にユートピアの夢を託す“絵本大好きおばさん”は、「岡山ストリーテリング研究会会員」「岡山県子ども文庫連絡会会員」「岡山子どもの本の会員」としても研鑽と活躍のかたわら、月刊「めじろ通信」を発行しており、昨今は民生児童委員としても多忙な日々を過ごしている。

(文:小野田、写真:赤松・小野田)


続いては「福泊福祉委員会」(代表:本澤美夜子(もとざわ みやこ)さん)の紹介です。

世の中の高齢化が段々と進んできた平成23年度に、富山学区(当時の)安全・安心ネットワーク協議会)は岡山市が提唱する「保健福祉モデル事業」推進地区に応募し、指定されました。

「保健福祉」とひとことで言っても、障害者、児童、母子、高齢者・・・と施策の推進対象は多岐であり、学区としては当面喫緊の課題である高齢者福祉活動から着手するとの方針が示されました。

私自身、この町内には昭和49年以来住まわせていただき、平成10年には民生・児童委員を拝命したことでもあり高齢者福祉には少なからず携わってはまいりましたが、地域の施策として体系的に取り組むのは初めてのことであり、まずは学区で打ち出された「福祉委員」(平常時における高齢者見守り・支援)及び「援護委員」(非常災害時、対象者に対する避難・誘導)制度の立ち上げから始めることにしました。(以後、本稿では福祉委員についてのみ記述します)

いずれにせよ、これらの保健福祉活動の根底にあるものは「ボランティア精神」であり、如何に多くの方々を委員として登用できるかがカギとなることから、学区としては数次にわたり学区民を対象としたボランティア研修会を開催し、私たちも鋭意これらの研修会に参加させていただきました。

80歳以上のお一人暮らしの高齢者に誕生日プレゼントを届ける福祉委員

このようにして富山学区あげて保健福祉モデル事業に踏み出したのですが、学区内21個町内会のなかではわが福泊町内会の世帯数が1,070世帯といちばん多く、高齢化率は30パーセントに届こうとしており、80歳以上の高齢者は256名、80歳以上の単身生活者が40名という現状にあり、日夜目が離せない状況にあります。

福祉委員は、日ごろの高齢者の見守りが主な仕事で、例えば郵便受けの状況、洗濯ものや灯りの点(消)灯の状況などの小さな兆候や変化に気を配り、異変を早期に発見して担当の民生委員を通じて行政機関へと繋いで行きます。

現在のところ、このように愛と奉仕の心に裏打ちされ地道な日常活動をしてくださっている福祉委員はわが町内会に29名いますが、その内訳は民生委員3名、愛育委員2名のほかは一般の主婦やご隠居おばあちゃんなどの全員が女性です。

日ごろの見守り活動はもちろん大切なことですが、2か月に一度定例会を開催して福祉委員が一堂に会し、問題解決の手法を話し合ったり、近在の高齢者福祉施設を見学したり、また逆に施設の方にもお出かけいただいて介護・介助の仕方の体験をしたり、はたまた地域包括支援センターには介護保険制度の出前講座をしていただいたりで、情報の共有と親睦の深化のために定例会の場を有効に使わせていただいています。

福泊福祉委員会定例会の様子

また、敬老の日の岡山市からのお祝いの品を対象者様へお届けしたり、80歳以上の単身の高齢者の誕生日当日にお祝いを届け、その好機を利用して健康確認をし、必要に応じて安心カプセルの点検や追給なども福祉委員のお仕事の一部となっています。

(文:本澤、写真:坪田)

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