第11回  竜之口サイエンスラボ
竜之口小学校  平成22年12月27日
水の中の世界
〜 閉じ込めた光の進み方を観察しよう 〜
指導  平松
目的  
光ファイバーでは赤外線で通信をしているので、眼に見えない。ペットボトルから放物線を描いて落下する水の中に、光を閉じ込めて水の曲がりに沿って光が進むことから、光ファイバーの働きを知る。そのために光の性質を知る実験か話を進める。

教室風景1
教室風景2 教室風景3
実験

1. 湯飲みの中に10円玉を入れ、10円玉の見えない斜めの位置から湯のみを見る。湯飲みに水を注ぐと10玉が見える。不思議なことが起こった。なぜか? (次の実験とあわせて説明する。)
2. 水槽の水の中に攪拌棒等直線状の棒を入れて境界面で折れ曲がって見えることを体験する。

 左:コップの中は空気、 右:コップの中に水  左:コップの中は空気、 右:コップの中に水
上の2つの写真では、左側に置かれた空のコップのように、中の模様とか、中に入れたコインの見えない目線で、コップに水を注ぐと、右側のコップのように、コップのそこの絵とか、コインが見えるようになる。
説明図 説明
観察
2. 真っ直ぐな棒を水の中に入れてみよう。どのように見えるかな。
真っ直ぐな棒は折れ曲がって見える。 棒の見え方の説明
光が屈折して、眼には矢印の付いた光線として入るのでその先に棒の先端はあるように見える。棒は鎖線のように折れ曲がって見える。

説明
3. 光は時間的に最短なところを進むことを説明する。例として砂浜に平行してアスファルト道路があるところを考える。砂浜から斜めに道路の向こう側に行くことを考える。早く走れない砂浜の距離を減らし楽に走れるアスファルト道路を少し長く走ったほうが目的地に速くつけることを考えさす。走った道は折れ曲がっている。光はこれと同じ進み方をするので、媒質(光の通る物質)が違うと進行方向が変わる。光が曲がることを理解さす。
光の屈折をたとえ話で説明
実験
4. 長方形水槽に水を入れ、レーザーポインターの光線を使い水のところで光が屈折することを観察する。
水槽を通った光は元のレーザー光の方向より異なった所から出て元のレーザー光の方向と平行に進む。 実験の説明図
レーザー光の進行方向を髪の上に書いておいて、出てきた光の軌跡を描いて確かめる。
実験
5. 水と空気の境界面では、水から空気に向かう光は境界面で屈折できずに(透過せずに)反射して返ってくる。これを全反射と言う。(実験にはレーザーポインター、またはLED懐中電灯を使う)
境界面での光の屈折と全反射の模式的説明
光が水面で屈折して透過したり、反射したりするのを水中に入る光の角度を変えて調べている。
LED懐中電灯の光は水面で屈折して透過する。 光が広がっているので水面で透過した光と全反射した光がある。 LED懐中電灯の光は水面で全反射している。
レーザー光は水面で屈折して透過。 水面への入射角が全反射が起こる直前、水面すれすれの方向に光。 レーザー光は水面で全反射。

実験
6.  ペットボトルのそこ近くの対応面に、光の入り口と水の放出孔になるストローを取り付ける。流出する水に背後からLED発光ダイオードの光を当てると光は流下する水の中のみ進むことが観測できる。(水は牛乳など入れて少し濁らせるとよい。)
実験模式図 使ったペットボトル
水流の中に泡が出来たところが赤く見えて水流の中に光が閉じ込められて進むところを理解できる。
水流を手に当てると水の中のみ光が曲がって進んできたことを確認することができた。
最後の写真に見られるように光は放物線を描いて落下する水の中に閉じ込められて進んでいくことがわかった。これから眼に見える光のとなりの眼には見えない赤外線が光ファイバーの中を伝わることが類推される。今日に実験ではプラスチック容器での光の変化(屈折や反射)は
無視して話をしました。