私達は「庭瀬かいわい案内人」開設以来、多くの方から様々なことを学びました。知らない事柄も多くあり、毎月勉強会を開いてお互いの知識の向上をめざしています。これまで例会で取り上げた事をまとめ、案内の補助教材としたいと考え、今回は「碑文」としました。
神社を鳥居、手水鉢、社殿を備えたものとして数えると、この地域には20を超える社があります。神社の内外にある記念碑は、戦争や水害の惨禍と復興の記録を直接知ることができ、手水鉢等の寄進者の名前や年号からその時代の状況が想像できます。
手始めに17社の神社について調べ、碑文は次のものから読み取りました。
・燈籠:竿石と基台に名前、屋号、奉納年月日が刻まれている。
・手水鉢:石は水を入れる最適な素材で、寄進者の名とその年代が刻まれている。
・鳥居:規模が大きく最も築造費が掛かり、多くは「講」等の共同体で建てている。柱や笠木の底面(舟木)に建立年月日と寄進者の名前がある。
神社以外では
・地神・水神・牛神など:道路や神社に建て土地や水の自然にお祈りをした。
・記念碑:周辺地域の大きな出来事を記録した。
・題目石:日蓮宗の題目「南無妙法蓮華経」を刻んだもので当地には多く見られる。
・無縫塔:僧の墓で卵塔ともいう。
この度の調査区域の中で調査未了部分があるので、追加調査を継続して行き、内容のある説明に役立てたいと思います。
平成22庚寅年11月3日
回を重ねて今回は第10版となりました。初回発行から暦も一巡し、その間地元の方々から多くの貴重な情報や写真をいただくなどして、新たに10箇所以上の史跡を追加し、歴史的な背景や関連するエピソードも随所に更新しました。さらに吉備・陵南地域に隣接した地域(同じ文化圏)の史跡も加えました。
この更新により、地域の歴史や文化をより深く理解するための重要な前進となりました。これも地元の方々や協力者の皆さまの協力と支援のおかげです。みなさまの力で「路傍の文化財」がますます充実した内容になりました。誌面を借りて、地元の方々や協力者の皆様に心より感謝の意を表します。
令和7乙巳年6月
井上 靖子、 上森 剛、 太田 英子、 香田 清治、
曽我 博之、 中島 悦夫、 中村 せつ子、俣野 堅、村岡 昭雄、
脇本 三哢、和気 美紗子(50音順)
(故人)荒木 功、高橋 浩郎
上森 剛
香田 清治
高橋 浩郎(故人)
坪井 慈朗
森安 哲彦