2004
拝啓 災害 今年は列島上陸の台風が最多を記録し、また10月には新潟中越地震が襲い、各地に大きなつめ跡を残しています。 被災された地域の方々に心からお見舞い申し上げます。 この度、当地区も水害の危険を目の当たりに見てお便りを致します。 当地区を流れる笹ヶ瀬川は二級河川とはいえ、五十数年来の記憶の中で堰堤の改修工事の記憶がありません。 足守川との合流点で、その上、堤防が川の湾曲部に当たり直線に水が流れたとき、米倉港の付近が一番危険なところと昔からよく言われてきました。 そして上流では樹木が伐採されゴルフ場が3箇所も開発され、田園の都市化が進み雨水は溜まり場を失い下流に押寄せ、各所のポンプで強制的に児島湾に排出し湖水は溢れます。 堤防の構造は脆弱で、しかも老朽化しており、流出する危険性を感じました。 改めて検証すると、堰堤は斜めに傾き、防波堤はいたるところで亀裂が見受けられ、堤防は車の走る道路と化しています。 単に堤防を高くすると水位が高くなり、水圧が高くなると、漏水による危険は高くなります。 堤防下を耕作し家庭菜園が広がりサツマイモが植えられています、増水に伴い水圧が上がれば、その底辺の堤防の下側を浸透た水が、町内の田圃の中で漏水となって噴出しています。 それがだんだん大きくなり、一挙にどっと水が漏れて、堤防が決壊する危険性は十分にあります。 戦後の食糧難の時代でも、国道脇にサツマイモが植えられても、堤防脇に植えることはありませんでした。先人たちの知恵を見習うことが慣用かと存じます。 また、岸辺にはレジャーボートが無差別に係留され増水時は流れをさえぎります。 一瞬にして町の75パーセントの地域が浸水し、「二階に逃れるのがやっとでした」との光景を見る時、二階の無い者はどうすればよいのだろうかと不安が募ります。 文化施設・情報化対応等々行政の果たす役割は多様でも、住民の財産と生命を守ることの大切さを最優先されるべき課題ではないかとこの時期強く感じております。 敬具 平成16年11月1日 素直な米倉町民 |
拝啓 大型台風23号 高知県に上陸した大型の台風23号は、四国沿岸を北東へ進み、20日午後6時前に大阪府泉佐野市付近に再上陸した。その後、勢力を弱めながら本州を縦断、各地に暴風や高波、大雨による被害をもたらした。 20日午後11時半現在、11県で計22人が死亡、2府8県で計31人が行方不明となっている。今年の台風被害の中では最悪になるとみられる。また土砂崩れは197か所、住宅倒壊は82件に上った。 愛媛県では土砂崩れが相次ぎ、民家が倒壊して5人が死亡。岡山県玉野市でも民家7戸が土砂に埋まり、高知県室戸市では高波で住宅が壊れ、3人が死亡し、2人が負傷した。被害に伴い、京都、香川など6府県からの災害派遣要請を受け、現地の陸上自衛隊員が対応に当たった。 最大瞬間風速は津山市で50.4メートル、岡山市で41.4メートルを記録し観測史上一位を更新した。 そして笹ヶ瀬川も増水し、濁流が堰堤を越え町内に流れ込んだため消防団が出動し堤防に土嚢を築き警戒にあたった。 なお、笹ヶ瀬川の水位は、米倉港で20日21時35分に2.16メートルまで上昇した。 当日の宇野港の満潮は17時49分であったが21時30分には淡水湖の樋門が開き放流が始まり水位は徐々に下がり大事には至らなかった。 自然の驚異と防災への心構えを即し、後世のために記録に留めます。 敬具 平成16年10月21日 米倉消防団 |
拝啓 台風16号日本列島縦断。 自然は時に人の手ではどうしょうもないほどの猛威を振るいます。 今年は、日本列島に上陸する台風が多く、8月30日から31日未明にかけて中国地方を襲った台風16号は瀬戸内沿岸に高潮で被害をもたらしました。 岡山市でも岡南地区が高潮に襲われ大きなつめ跡を残しました。米倉港は危険水位には至りませんでしたが、もし児島湾締切り堤防が無かったら完全に高潮浸水に襲われていました。 米倉地区は家屋等への被害はありませんでしたが稲作は開花時期と重なり収穫が心配されます。 災害の少ない地域に育ち危機意識の低さが指摘されています、このような記憶を後世に引継いでいきたいものです。 この記録が操明学区のホームページに「台風16号緊急避難の報告書」として記述されています。 これも記憶を留める中で電子町内会ホームページの果たす大きな役割だと思います。 敬具 平成16年9月1日 米倉農民 |
実らない稲穂 |
拝啓 笹ヶ瀬川の増水。 7月13日の北陸地方を襲った集中豪雨により被災された方々にお見舞い申し上げます。 中国地方も8月1日の台風10号の通過に伴い、わが町の笹ケ瀬川も増水しました。幸いにして危険水位には至らず、被害も無く平穏な生活に戻りました、しかし、改めて防災への心構えを新たにしました。 思うに、児島湖締切り堤防の完成に伴い、南部一帯は高潮に対する心配がなくなりましたことは幸いです。 豪雨の度に感じることですが、南部一帯は旧田園地帯で、雨水は上流から下流に押寄せ排水する笹ケ瀬川も増水し低地では浸水します。 排水ポンプを作動し内川の水を外川に放流する作業が昼夜行われます。これに携わられる水利委員の方々のご苦労に感謝申し上げます。 多くの人々に支えられ地域が発展して行くことを感じた夏の日です。 敬具 平成16年8月2日 米倉町民一同 |