沖新田・地域の歴史を伝える沖新田一座
投稿日:2020年3月15日
2020年1月19日の上南中学校公演以降校区の中学生が「郷土の歴史を学び自分が住む土地への愛着が増した」との声が数多く寄せられ反響を呼びました。昨年12月の稽古の様子、公演当日の舞台、中学生から寄せられた感想そして沖新田一座の発足について今まで紹介してきました。発足当時の演出は藩主池田光政の御前で新田開発を巡って激論を交わす重臣会議~度重なる崩壊に見舞われた最終潮止め工事の完成を祈って人柱に立った「キタ」の入水シーンまででした。実はここまでは物語の導入部でありその後の移住者の知恵と労苦こそが描きたい核心とのことで脚本が膨らんでゆきました。見て頂く方の立場に立つと1時間を目安として大幅な時間延長は避けたいとの制約のもと現在の脚本に行き着いたのです。沖新田干拓工事は元禄5年(1692、今から328年前)、藤原文庫(沖新田三番の大庄屋であった藤原家に保存されていた絵図、古文書)には天明6年(1781、239年前)の「年貢米取立算用帳」がある事から干拓90年後には米の収穫がかなり上がっていたことが推察されます。米作りの前には綿、西瓜、菜種、大麦が作られていたとの記録もあります。今日の豊かな農産物が採れる肥沃な土地へとかえていった先人たちの歩みが加えられ沖新田物語は感動を呼ぶ物語になりました。見る人に新田魂を呼び覚まし郷土への愛着を育む契機となっています。