異次元の強さ発揮の藤井聡太の胸の内

投稿日:2023年6月2日

6月1日の対談記事(新聞)

藤井六冠と松浦寿輝の問答

松浦氏は将棋小説「無月の譜」の作者、詩人でもある

五つの対話を通して、藤井六冠の駒の打ちならぬ胸の内を聴いてみよう、待ったなし!

対話ー1(要約)

松浦「藤井さんは、勝っても負けてもインタビューなどでいつも自然体ですが、何かトレーニングをされていますか?それとも子どもの頃から落ち着いていたのですか?」

藤井「子どもの頃は悔しい負け方をした時その場で大泣きしてました、中学生になりプロを目指す段階になった時、敗けを引きずっていると、次の対局でさらに良くないことになると気付き、今のスタイルに近づいた気がします」

対話ー2(要約)

松浦「将棋の世界でもAI研究が盛んで、最近ではチャットGPTも出現、社会全体がAIとのつきあい方に課題を抱えています?」

藤井「将棋でも使い方が問われていると思います、AIが示す手はすごくいい手であることが多いのですが、それは唯一解ではない、AIを信じてしまうと発想を狭めてしまうことになるのかなと」

対話ー3(要約)

松浦「羽生九段の言に”運命は勇者に微笑む”というのがあります、棋士は緻密に計算し構想を立てて戦いますが、勝負は論理だけで決まる訳ではない、先が見えなくても勇気を出して踏み出すべき瞬間があると言うことだと思いますが、藤井さんは気合いとか勇気といった人間くさいものも大事なことなのでしょうか?」

藤井「どんなに考えても局面すべてを考え尽くせることはなく・・最終的に不確実なままで決断しなければならない、その時何を信じて差すか、といった部分に

棋士の個性が出てくるのかも知れません、結局自分を信じるしかないのかなと」

対話ー4(要約)

松浦「中学生の頃からの藤井さんの受け答えに、”望外な”とか”僥幸(ぎょうこう)”などが使われ、言語能力の高さがうかがわれますが、将棋の過密スケジュールの中で本は読まれますか?」

藤井「新聞書評欄に面白そうな本はありますが、最近はなかなか手に取ることはできません、松浦さんは詩と小説を書かれていますがどんな違いがあって、その間をどう行き来してますか?」

松浦「詩と小説の違いは、チェスと将棋の関係に似ています、チェスはコンパクトな時空の中で力のベクトルが激しく行き合う、一編の見事な詩を感じます、

将棋は押したり引いたり、一局の中に小説のような物語がありますね」

藤井「チェスは幾何学的で、整然とした美しさ、それが詩に通ずるということでしょうか」

対話ー5(要約)

松浦「藤井さんはまだ二十歳、普通の人なら迷いながら何とか自分を作り上げる時期です、その若さで、まさにジェットコースターの勢いで、一つの世界の頂点に登り詰めようとしている、一生将棋を差し続ける人生とはどんなものか?

素朴な好奇心があります」

藤井「デビュー戦で加藤一二三先生と対局、60歳以上の差がありながらその迫力に圧倒され本当に凄いと実感しました、プレイヤーの立場として将棋をどこまでも探求していく気持ちは変わらないと思います、

一方で一人の棋士として将棋界にどんなことが出来るのか、今後考えていくべきかなと・・・」

  参りました?

 6月2日の新聞記事

藤井聡太最年少七冠誕生!

記 北公民館ジェントルマン喫茶常連客 福森芳郎

カテゴリー:おん野の滴

SNS
検索
ページトップ