9〜11月篇




 だれにでもできるミニ家庭菜園での健康野菜作り
 家庭菜園では八百屋さんの店先に並んでいるような見た目にきれいな野菜を作る必要はありません、農薬をなるべく使わないで、安全で新鮮な野菜を自分の手で作ることが楽しみです。
 このサイトの見どころ
 このサイトは、米倉で有機栽培無農薬野菜作りに取り組む和気悠紀子さんの「四季の菜園」をご紹介しながら、長年つちかって来た有機栽培による野菜作りの「こつ」を1年間シリーズでご紹介して行きます。ご期待下さい。


9月の菜園




にがうり(苦瓜)>
にがうり味噌(レシビ)
(イ)材料
  にがうり2本、粒味噌200g、かつお節30g、砂糖80g、卵3個、塩・植物油少々。

(ロ)作り方
(1)にがうりは縦二つに切り、スプーンで種を取り3ミリ厚さに切る
(2)フライパンに油をひき、炒めたまごを作り、器に移す
(3)フライパンに油をいれ、(1)とほぐした粒味噌、かつお節、砂糖を入れて混ぜ合わせる
(4)最後に(2)を加え軽く混ぜる


ごま>
栽培
(1)5月ころ種をまく
(2)7月には1.5メートル位に成長し茎の下の方から順に花が咲く
(3)8月ごまの実がたくさん詰まった「さく果」ができる
(4)9月「さく果」が成長すると裂けて種子が飛び散る、その前に収穫する


ゴマノ効用(健康食品)
(1)たん白質が豊富で、肝臓を守る
(2)体内の老化促進物質を取り除く
(3)多種類のビタミン、ミネラルを豊富に含む
(4)小じわを防いで、つやつやした肌を守る
(5)枝毛、抜毛、白髪を防いで美しい髪を保つ



<畑づくり
(1)1平方m当たり苦土石灰150gと堆肥は2kgぐらい施しおく。

(2)根菜類の栽培では深くよく耕すことが上作のこつです。

(3)最低30cm程度はしっかりと耕します。

(4)また、耕水性、保水性のある畝づくりを心掛けます。。


レタス
(1)タネまき
  ビニール鉢かプランターにまいて苗を育てます。
  肥沃で有機質に富んだ土を荒目の「とおし」でおろして用います。
  発芽期の乾燥は厳禁、寒冷紗等で覆い乾燥を防ぐ。

(2)間引き定植
  本葉2枚で間引き、本葉4〜5枚になったら定植する。
(3)畑の準備
  レタスは酸性に弱いので、苦土石灰と堆肥は2kgぐらい施しよく土と混ぜておき、定植1週間前に元肥として化成肥料を施し、幅1mに畝立てする。
(4)定植
  本葉4〜5枚の苗を幅1mの畝に3〜4条、株間20〜25cm間隔で定植する。
  乾燥に弱いので随時潅水し乾燥が厳しい場合は敷ワラをしてやる。
(5)追肥
  生育が早い短期作物なので、定植7〜10日後に速効性の化成肥料を施してやる。


だいこん>
(1)畑づくり
  1ヶ月前に、堆肥などの有機質を土とともによく混ぜておき、根が長くなるので、できるだけ深く耕しておく。
  7日くらい前に、化成肥料を施し、耕うんし砕土を行う。
  畝幅は60〜90cm、1〜2条栽培にし、水はけの悪い場所では20cmの高畝にします。

(2)タネまき
  株間は25cm、条間は35cm程度でタネまきを行います。タネまきの深さは1cm程度にし、1ヶ所に4〜5粒まきます。
  潅水の後、乾燥を避けるため薄く切りワラ等で覆います。。

(3)間引き
  第1回、本葉2〜3枚のころになると、1回目の間引きを行い2本にします。子葉がハート型のしっかりしたものを残します。
  第2回、9月上旬まきでは、タネまきから2〜3週間ころから最終間引きの時期となりますので、本葉5枚程度までを目安に、遅れないように1本にします。これを間引き菜として、汁物の具や浅漬けなどにするとおいしくいただけます。
(4)中耕と土寄せ
  降雨後の乾燥などで、畝の表面がかたくしまった時は、条間を極浅く中耕し、根に空気を送ります。
  また、大根が徒長して株が安定しないときや、台風などの強風の前には、株元に土を軽く寄せることも上作のポイントです。


はくさい
 本来は、直まきの作物ですが、なるべく農薬を使わずに幼苗期を集中的に管理できる移植栽培が有利でする
 根が繊細で深く入るので、耕土の深い排水の良い畑を選び、有機質資材を多用し、畑の土を柔らかくしておく。
(1)タネまき
  7.5cm程度のポリポットに、有機物に富んだ床土を入れ、1ポット当たり3粒ずつタネをまきます。
  風通しの良い涼しいところに並べ、寒冷紗等で覆い乾燥を防ぐ。
(2)間引き
  本葉2〜3枚程度に順調に生育した病虫害のない株を1株残すようにして間引きをします。
(3)移植
  育苗日数20〜25日、本葉4〜5枚が植え付けに適した苗です。
(4)畑の準備
  10平方m当たり、堆肥20kgと苦土石灰1kgを施しよく耕しておく。
(5)植付け
  畝幅は1条植えで60cm、2条植で140cm程度、株間は40〜45cm位とする。
  植付けの深さは、浅植えがこつで深植は禁物です。
  植付け後は、株元にしっかりと潅水を行い、活着を促します。

(6)追肥・中耕
  第1回目、定植後7〜10日目に速効性の化成肥料を株元に施す。畝の表面を軽く耕し中耕しておく。
   第2回目、芯葉が立ち上がり、結球がが始まった頃に同量を追肥する。


ほうれんそう>
  耐寒性は強いが、夏の高温には弱い、また、酸性土壌をきらう代表的野菜です。
  そして連作はできません。

(1)畑の準備
  畑は1ヶ月前から苦土石灰を1平方m当たり150gくらいまいておく。
  10日くらい前に完熟堆肥をまいて深く耕す。
(2)タネまき
  タネは、一晩水にしたし翌朝水を切り、新聞紙の上などに広げて乾燥させると発芽が揃います。
  生育を早める場合は、一昼夜浸種した後、濡れタオルで包んで畑にふせると2日程度で芽を切るので、直ぐにタネをまきます。
  畝は、50〜60cmとし、10cm幅のばらまきとする。薄まきに心がけましょう。
  平クワの背ですり込み、種子が隠れる程度に覆土します。
  乾燥防止に籾殻もしくは切り藁などを薄くかける。
  タネまき後たっぷり潅水をする。
(3)潅水
  湿害には弱いので、降雨後は排水に努める。
(4)間引き
  第1回、発芽がそろったら間引く
  第2回、本葉3〜4枚の時期
  第3回、本葉5〜6枚の時期、最終株間は5cmくらいにする。
(5)追肥
  2回目の間引き後、畝肩にリン酸分の多い追肥を施す。


<にんじん>
 3寸ニンジンが比較的栽培しやすく家庭菜園向きです。
  酸性土壌をきらい、乾燥に弱く、乾燥が激しいと裂根します。

(1)畑の準備
  タネまき3週間前に完熟堆肥と苦土石灰を全面にまき、よく耕しておきます。
  元肥を1週間前に施し、150cm幅の畝をつくる。
(2)タネまき
  条間30cm、4条まきとし、すじまきにします。
  潅水後、溝全体にいきわたるように丁寧にまく。覆土は5mm以内とする。
  乾燥防止に籾殻もしくは切り藁などを薄くかける。
(3)間引き
  第1回目、本葉1〜2枚の時期に密生部を間引く
  第2回目、本葉3〜4枚の時期に生育不良や生育の早すぎるものを間引く
  第3回目、本葉5〜6枚の時期に最終間引きを行う。
         最終株間は10〜15cmとする。
(4)土寄せ
  それぞれの間引後には土寄せを行い、肩部の着色を防ぐ。
(5)追肥
  1回目の間引き後に条間にカリ分の多い追肥を施し、土寄せを兼ねてクワで軽く耕し土寄せを行う。


<こまつな>
栽培しやすく、、連作も可能で家庭菜園には最適です。
 寒さにも暑さにも強く、周年栽培できます。
 栽培期には、25〜30日程度で収穫できます。
 つけな類の種子は、冷蔵庫に保存すると3年程度は発芽します、何回かに分けてタネまきします。

(1)畑の準備とタネまき
  畑は堆肥を十分に入れ耕しておく。
  タネまき1週間前に、幅90〜120cmの平畝を作る。
  深さ1cm、幅10cmのまき溝を2条つけて、タネをばらまきする。
  薄く土をかけ、クワの背中で土を軽く押さえておく。
  乾燥防止に籾殻もしくは切り藁などを薄くかける。
(2)間引き
  第1回目、本葉が2枚になった時期。
  第2回目、本葉が5〜6枚になった時期。
        最終株間は5〜6cmとする。(間引き菜は食材に)
(3)水やりのポイント
  発芽から収穫まで、畑が乾燥すると品質が悪くなります。
(4)追肥
  夏まきは必要なし。
  春、秋まきは間引き時畝の肩に少量施す。



<しゅんぎく>(プランター栽培)
(1)土作り
  保水性、排水性、通気性、保肥性のよい土の構造を「団粒構造」といい、団粒構造の土なら植物の根の張りもよく、元気に育ちます。
  プランターや鉢など容器栽培では、庭や畑の土を使うとすぐに水はけが悪くなるので、鉢植え用のいろいろな土をブレンドして培養土を作ります。基本用土(赤玉土、黒土など)と、この基本用土の欠点を補う改良用土として通気性・保水性をよくする調整用土(畑の土を「とおし」でおろし完熟堆肥とEMボカシをよく混ぜる)をブレンドします。
 ブレンドした用土は1週間以上ねかせておくと、土質がよくなります。
 水はけが悪く、いつもジメジメしている土では、植物の根は呼吸できず根腐れを起こしてしまいます。それを防いでくれるのが鉢底石です。鉢底石を入れると、すき間がたくさんできるので、水はけが良くなり、根も十分呼吸することができます。
(2)タネまき
 ばらまき すじまき てんまきがあります。
 種子の発芽は好光性なので、まいた種子が見え隠れする程度に覆土を薄くします。
 タネまき前には土にたっぷりと水を含ませ。タネまき後に水やりするとタネが流れたり、土の中に入りこんだりします、水やりしてからまくと、発芽までの湿度がキープされ失敗が少ないです。
 乾燥と雨の害を避けるため、寒冷紗などで覆います。
(3)間引き
 発芽後、子葉が開き本葉が出始めたころに生育の劣る株を間引きます。
(4)水やり
 土壌の乾燥状態を見て、昼間の潅水は避け、朝夕の涼しい時に行います。


<きゃべつ
移植
育苗日数30日〜40日の本葉4〜6枚の苗を定植します。
1)定植1週間前にスコップで苗の根を切ると細根が出てよい苗になります。
2)うね幅1.1〜1.2m、株間35cm、2条植え、もしくは千鳥植で定植します。。
3)20cm位の植穴を掘り、穴底土と化成肥料を良く混ぜ、その上に周辺の土を落とし、鉢根を崩さないように植付けします。
4)株元の乾燥を避けるため、株元に籾がらもしくは切りわらを敷くと良いでしょう。
中耕、水やり
1)定植後、一週間程度は十分な潅水をし、植痛みを防ぎます。
2)土壌の通気性を高め、根の張りをよくするため、中耕を施します。



10月の菜園


ばあちゃんの言葉

おてんとうさまが、おしめりを、つかあさった。


毎日、野菜に語りかけ、野菜が何を言っているか、聞いてやること
1に、こまめにまびき
2に、こまめに土寄せ
3に、こまめに水やり
4に、こまめに中耕
5に、時期を失しない追肥
6に、こまめに虫取り


<お正月用ほうれんそう>
 10月20日ころ蒔きつけると、丁度お正月用に収穫できます。




 家庭菜園で旬の野菜の味を味わうのが楽しみです。
 でも、収穫時期が短い作物は鮮度を保ちながら保存しなければなりません。
 野菜は収穫したあとも呼吸をしたり、水分を蒸発させたり活動しています。
 野菜の種類によって保存場所や方法が違います。
 そこで、野菜の保存方法をご紹介します。
きゅうり
 水気を嫌います、よくふきとってからポリ袋に入れ冷蔵庫に保存する。

トマト
 冷やしすぎは味が落ちる。熟れすぎを止めるには、ポリ袋に入れて密封する。

みょうが
 乾燥させないように霧吹きし、密閉して冷蔵庫に保存する。

とうもろこし
 鮮度が味を左右する典型野菜で、すぐに食べるのがベター、とにかく新鮮なうちにゆでてしまうこと。
 保存する時は、すぐに皮をむいで、ラップに包み野菜室に保存する。
 冷凍する場合は、水洗いして塩をふり、蒸し器で20分過熱し、よく冷ましてから冷凍パックに入れ冷蔵庫に保存する。

なす
 高温を好む野菜で冷やしすぎは禁物、水分が蒸発しやすいのでポリ袋に入れて冷暗所に保存する。
 冷蔵庫に入れると長持ちするが味が落ちる。

ピーマン
 新聞紙に包み野菜ボックスへ、水分が付いていると腐りやすいので、水気を良くふき取ること。
 穴あきポリ袋の場合はそのまま野菜室に保存する。
 冷凍する場合は、沸騰したお湯に塩を入れ、カットしたピーマンを硬めにゆで、水を切って冷凍庫に保存する。

グリンアスパラ
 ポリ袋に入れて冷蔵庫に保存する。
 冷凍する場合は、2%の塩水で1分間ゆでて冷水にとり、水気を切ってポリ袋に入れて保存する。

かぼちゃ
 収穫期が遅れると味が落ちる。
 丸ごとの場合は、風通しの良い冷暗所に保存する。
 カットしたものは、必ず種を取り冷蔵庫に保存する。

えだまめ
 枝つきの方が、新鮮で美味しさも長持ちする。
 すぐに食べないときは、ゆでてから水気を切り、さやを外してポリ袋に入れて冷凍保存する。
 さやを残して冷凍の場合は、かためにゆでるのがこつ。

ニンジン
 乾いた新聞紙に包み野菜室に保存。

たまねぎ
 お天気の良い日に抜き取り、2〜3日畑にころがしておき、根を切り落とす。
 風通しの良い冷暗所に保管する。
 茎のついている物は、数個を束ね風通しの良い場所に吊るす。
 茎のついてない物は、古いストッキングなどに入れて風通しの良い場所に吊るす。

じゃがいも
 イモ類は常温保管が基本。紙袋などに入れて冷暗所に保管する、リンゴを入れておくと発芽が抑えられる。
 秋口の頃から芽が出る、こまめに手でかき落とす。

里芋
 掘起こした里芋の土を落とし、畑を高畝にし竪穴を掘って穴室を作り、その中に保管する。雨よけ霜よけに稲藁か籾殻で覆い、調理するだけ掘り出す。(鮮度を保ちながら春先まで保存できる。)
 里芋は寒さに弱いので新聞紙に包み、冷暗所で保管する。
 発砲スチロールの箱に籾殻を入れ、その中に保存する
 冷凍する場合は、たっぷりの水で固めにゆでて、熱いうちに皮をむいで冷凍パックに入れ冷凍保存する。

さつまいも
 寒さに弱いので、新聞紙に包んでダンボール箱または発砲スチロール箱で冷暗所に保管する。
 ダンボール箱に入れ、籾殻で覆い冷暗所に保管する。(ねずみに注意)
 時に、日光浴させると甘味が増す。冷蔵庫には入れないで。

かぶ・大根
 収穫期間が長いので、一度に収穫せず食べるだけ収穫する。
 葉を切り落としラップか新聞紙で包んで冷蔵庫に立てて保存する。

葉物(小松菜・ホーレンソウ・キャベツ・レタス)
 家庭菜園の妙味、朝取りがこつ。一度に収穫せず食べるだけ収穫する。
 生長した物から間引き収穫する。
 濡れた新聞紙に包み、袋に入れて冷暗所に保存する。




11月の菜園



 


大根の葉を食卓に
葉はさっとゆでて水にさらしアクをぬき、細かく刻んで、油で炒め、少し醤油で味を調える。


イチゴ
 1、太い苗を育てるには仮植期間中の肥料を多くする。
 2、定植用の畝は垂直に、そして高くします。
 3、定植苗の大きさは、葉の枚数が4〜5枚を目標とします。
 4、冬は、この様な状態で越します。
 5、春先に、黒いビニールを敷きます。(マルチと呼ばれています。)
 6、収穫時期を早めるにはマルチの実施時期を早めます。
 7、甘味を増すには有機肥料(米糠で良さそうです)を使うことがこつです。
 8、生育期の枯葉は常に取り除き、風通しを良くします。


絹莢えんどう・スナックえんどう
1、連作には弱い作物なので、4〜5年は間隔をあける。
2、酸性土には極めて弱い作物なので、1ヶ月前に消石灰を十分にほどこす。
3、30cm間隔で深さ2〜3cmの穴を掘り1ヶ所に4〜5粒の点まきにする。
4、種まき後は、鳥に食べられないように籾殻等で覆う。
5、本葉2〜3枚のころ、1ヶ所に生長の良い物を2本残して他は取り除く。
6、巻きひげが発生する2月ころまで防鳥ネットで保護する。



みずな
1、条間、株間それぞれ15cmで定植する。
2、土を苗の株元にしっかりと密着させる。
3、浅植え、深植えともに良くない。
4、定植後は、たっぷりと潅水する。
5、水分を多く必要とする作物なので、晴天続きの場合は、畝間に潅水する。


たまねぎ
1、土性は特に選ばず、連作も可能です。元肥にはリン酸成分の肥料を多めにほどこします。
 2、定植苗は、、あまり太くしない、大苗になるほど収穫期に「とう立ち」の危険性がある。
 3、畝幅80cm、株間は12cmの2条植えもしくは、畝幅120cm、株間12cmの4条植とします。
 4、植付けは、あまり深植えにしないこと、株元を軽く押さえておく。
 5、植付け後の乾燥を防ぐため、籾殻等を全面に振って活着を促進させると共に冬草を押さえる。
 6、定植後、冬草が生えるので順次中耕する。
 7、追肥は12月と2月の2回に分けて行い、同時に中耕し株元に土寄せする。