米倉博物館


展示NO-G02 「いけす網」 「まえがき」 「いけす籠」

 「いけす網」と「いけす籠」を川につけて魚を活かした。

 「まえがき」は、内川(堤防の内の川を内川と呼んだ)で冬の時期に寒さで魚が藻の下に潜っている所を狙って藻と土をすくい取り、寒鮒(かんぶな)を捕り、包丁で骨ごと叩いてミンチにし、大根・人参・ごんぼ、そして、ねぎを加えて温かい「フナ飯」にして夕食に登った。

 「ふしの実」取り。
 内川の樋門の手前には必ず「入れ湖」(いれご)があった、水量が増し樋門を開き下(しも)へ水を送る、時期を見て樋門を閉ざすと、川上から押し寄せる水と、堰き止められて引き返す水が鉢合わせし津浪が発生する、この浪を入れ湖に吸収する、実に良く考えられていたと思う。
 この、入れ湖には春にかれんな「ふしの花」が咲き、夏に「ふしの実」が実る、腰まで水につかり「ふしの実」を取る、この実を塩茹ですると栗の実のような味がした。

 川の流れも変わり「ふしの花」を見ることもなくなった。