季節のたより
2007



前略 ゆく年くる年
 近年1年が極めて短く感じる。
 今年は、櫻が異常に早く咲き、長く厳しい暑さが続き、つかの間の秋から突然の冬の到来であった。
 単に身体に順応しないばかりか、常に急がされ気忙しい思いがした。
 もっと時が穏やかに穏やかに移行することを願うばかりである。
 近所の軒先に花があれば花を褒め、木陰があれば休んで鳥の声を聞く。
 時に、振り返り遅れる者を待ち、思いやり深く周りを見つめ、自分自身をかえり見る、そして、人々と共に正しく前に進む、そんな年でありたい。
 くる年が明るく穏やかな年であることを祈る。
                                    早々
                                    平成19年12月




前略 西市天満宮の秋祭り


 秋の田の かりほの庵の とまをあらみ
           わが衣手は 露にぬれつつ
  


 どこの村や町にも、その土地にふさわしいお宮やお寺がある。
 西市天満宮の創建は天文元年(1532年)6月1日である。山城国北野の天満宮を勧誘し、当時の下中野村・西市村・京殿村が氏子区域であった。
 天正8年(1580年)3月3日、内山下榎馬場の今村宮を現在の地に遷座し下中野村が今村宮の氏子となり寛永12年(1637年)岡山藩主池田光政公の墾田として、米倉村・万倍村を天満宮の氏子区域となった。
 今年の秋は豊作のようだ、黄金色に輝く稲田の道を子供みこしが行く。
 農家の人々の表情も明るい、そして毎年繰り返される秋祭りの行事に年月の重みを感じる。
                                            早々
                                            平成19年9月13日
追伸
 
秋の野を渡る子供みこしの画像を会員ページ「トピックス」で紹介しています。





前略 芳明学区敬老の集い
 長寿の秘訣、百十三歳で長寿日本一の豊永常代さん(高知県)は「正直に生きること」と言う。
 井原市出身の彫刻家平櫛田中は、日が暮れるとともに寝、日の出とともに起きる、食べ物は、そばともちを好んだ。
 そして良く歩いた、「六十・七十は鼻たれ小僧、男盛りは百から百から」の歌を残した。
 今では百歳以上のお年寄りが全国で三万二千人おられる、おめでたいことた。

 芳明学区老人の集いが行われた、75歳以上の方が596人おられ、
 100歳以上の方は2人おられます。
 当日は、153名の方がお元気な姿で出席された。
 みんな戦後の混乱の中、日本の経済成長を支えてこられた方々である。
 記念式典に続き地域の方々の演芸に、そして会食に楽しい一日を過ごしました。
                                                 早々
                                            平成19年10月6日

追伸
 お年寄りの明るい画像を、会員ページ「トピックス」で紹介しています。




前略 芳明学区体育大会
 日ごろ苦手だと思っていることに挑戦してみる、そこに思わぬ自分を見出す。
 初めて会った方とチームを組み、会話がすすむ、明日からが楽しくなる。
 町内が一つの気持ちになって声援を送る、そして大きな輪が広がる。
 まだ暑さの残る秋の一日、子供たちも思い出を一つ増やした。
                                                早々
                                            平成19年9月16日
追伸
 楽しい画像を、会員ページ「トピックス」で紹介しています。




前略 夏の終わりに
 青い青い空、高くて真っ白な夏雲、強い日差しはアスファルトの道路を照り付け、空からも地面からも暑さを感じる。
 今年の夏は例年に無く猛暑だった、お盆を過ぎてもまだ午前の時間帯なのに、日差しはこれほどまでに強い。
 しかし港の釣り人も少なくなり、蝉の声は虫の音に変わり稲穂が日毎にふくらむ。
 今年も夏の思い出をいっぱい残して季節は秋へと移ろう。
 常慶寺の萩が白い花を付けていた。
 そしてお盆の山門にはこんな言葉か添えてあった。


 天国のお母さん、大切なことを言い忘れました。私を生んでくれてありがとう。 


                                                 早々
                                            平成19年晩夏



 



前略 土用干し

 今年も7月22日から31日まて田圃の水を抜きヒビが入るまで乾かす「土用干し」の季節になりました。
 夏の暑い盛りに田圃の水を抜き乾かす「土用干し」には次のような効果があります。
 1、土中に酸素を補給して根腐れを防ぎ、根の活力を高め根が強く張り倒れにくい稲に育ちます。
 2、土中の有害ガス(メタンガスなど)を抜くことが出来ます。
 3、水を落とすことによって肥料分であるチッソの吸収を抑え過剰文けつ(ブンケツ)を制御します。
 4、土を干して硬くし刈り取りなど農作業を楽にします。
  土用干しは先人たちの知恵で毎年このころ地域一帯で行われます。
  やがて稲穂が出揃い実り豊かな秋を迎えます。
                                            早々
                                            平成19年7月






前略 ほたる灯

 遠い日、この川にほたるがとんでいた。
 毎晩のように友達を誘い川原へ出かけた。
 長い竹ぼうきを振り回し、ほたる籠の中にほたる草を入れ、霧を吹き、縁側につるした。
 時に蚊帳(かや)に入れ、きみどり色の光が点滅するのを見つめながら眠った。
 あれは中学3年のころだった、部活を終え土手道を一人帰っていた、人家もなく瀬音と月見草の花がほの白く咲いていた。
 うす暗くなった川面にほたるが華やかに乱舞をくり広げていた。
 私は言葉もなくたたずんでいた、高校進学を前に将来への憧れや不安を胸に。
 泣きたいほどの光景を目にして、激しく心を揺さぶられたあの夜の記憶は今も鮮やかである。
 いつの日か、この川にほたるが戻ってくることを願ってお便りします。
                                            早々
                                            平成19年6月







前略 ホットな話題

 朝夕、散歩の途中ビニール袋を片手に道路の清掃活動をしているグループに出会う。
 ある夕刻、2号バイパス交差点下で草抜きをしている若い数名の方にお話を聞いてみた。
 町内に事務所を持つ株式会社サンキョウ・エンビックスの社員で就業後に地域の清掃活動をしているとのこと。
 当社は、社内に環境委員会を組織し企業として環境負荷低減活動を推進し地域社会への貢献活動を行っており、その一環として児島湖清掃大作戦への参加、町内清掃活動等を実施しているとのお話でした。
 道路に空き缶やペットボトルの散乱する当世、ホットなホットな話題である。
 URL 株式会社サンキョウ・エンビックス
                                            早々
                                            平成19年5月25日







前略 菖蒲湯
 5月5日の子供の日は「端午の節句」ですが「菖蒲の節句」とも言います。
 端午の節句とは、端は始まり、午は五の意味で、月の最初の午の日と言う意味で、もとは五月に限るものではありませんでしたが、中国の漢の時代以後、五月五日を端午というようになったと言われています。
 この時期に花を咲かせる菖蒲の長い葉は、強い香気がありこの香りの強さが不浄を払い、邪気を遠ざけるとされてきました。
 古代中国では、端午の節句に邪気を払う意味で菖蒲を軒につるし菖蒲湯に入ることから、日本では菖蒲は「勝負」や「尚武」に通ずることから、武家では男子の出世を願う節句として重視されていました。
 民間の家々でも軒端に菖蒲を飾ったり、菖蒲酒を飲んだり、菖蒲は夏の病を防ぐ呪力があるとして菖蒲湯に入ることが習慣になったと言われています。
 「いずれアヤメかカキツバタ」と言って、アヤメとカキツバタは見分けがつかない代表とされていますが、菖蒲とアヤメまた花菖蒲を同じ植物と混同します、葉が長剣状でよく似ているので間違いやすいのですが風呂に入れる菖蒲はサトイモ科でアヤメや花菖蒲はアヤメ科で植物学的には全く別の種類です。
 この時期、波止場の岸辺で菖蒲が花を付けていました。
 今も端午の節句には軒先に菖蒲をさす習慣が残っています。
 また、菖蒲とセンダンの葉とヨモギを束ねて屋根にあげる習慣がありました。
 しかし、菖蒲の葉でチャンバラをしたり菖蒲魚雷をして遊ぶ子供は見かけなくなりました。
                                                早々
                                                平成19年5月5日