第1巻(2002年度版) 地域にはそれぞれ風土、風景、風習、風俗、風格、風味、風情という7つの「風」があると思う。 そんな「風」を見つめてみたい。
変わった故郷 変わらぬ故郷 忘れがたき故郷である。
本ページの移動先を選択してください。 渡りのころ 紅葉のころ 秋風のころ 彼岸のころ 土ようのころ 梅雨の中休み 梅雨のころ 初春の笹ヶ瀬川 平成14年春の展望 休日の朝
渡りのころ 関連資料T 関連資料 関連資料 この季節になると庭先に柿の実る光景に出会う、日本の秋ここにありという感がする、さてその柿は甘い柿ですか渋い柿ですか。 柿はビタミンA・C、タンニンが豊富で、古くから「柿が赤くなれば、医者が青くなる」といわれるほど優れた健康食品です。 柿には、他の果物に見られない特徴があります、「香りがない」「渋がある」そして「酸がない」のが最大の特徴です。 今の季節、急な寒さで風邪をひいてしまった方にオススメです。 渋のタンニンや、豊富なビタミンCが血液中のアルコール分を排泄するので二日酔いに効くといわれています、お酒を飲む前にどうぞ。 身体を冷やす作用もあるというので、貧血の方や冷え性の方は食べ過ぎにご注意ください。 渡り鳥が群れを成して南に飛んで行った、冬の到来が近いことを知らせるように。
紅葉のころ 関連資料T 関連資料U 関連資料 関連資料 里芋(さといも)独特のぬめり成分ガラクタンには血圧を下げ、血中コレステロールを取り除く作用があり、消化を促進し便秘解消にも効果があります。 和気さんの家庭菜園では今が旬の里芋が食卓に上るのを待っていました。 稲刈りも終わり、空はどこまでも青く、野山は紅葉に彩られ、草木は実り、大気は冷え冷えと澄んで秋の深まりを感じます。 やがて 光と影が交錯し気温が下り、結んだ木の実は落ち、紅葉は枯色が加わり、やがて落ち葉を始め、そして山川草木はことごとく深い静けさに移ります。 常慶寺のもみじも彩りを増し、服部さんの軒先では西城柿が秋の日差しを受けて甘味をふくらませていました、そして裏庭では「エンゼルトランペット」がみごとな花を付けていました。
秋風のころ 彼岸も過ぎ、朝夕の肌寒さと日没の早さに、ふと気づき秋の深まりを感じます。 吉川さんの庭先でジンジャーの花が開き、通学の子供たちの目を楽しませています、ジンジャーは生姜の仲間で根と葉は生姜と見分けがつきません、茎の様相に似合わず可憐な純白の花です、香りは最高で香りの女王の感がし道行く人に香りを振りまいています。 秋の深まりと共に高尾さんが笹ケ瀬川堤防沿に丹精に育てたコスモスが秋の日差しを受けて背丈も1メートルと育ち色とりどりの花をつけ始めました。河川敷の葦も白い穂を開き秋風が渡って行きます。 空は高く稲穂も色付きを濃くし、秋まつりが終わると稲刈りが始まります。
彼岸のころ 関連資料T 関連資料U 関連資料 稲は正午前後に数時間花を咲かせる、あの固い穀をじわじわと開いて白いシベを差し出して懸命に営みを続ける、そして再び穀を閉じる。一ヶ月くらいかけて米を太らせます。 鑑賞用になる美しい花ではありませんが私たちの命の花です、二百二十日も無事に過ぎ、今年も豊作が期待できそうです。 少し色付いた稲田では、案山子は見かけませんが、すずめおどしの銀紙が風にゆれる風景は初秋を感じさせます。 写真右は、夏の盛りから9月ころ咲く白い星のような「にら」の花です、「にら」はユリ科の多年草で、強い匂いがうまさの素でスナミナ野菜として家庭用に栽培されています。 また、「黄にら」は岡山市牟佐地区で栽培されており、上品な風味とほのかに甘く、香りは淡く鍋料理等の材料として広く食されるようになりました。 ところで「暑さ寒さも彼岸まで」と言い、お彼岸を迎えますと厳しかった暑さも和らぎ、私たちはとてもいい季節を迎えます。 「彼岸」というのはこの現世のことを言い、悟りの世界である「此岸(しがん)」に対する言葉です。つまり迷いや苦しみの世界から悟りの世界へと導いてくれる教えです、布施、持戒、精進、禅定、智慧の六つを実行し、それを守れば幸せになることができると言われております。 常慶寺の境内の萩の花がつましく咲いていました、萩の別名は「秋知草」、柿の実もふくらみを増し、一つの季節が終り、また一つの季節が始まります、夜の虫の音と共に間もなくお彼岸です。
土用のころ 大樋門を抜いて内川の水を笹ケ世川に放流することを「水を落とす」と言い、土用のころ水を落とし数日間水田の土用干しをする。 今年は7月28日〜8月2日まで土用干しの期間で、この間に稲は夏の日差しを受けて株を強く張り、再び水を得て勢いを増し、稲穂の準備を始め.る、朝露を受けてキラキラと光る。 この季節、稲田の藁ぐろに大きな「かんぴょう」がぶら下がり、農家の軒先で白い「かんぴょう」が物干竿で風に揺れていた、菜園ではツルを長く延ばした「ふろう豆」が涼しげに日陰をこしらえていた。 今では、その風景は見られなくなり、和気さんの畑では「にがうり」がユーモラスに揺れていた。 今年はメダカの姿が見えない、ここ数年は見えていのに、少し心配です。
梅雨の中休み 照りつける日射しに早苗はすくすくと育つ、夏野菜はこの暑さに少し頭をたれる、しかし味覚はこれから増してゆく、緑の深まりと共に季節の豊かさを感じさせる、早苗はこの一ケ月でずいぶん生育した。 昭和40年頃まで畳表の原料となるイ草の栽培が盛んに行われ、この時期一帯はイ草の香りと活気に満ち満ちていた、炎天下の刈取り・色付け・乾燥作業と夜明前から重労働の連続であった、今では栽培農家も無く農具も記憶も薄れてしまったが西部の栗坂地区では数件の農家が栽培を続けている。 今では刈取りも乾燥も機械化され、作業は軽量化されているが田園風景はあの頃の姿を止めており貴重な記録として紹介します。
梅雨のころ 岸辺の緑、延々と列をなす早苗、小さくてもたくましい、梅雨の雨に打たれ、夏の日に照らされ、やがて秋には黄金色の稲穂をたらす。
休日の朝 今日も、一日の躍動が始まる、爽やかな朝、水も・車もそして風も静かに流れる。