後世への記録(記録シリーズ・世相編)



2004年・この一年

繰り返される企業ぐるみ隠蔽工作
 次々と明るみになった自動車のリコール隠し。鳥インフルエンザの疑いがある鶏を事実を隠して処分しようとした事件。類似の事故が起こっていながら対策が取られず、ついに子供が犠牲となった回転ドア事故。さらには、配管の点検漏れを知りつつ放置したすえ死傷者11人を出した原発事故。人の命に関わることが企業の利益や効率の中で埋没してしまっている。
 命の尊さを再認識しなければならないのはインターネット世代の子どもたちばかりではない。

悪意の増殖は抑えられるか
 今や欠かせないメディアの一つとなったインターネットだが、ネット上での誹謗中傷など時として歯止めのきかない悪意の発露になる恐れがある。
 佐世保で小学校6年生の女子児童がクラスメイトを殺害するというショッキングな事件も、ホームページ上のトラブルが発端と言われている。
 イラクで日本人が武装グループの人質になった事件では人質とその家族に対する激しいバッシングがネットを中心に巻き起こった。
 解放された人質はまだ幸運だった、イラクではその後も多くの血が流れ、さらにチェンチェン、パレスチナと世界は混迷の色を深めている。

ネットで磨かれるコトバもある
 若者の活字離れが言われるが、小学生がホームページを立ち上げメールでコミュニケーションをはかる時代、活字はむしろより身近になっているのかも知れない。
 19歳と20が芥川賞の快挙。超ベストセラー小説「世界の中心で、愛をさけぶ」は若者からジワジワと火がついた。
 ネット掲示板に書き込まれたオタク青年と彼の恋愛を応援する人々との実際のやりとりがそのまま本になった「電車男」は活字文化の新しい形態かも知れない。

栄光への架け橋
 オリンピックは実況するアナウンサーにとっても晴れの舞台。インタビューに答える選手たちも「応援してくれた皆様のおかげです」と感謝の言葉をサラリ。
 メダルはもう選手個人の栄誉にとどまらない、それだけプレッシャーも大きい。その中でちゃんと実力が出せるのはメンタルトレーニングの賜物。

人生いろいろ、野球もいろいろ
 ドリームチームと言われながら、銅メタルに終わった五輪野球の日本代表。帰国後、選手たちを待っていたのは球団合併やストライキの危機。
 そんな日本の球界のゴタゴタを尻目にメジャーリーグではイチローが最多安打記録を更新。
 シーズンオフには帰国して、CMとかで稼ぐのだろう。

負け犬ならずとも吠えたくなる
 2003年の日本の合計特殊出生率は1.24だそうだ。平成元年に1.57ショツクと言われていたがもはや息の根もとまりそうだ。
 少子化に拍車がかかる、せめて年金くらいはちゃんと払って孤独な老後に備えたいものだ。

セカチューとハンリューと日中関係
 世は純愛ムードらしい。セカチューのロケ地香川では、ロケ地詣でのカップルでにきわっている。
 ドラマ「冬のソナタ」に始まった韓流ブーム、韓国を訪れる人や韓国語を習う人が急増しているとか。
 日韓関係がいい感じになってきたのに対し、サッカーアジアカップでは中国人の嫌日ぶりが少々ショック。

台風続発に大ブーイング
 冷夏だった昨年とはうって変わって記録的猛暑となったと思えば、台風が立て続けに日本上陸。毎年のような異常気象でもはや何が正常かも分からなくなりそうだ。
 さらに、追い打ちをかけたような新潟県中越地震の発生。ボランティアという形で互助活動が働いていることにとても救いを感じる。

2004年・今年の漢字
 イラクでの人質殺害や子供の殺人事件、美浜原発の蒸気噴出事故、自動車のリコール隠しなど目を覆うような人災が多発した。
 そんな中、次々と人災を起こす人間の身勝手さに対して、神や自然が怒ったように台風、地震、豪雨、猛暑など、記録的な天災に相次いで見舞われた。
 来年は「災い転じて福をなす」ことを祈る。
 1、記録的な災害
   台風、大型台風が毎週のように日本列島上陸。その数、観測史上最多の10個
   地震、「新潟中越地震」発生、中小地震も多く、浅間山も21年ぶりに爆発噴火
   猛暑、夏は記録的な猛暑、農作物にも大きな被害をもたらした
 2、目を覆う人災
   殺害、イラクでの残酷な人質殺害、国内での幼児虐待、子供の殺人事件
   事故 美浜原発の蒸気噴出事故、原子力潜水艦領海侵犯
   虚偽、オレオレ詐欺の多様化、自動車のリコール隠し、鳥インフルエンザ。




2005年・この一年

天災は忘れる前にやってくる
 昨年暮れのインド洋津波に続き、ハリケーン・カトリーナ、パキスタン大地震と大災害が連続して発生。地球はいったいどうなっているのだろうか。
 石油は消費しまくり、二酸化炭素は出しまくり、アメリカの巨大ハリケーンも温暖化によるものかもと聞いたら対策を打たねばならない。
 クールビスやウォームビスは、その生産波及効果に焦点が当たっているが肝心の省エネ効果はとれだけあったのか甚だ疑問である。

人災もまた・JR福知山線脱線事故
 ゴールデンウィークを間近に控えた4月25日の朝、通勤通学客などを乗せた列車が脱線107名の死者と550名の負傷者を出す大惨事となった。
 電車を遅らせることに対して運転手に過度のプレッシャーを当たるような処置がとられていたことや、事故後のJR職員の行動など企業体質への批判が高まった。

「ニートアイランド」ニッポン
 仕事にも就かず、教育や職業訓練も受けていない無業の若者、ニートが日本にも急増している。
 新卒の採用動向は好転しているといわれるが就職先さえあれば解決するという問題でもなさそうなのがやっかいなところだ。
 何が自分に向いているかわからない、社会の中でうまくやっていく自信がない、といった理由から働けないでいるのだろうか。
 それでもとりあえず生きていける社会の豊かさが悪いのだろうか、それとも教育システムの罪なのか。
 子供に自分で考える力をつけさせようと始まったゆとり教育が一方で学力低下を招いているという批判も聞こえ教育現場は迷走中。

ちょい不良おやじ
 業者に談合を促する道路公団のOB、公認会計士に粉飾決算を指示する経営者、裏金つくりにいそしむ公務員・・・・。
 ちょいちょい悪い事をしている「ちょいワルおやじさん」が世間をにぎわせた。

オタクブーム
 モテない男の典型と思われていた「オタク」に、世間が大注目、2ちゃんねるが生み出したアキバ(秋葉原の意)系オタクと美人OLとの恋の実録本「電車男」は、映画化舞台化に続きテレビドラマ化され20%を超す視聴率を記録した。

プログであなたも夢を
 2ちゃんねるのような巨大掲示板に続くネット上のメディアとして「プログ」の利用が急増。従来のホームページよりも作成や更新が簡単で誰でも気軽に開設できるため個人が身の回りの出来事やそれに対する意見・感想等を日記風に綴ったものが多い。
 会社員カズマが妻から受けたむごい仕打ちの数々を綴ったプログ「実録鬼嫁日記」は、「電車男」に続けと本になり、さらにテレビドラマ化された。
 人気プログになればサイトの広告収入でお小遣いにはなる。

放送と通信の融合
 ライブドアVSフジテレビ、楽天VSTBS、インターネット関連企業による放送メディア買収騒動が相次ぎ、毒薬条項やら白馬の騎士やら専門用語が飛び交った。

ご当地もの、人気
 ヒルズ族の資金力によって誕生した東北初のプロ野球球団「東北楽天イーグルス」成績は惨憺たるものながら地元の応援熱は盛りあがり初シーズンを終えた。
 巨人の人気凋落に相反し、おらがまちのチムへの愛着は各地で強まった。

2005年・今年の漢字
 身近な「愛」から世界規模の「愛」まで、「愛」を育む大切さを感じる中、「愛」が足りない事件が多発した年。
 1、身近な「愛」を育む大切さを感じた
   紀宮様と黒田さんのご成婚、純愛ムードが広まった。
 2、世界規模の「愛」を育む大切さを感じた
   ハリケーンや地震の被災者救済、21世紀最初の万博「愛・地球博」の成功。
 3、各界の「愛」に大きな期待を抱いた
   卓球の福原愛、ゴルフの宮里藍、バレーボールの大友愛、愛子様女性天皇話題。
 4、そんな中、「愛」が足りない事件が多発した年
   2005年は、「愛」の必要性と「愛」の欠乏を実感した年。




2006年・この一年

小泉劇場
 一人の平凡な人間がここまでやってこれたのは、多くの皆さんのご支援ご協力があったからです。
 徳のある人は才能がない、才能がある者は徳がないと言われますが、私は自分では気の弱い普通の常識人だと思っています。
 ただ、いつも何かに守られている運がいいなと思いながら何とか頑張ってきました。
                              (小泉メールマガジン第250号より)
 内閣総理大臣の在任期間は1980日と第二次世界大戦後の内閣総理大臣としては佐藤栄作・吉田茂に次ぐ第3位。
 また、中曽根康弘以来の辞任せずに自由民主党総裁としての任期を全うした内閣総理大臣でもあった。

第87.88.89代
内閣総理大臣
小泉純一郎

安倍新内閣が誕生
 9月20日、自民党新総裁に安倍晋三官房長官が選ばれ、初の戦後生まれ・戦後最年少の首相が誕生した。
 小泉前首相があまりにも異色の存在だったのでインパクトに欠けるのは否めないが支持率を見る限り国民の期待は大きい。
 前首相の置き土産である中韓との関係修復や北朝鮮の核実験や学校教育問題など押し寄せる難局をどう乗り切るか。

第90代内閣総理大臣
安倍晋三

相次ぐ欠陥商品による事故
 耐震強度の偽装、地震大国において震度5強で倒壊するようなマンションを建てるのは「住民がどうなっても知らん」といっているようなものだ。
 ドアが開いたまま突如エレベーターが動いたり、瞬間湯沸かし器が知らぬ間に不正改造されたりと便利な機械が突如凶器に変わる事件が続発。
 他にも暖房器具、自動車、シュレーダーなどで重大欠陥が見つかった。起こったことにどう対処するかがトップの姿勢で印象は全く変わる。

「やっちゃった」「聞いちゃった」
 トップの姿勢として最悪の事例。
 東横インの西田社長。身障者用設備などを完了検査後に撤去していたことに対して「やってしまったものはしようがない」発言に世間は唖然とした。
 その後、涙ながらに反省会見したものの時すでに遅し。
 ライブドアのニッポン放送株式取得にかかわるインサイダー取引で起訴された村上世彰氏、インサイダー情報を「聞いちゃったんですよね」と記者会見で潔く非を認めたと思ったら、裁判では無罪を主張。この人たちの頭はどうなっているのだろう。

イナバウワー
 荒川静香の金メタル獲得で一番恩恵を受けたのは彼女をCMに起用していた金芽米かも知れない、全国から注文が殺到し生産量を2倍に増強した。
 CMの女王といえばエビちゃんことモデルの蛯原友里。彼女が身に付け掲載された商品は軒並み売り上げ増加。CMに出演した「えびフィレオ」は期間限定の予定が定番商品に格上げされた。

昔も今も「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」
 福岡市役所職員が酒を飲んで車を運転し幼い子供3人の命が奪われた事故をきっかけに飲酒運転に対する社会の目は厳しくなった。
 にもかかわらず、その後も警察官や自衛官が明るみに出た。
 罰則強化で飲食店の売り上げがガタ落ちとか、つまり、それまでは「少しくらい」という人が多かった。

ハンカチ王子の爽やかな旋風
 家族思いで礼儀正しくて、インタビューの受け答えもしっかりしていて「イマドキこんな若者がいるなんて」と世のおばさま方を虜にした、早稲田実業の斎藤君。
 新庄引退後プロ野球界でもプリンスの名を掲げたろうに、大学進学の道を選択した。その純粋さを4年後まで保ってほしい。

チリガミ王子はTOB失敗
 日本の企業風土にはなじまないとされてきた「敵対的企業買収」が、ライブドアによるニッポン放送争奪戦以降、活発に行われるようになってきた。
 しかし、案外うまくいかないものだ、製紙王手の王子製紙が北越製紙に仕掛けたTOB(株式公開買い付け)も結局失敗に終わった。
 とはいえ、経営統合による業界再編のうねりはまだまだ拡大していきそうだ。

混迷する教育現場
 全国で必修科目を教えていない高校の存在が明らかになった。学習指導要領に沿った授業をしなかった学校が悪いのか、受験戦争の実態に合わない指導要領を作った国が悪いのか、はたまた、知ってか知らずか現状を放置した教育委員会のせいなのか。小学校ではいじめを苦にした自殺が相次ぐなど、問題山積の教育現場。

2006年・今年の漢字
 1、親王「悠仁さま」ご誕生
   秋篠宮紀子さまが約40年ぶりに親王「悠仁さま」をご出産。日本中が祝福ムードに包まれた。
 2、自殺の多発
   いじめによる子供の自殺をはじめ、生活苦による高齢者の自殺など自殺のニュースが相次ぐ中、履歴問題の責任を取って校長が自殺する痛ましい年となった。
 3、痛ましい事故・事件の多発
   飲酒運転による交通事故死、虐待による殺人事件、竜巻など自然災害による突然の死。
 4、命に不安を覚える出来事の多発
   北朝鮮で核実験が行われたことや、医療制度改革による高齢者の医療費負担の増大、臓器移植問題、医師不足など、命に不安を覚える出来事が多かった。

 




2007年・この一年


団塊世代の大量退職
 約680万人と言われる団塊世代が定年退職の時期を迎え、その消費行動に注目が集まった。
 しかし年金の記録漏れや、コムスンの事件で介護制度への不安感で第二の人生を謳歌しているのはほんの一部のようだ。
 健やかな老後を長く楽しむために脳トレやジョギングでボケ防止に励んでいる。

年金記録もれ
 年金記録漏れ5000万件、超怠慢組織・社会保険庁の悪行三味は底なし泥沼状態。
 真面目に保険料を払っていた国民はたまったもんじゃない。

安倍政権、発足1年を待たず崩壊
 久間防衛相の「原爆投下はしようがなかった」発言。柳沢厚労相の「.産む機械」発言。松岡農水相の自殺。赤木農水相の絆創膏・・・・閣僚の奇行・愚行に振り回された安倍内閣は、ついに自身が国民には理解しがたい形で幕引きした。
 そして9月に第91代内閣総理大臣に福田康夫氏が就任した。

第91第内閣総理大臣
福田康夫

格差社会
 定職も定住地も持てず、24時間営業のインターネットカフエを泊まり歩く「ネットカフェ難民」が増えている。大都市圏では外資系ラグジュアリーホテルや高級ブランドショップが次々と登場している。
 一方では働いても働いても豊かになれなず病気しても医者にも行けない人たちが増加している。

どこへ向かう教育改革
 安倍内閣の最重要課題の一つであった教育改革は、ゆとり教育から一転、授業数増加への方向転換や、不適格教師を減らすべく教員免許更新制が導入されるなど成果をあげた。
 一方で、給食費を払わなかったり学校にムチャな要求したりする「モンスターベアレンツ」が存在し、そうこうしている間に、親や兄弟を殺したり、いじめで友達を自殺に追いやったり、子供の心がどんどん崩れているような・・・・。
 道徳教育の必要性が言われているが学校だけに任せておくべきでなく、むしろ家庭、両親の再教育が肝心なのではないだろうか。

資源エネルギー獲得競争
 原油価格の高騰や温室効果ガス削減に向けた取り組みなどにより、原子力エネルギーへのシフトを進めている国が増えている。
 日本はすでに電力の4分の1を原子力で賄っているが柏崎刈羽原発が中越沖地震の影響で運転停止となり猛暑の中首都圏ではあわや停電という事態となった。
 世界はバイオエタノール・ブーム。食料より燃料にまわり、価格は上昇の一途をたどっている。

食の安全
 食べ物の価格が上がると困る、安くても中国産は信用できない。
 日本産も結構怪しい、不二家が消費期限切れの牛乳を使ったシュークリームを製造。
 食の宝庫、北海道では、ミートホープの牛ミンチ偽装に続き石屋製菓による「白い恋人」の消費期限改ざんが明るみになり北海道ブランドが揺らぐ中、比内鶏、山形屋、船場吉兆と一連の地鶏偽装で「ブランド食品」の胡散臭さを感じさせた。老舗の「のれん」もまたしかり、赤福の餡の使いまわしはリサイクルブームとは言え勘弁願いたい。

道路交通法罰則強化
 飲酒運転やひき逃げに対する罰則が強化された。運転者のみならず、酒の提供者や同乗者らへの罰金をアップ。
 酔っ払いが運転する車はまさに走る凶器である。

激震・相撲協会
 腰痛の治療のために巡業を休んでモンゴルに帰った朝青龍が地元でサッカーイベントに参加していたことがバレて2場所休場。
 角界を揺るがす事件はこれにとどまらず時津風部屋の若手力士が稽古中に亡くなり、親方はじめ兄弟弟子達の暴力が原因であった。
 日本の国技も枯れてきた、スポーツマンシップが聞いて呆れる。それにひきかえ「ママでも金」を果たした谷亮子は立派だ。

2007年・今年の漢字
 1、相次ぐ食品偽装問題
   食肉や野菜の産地偽装、加工食品の原材料偽装、大手菓子メーカーやファーストフード店の賞味期限改ざんなど身近な食品に次々と偽りが発覚した。
 2、政界に多くの偽り
   年金記録に偽りが見つかって不安になったことをはじめ、政治活動費の偽りや、官庁の裏金工作が発覚し国民への「偽り」を。
 3、老舗にも偽装が発覚
   歴史と伝統を誇る老舗の土産品、名門の老舗料亭にも賞味期限改ざんや仕入れ品に偽りが発覚。「ああ、お前もか」とため息が出た。
 4、他にも多くの業界に「偽」が目立った                    年
   耐震偽装、人材派遣会社の偽装請負事件、英会話学校の偽装など多くの業界に偽りがみっかった。




2008年・この一年   

原油価格乱高下
 年明け早々、1バレル100ドルを突破しニューヨーク原油先物相場は、その後も値上がりを続け7月には147ドルを突破した。
 金融不安が表面化した8月以降は値を下げ、11月中旬には60ドルを割り込むという激しい値動きを見せた。
 漁業者はコストが合わないとして、一斉休業をして窮状を訴えた。

世界を覆う「100年に一度」の金融不安
 サブプライム・ローン問題に端を発したアメリカの金融不安は各国に飛び火し、世界同時株安を引き起こした。
 日本でも日経平均株価が7000円を割り込み、バブル後最安値を更新する事態となった。
 一方、各国通貨が下落する中、日本円の価値が急上昇し海外旅行には追い風だが、輸出企業には大きな痛手となり業績の下方修正が相次いだ。

目指せエコ大国ニッポン
 短時間に大量の雨が降る「ゲリラ豪雨」が各地で発生し、川遊びの小学生や下水工事の作業員が流され犠牲となった。
 これも地球温暖化の影響かと言われた。
 北海道洞爺湖町で開かれた主要国首脳会議で2050年までに温室効果ガスを半減させるために主要8ケ国が率先して削減に努める決意を表明した。
 個人の利便性・快適性を保ちながらエコ生活を実現する技術開発が「物づくりニッ゜ン」の未来に望まれる。

無くならない「食」をめぐる問題
 
中国製冷凍食品の毒物混入事件を皮切りに、うなぎの産地偽装、事故米の食用転売等々、食の安全・安心を脅かす事件が相次いで表沙汰となった。
 食料の6割を輸入に頼っている日本で輸入に頼らない生活は無理としても「国産なら安心」という常識も揺らいだ。
 農業・漁業を含め食品に関わる産業が「もうかる産業」にならないと食の安全性の向上や自給率の上昇は期待できない。

北京オリンピック 
 なにかと話題の多かった中国で初めて開催されたオリンピックは、四川大地震やチベット問題など、さまざまな問題を抱えながらも大きな混乱もなく閉幕した。
 日本選手が獲得したメタルは金9個、銀6個、銅10個で史上最多となった、若い日本選手の活躍が脚光を浴びたことも大きな成果であった。
 一方、五輪観戦ツアーヤ大型テレビ等のオリンピック商戦は、もうひとつ盛りあがらなかった。
 レジャーも消費も不調に終わった夏であった。

消費不況の中でも元気な小売業は?
 高級ブランドの在庫品やB級品などが低価格で販売する「アウトレット・モール」が人気を集めた。
 また食料品価格の高騰により、割安なスーパーのプライベートブランド商品が消費者に受け入れられた。

ノーベル賞、日本人トリプル賞の快挙 
 物理学賞3名、科学賞1名、のノーベル賞受賞者が誕生した。
 日本人受賞者はこれで16名となった、1度に4名はかつてない快挙といえる。
 最近、自信喪失気味の日本人にはうれしい話題となった。

追加経済対策の実行性は?
 急速な景気減速を受け麻生内閣が発表した追加経済対策は、事業規模27兆円と過去最大規模となる。
 給付金支給、高速道路の料金割引など、その効果に関しては様々な意見があるが景気回復の糸口となることを期待する。

第92代内閣総理大臣
麻生太郎
                                     

2008年・今年の漢字
 1、日米の政治に変化
   
アメリカの変革を訴える、民主党のバラグ・オバマ氏が次期大統領に決定。
 2、世界的な金融情勢変動
   
アメリカのサブプライムローン問題、リーマンブラザーズの倒産を発端とした世界的金融恐慌
 3、生活に不安を覚えた一年
   
ガソリンの価格変動、物価が上昇し生活が苦しい方向に変わり生活に不安を覚えた。
 4、世界的気候異変
   
世界的な気候異変による地球温暖化問題の深刻化。
 5、明るい未来に期待を込めて
   
来年は世の中も自分達も新しく変わって行き、希望のある社会への期待。

                                                               文責 的場宣明


2009年・この一年   

政権交代の風
 パラグ・オバマ氏が黒人として初めてアメリカ大統領に就任した。”chnge”の旋風は日本にも吹き荒れ、真夏の大決戦となった衆議院選挙では、民主党が「政権交代」をキーワードに子供手当や高速道路無料化などのマニュフェストを掲げ大勝利した。
 敗北した麻生内閣は総辞職し鳩山内閣が誕生した。マニュフェストの実現と財源確保の狭間で揺れる政権の行方を見守りたい。

雇用情勢の悪化
 「年越し派遣村」で幕を開けた2009年。有効求人倍率、完全失業率は過去最悪を更新した、非正規社員から始まった雇用調整の波は正社員にもおよんだ。
 内定取り消しの憂き目に遭った若者は1.200人以上と雇用情勢は厳しさを増している。政府は緊急雇用対策をまとめ年内に約10万人の雇用を創出することを発表したが具体性に欠けるといった指摘もある。
 私たち国民の生活基盤である雇用環境をどう立て直すのか生活者の目線をうたう民主党政権の手腕に期待したい。

追加経済対策
 深刻さを増す景気悪化に歯止めをかけようと過去最大となる事業規模56兆円の追加経済対策が実行された。
 バラマキと批判された定額給付金に始まりETC搭載車は土日・祝日で高速道路乗り放題。さらに、エコカー減税と新車購入時の補助金制度、環境に配慮した家電購入のエコポイント付与など大判振る舞い。ブームのようにハイブリット車が売れ、高速道路では停滞が発生した、果たして景気の底上げにつながったのか、その効果は疑問符がつくものもある。

消費者の節約志向と企業の明暗
 長引く不況に消費者は節約志向を一層強めモノが売れない時代を迎え小売業界は大苦戦。「安さ」が最大の武器とばかり各社は値下げ合戦を繰り広げたが消費者の財布の紐は緩むことなく結局自分たちの首を絞める結果となった。一方、ユニクロやニトリなどは好業績を維持した。消費者に「欲しい」「買いたい」と思わせるには、小売業界の戦いはまだまだ続く。

身近に迫る恐怖、新型インフルエンザ
 メキシコからアメリカ、欧州、オセアニアへと拡大した新型インフルエンザ。5月には日本でも初の感染者が確認され6月には世界的に流行が宣言された。
 未知のウイルスに様々な情報が交錯し一時は店頭からマスクが消えた。10月からワクチン接種がスタートした。しかし、ワクチンの数が足りないなと当初の計画どおり接種が進むか不透明である。本格的流行が懸念される季節に入り不安は残されたままである。

裁判員制とスタート
 5月に裁判員制度がスタートし、私たち一般市民は刑事裁判に参加する権利を得た。8月の東京を皮切りに全国各地で次々と裁判員裁判が行われている。
 一見順調なスタートと思えるが実際は辞退希望者が相次ぎ国民の参加意欲は決して高いとは言えない。
 裁判員には厳しい守秘義務が課せられるうえ「人を裁く」ことへの抵抗感は根強い。精神的負担を考えると心のハードルは高いようだ。

核軍縮と平和への道のり
 近くて遠い国、北朝鮮。4月に長距離弾道ミサイルを発射、6月には2度目の核実験と続けて国際社会を挑発し、6カ国協議の離脱を表明した。
 この態度にアメリカは制裁処置の1年間延長を決定。日本もミサイル防衛システムによる迎撃も辞さない構えを見せるなど強い態度を示した。
 オバマ大統領は北朝鮮問題以外にもミサイル防衛を巡って緊迫状態にあったロシアとの関係修復に努めるるなど「核なき世界」を実現する道筋を示した。
 その姿勢が評価されノーベル平和賞が授与された、心から平和を願う世界中の期待が込められている。

第93代内閣総理大臣
鳩山由紀夫
 

2009年・今年の漢字
 1、政権交代、新内閣誕生。
   
新内閣が発足し政策、行政が刷新された。
   米国ではオバマ新大統領が就任した。
 2、新制度がスタート。
   裁判員制度や高速道路料金割引制度などがスタートした。
 2、イチロー新記録。
   米大リーグ・マリナーズのイチロー選手が9年連続200安打の新記録を樹立した。
   水泳競技で新記録が続々誕生した。
 3、新型インフルエンザ。
   新型インフルエンザの流行で新薬が登場した。

                               文責 的場宣明




2010年・この一年   

円高に苦しんだ日本経済
 年明け以降、緩やかながら回復しつつあった日本経済。しかし、欧米経済の先行き不安などから円相場が急伸し、一時1ドル80円をつけ、15年ぶりの円高水準となった。
 輸出採算性の悪化といった悪影響が懸念されるなか、政府・日銀は6年振りに円売り介入を実施、さらに、日銀は4年振りにゼロ金利政策を復活させた。
 ただし、現状は経済や市場の先行きに明るい兆しが感じられない。

不安定な政治情勢
 政権交代から1年。子供手当や高校無償化、高速道路無料化など、マニフェストに沿った政策実現を目指した鳩山首相(当時)だったが、普天間基地移設問題を巡って迷走し、結果的に社民党の連立政権離脱を招いた。さらに、「政治とカネ」の問題もあり6月に責任をとって辞任した。
 その後発足した菅政権は国民からの期待を集めるも7月の参院選で大敗、9月の党代表選では小沢氏との一騎討ちに勝利した菅首相だが参院”ねじれ国会”の中で引き続き難しい政権運営を強いられている。

第94代内閣総理大臣
菅 直人

隣国との関係をどう築くか
 7月に中国人の個人観光ビザ発行要件が緩和され訪日中国人観光客は増加傾向にあった。日中の交流活性化に期待が高まっていたが9月に起こった尖閣諸島沖の漁船激突事件で両国の関係は急激に悪化、工業製品の多くに使われているレアアースの輸出制限など中国の強硬姿勢に日本は大きく揺さぶられた。
 また、”近くて遠い国”北朝鮮では、金正日総書記の三男、金正恩氏が事実上の後継者に決定。中国の台頭や北朝鮮の動向が我が国に及ぼす影響は小さくない、変化し続ける隣国との関係をどう築くか、国際社会と連携しながら検討していくことが求められる。

身に迫る災害の恐怖
 今春、宮崎県南部を中心に猛威をふるった家畜伝染病の「口てい疫」県の宝と言われる種牛を含め30万頭近くの牛や豚が殺処分された。
 宮崎県は数千億円に上る経済損失を受けた。
 地元農家や地域経済の再建には今後かなりの時間を要すると思われる。

今年の夏は暑かった
 梅雨明け以降、毎日35゜Cを越す猛暑日が続いた今年の夏。偏西風の蛇行とラニーニャ減少が原因とされる。
 気象庁によると「戦後もっとも暑い夏」であったとのこと、熱中症で医療機関に搬送された人は全国で五万人に達した。
 熱中症対策商品が売れる一方、野菜価格の高騰やコメの品質低下などの悪影響も報じられた。
 今冬は猛暑から一転、厳しい寒さが予想されている。近年の厳しい気候変動は地球からの警鏡と言えるかもしれない。

検察の信頼はどこへ
 大阪地検特捜部による証拠改ざん事件。
 国民の刑事司法に対する信頼が大きく揺らいだ、さらに、小沢一郎氏の政治資金規正法違反容疑について、検察が嫌疑不十分で「不起訴」としたものの検察審議会は2度にわたり「起訴相当」と判断。小沢氏は強制起訴されることとなった。
 国民が抱く疑念を今後どのように払拭してゆくのか、検察は正念場を迎えている。

世界に示したジャパンパワー
 南アフリカ共和国で開催されたサッカーワールドカップで岡田ジャパンは見事16強入りした。
 また、メジャーリーグで活躍を続けるイチローが10年連続200本安打を達成した。
 スポーツ以外では、宇宙に飛び立ったママサン飛行士の山崎直子氏や、第78回ノーベル科学賞を受賞した鈴木章氏、根岸英一氏など世界における日本人の活躍が目立った。
 将来に不安を抱く若者が、こうしたニュースに少しでも夢と希望を持ってくれることを願うばかりである。

2010年・今年の漢字
 記録的な「猛暑」日の連続により、熱中症にかかる人が続出、「暑さ」対策の支出と野菜の価格高騰が消費者の生活を直撃した。
 自然界では魚介類の不魚や、山で餌不足となった動物が人里に出没し、いつまでも続く「酷暑」に地球温暖化の警鏡を感じた。
 「はやぶさ」は大気圏突入時の猛烈な「暑さ」に耐え、無事帰還し、日本の未来への希望を届けた。

                               文責 的場宣明

2011年・この一年

東日本大震災
 3月11日、太平洋三陸沖を震源とする国内観測史上最大のマグニチュド9.0の地震が発生した。
 地震や津波による建物崩壊、液状化など甚大な被害が東日本の太平洋側を中心に広範囲に及んだ。死者・行方不明者は約2万人に上り戦後最大の自然災害となった。
 また、サブライチェーンの寸断や生産の停滞による影響は、日本だけでなく世界経済にも及んだ。
 さらに、東京電力福島第一原子力発電所では冷却装置が停止し炉心溶融が発生、水素爆発によって多量の放射性物質が外部に飛散した。
 福島第一原発から半径20キロメートル圏内は一般市民の立ち入りが禁止されたほか農林水産業や製造業、観光業など多くの産業に直接被害や風評被害をもたらした。

原発停止、電力供給不安
  東京電力福島第一原子力発電所の事故は、他の停止している原発の運転再稼働にも影響を及ぼし、電力不足やエネルギー政策の見直しへつながった。
 東京電力管内では電力需給がひっ迫し計画停電が実施された。西日本でも電力不足問題が生じ、夏場は大口需要家に対し電気の使用制限が実施された。
 産業界では休業日や始業時間の変更、鉄道の間引き運転などの対応をとった。
 家庭でもエアヒンの設定温度を高めたりLWD電球に交換など節電への取り組みが浸透した。

混迷する政治
  管直人首相は、震災や原発事故対応への不手際や、リーダーシップの欠陥から党内外からの対人要求が高まり在任期間1年3ケ月の短命政権であった。
 民主党モニフェストの目玉とされた高速道路の無料化や子ども手当は震災復興を優先させるため見直しを余儀なくされた。
 9月に野田佳彦氏が首相に就任した。TPP問題など国内外に難問が山積しており、今後も厳しい政権運営が続くとみられ野田首相のリーダーシップに期待がかかる。

第95代内閣総理大臣
野田佳彦

自然災害の多発
  年始に山陰や北陸など日本海側で豪雪となり鉄道や道路がマヒした。
 1月には宮崎・鹿児島県境にある新燃岳が52年ぶりに大噴火し降灰によって農作物被害が発生した。
 また、7月には梅雨前線による新潟・福島豪雨、そして、9月の台風12号では西日本中心に大雨や土砂災害が発生した。
 当地においても笹が瀬川が増水し南区に避難勧告が出され、芳明小学校に一部住民が避難した、また、一部家屋に床上・床下浸水の被害が発生した。

女子サッカー「なでしこジャパン」W杯初優勝
 6月末からドイツで開催された2011FIFA女子ワールドカップに日本代表「なでしこジャパン」が出場。決勝トーナメントでは大会3連覇を狙う開催国ドイツに延長戦で勝利し、決勝は世界ランキング1位のアメリカをPK
戦の末に破り優勝を飾った。
 大会後、日本政府から国民栄誉賞が授与され、11月には女子団体スポーツでは初の紫綬褒章が授与された。
 暗い話題が多かった中で国民に希望を与える明るいニュースだつた。

八百長問題で大相撲本場所が中止
 力士の携帯電話メールから、本場所取組での八百長問題が発覚した。
 放駒理事長は協会存亡の危機と述べ八百長があったことを認め謝罪した。
 幕内力士を含む20名以上の力士引退勧告、現役時代に八百長に関与した親方も解雇処分した。
 春場所は中止され、夏場所も「技量審査場所」として開催された。

その他
  円高が進行し戦後初となる1ドル75円台を記録し輸出産業にとっては厳しい年となった。
 ネット分野では、ソニーの「プレイステーションネットワーク」への不正アクセスによって合計1億人以上の個人情報が流出したほか、政府や防衛関連企業への「サーバー攻撃」も多発し問題となった。

2011年・今年の漢字
 東日本大震災や紀伊半島豪雨などの大規模災害で、家族や仲間との絆の大切さを改めて心に残った。
 ワールドカップで優勝した女子サッカー日本代表「なでしこジャパン」のチームワークに心した。




2012年・この一年

政治・行政
 ★ 東日本大震災からの復興を担う復興庁が発足。(2月)
 ★ 整備新幹線3区間(新函館〜札幌、金沢〜敦賀、諌早〜長崎)の着工認可。(6月)
 ★ 消費税増税を柱とした社会保障と税の一体改革関連法案成立。(8月)
 ★ 政府が尖閣諸島の魚釣島など3島を国有化。(9月)
 ★ 民主党の代表選で野田首相が再選、自民党の総裁選で安倍元首相が当選。(9月)
 ★ 衆議院が解散し総選挙の結果、自民党が圧勝し安倍晋三総裁(58.才)が第96代首相に就任。(12月)
     自民・公明両党連立の第2次安倍内閣が発足

第96代内閣総理大臣
安倍晋三

経済産業
 ★ 運用実績の虚偽記載などでAIJ投資顧問に金融庁が業務停止めいれい。(2月)
 ★ 北海道電力泊原発3号機の発電停止により1970年以来42年ぶりに国内原発が全停止。(5月)
 ★ その後、関西電力大飯原発が再稼働し、原発による電力供給が再開。(7月)
 ★ 東京電力再建のため実質国有化を受け入れることを株主総会で決定。(6月)

社会
 ★ 東京大学が秋入学への全面移行を提言。(1月)
 ★ H2Aロケットで初の商業用衛星打ち上げに成功。(5月)
 ★ 東京スカイツリー開業。(5月)
 ★ 三笠宮家寛仁様ご逝去。(6月)
 ★ 国際的なハッカー集団「アノニマス」が政府機関などのホームページをサーバー攻撃。(6月)
 ★ 京都大学山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞を受賞。(10月)

2012年・今年の漢字
 ロンドンオリンピックでの過去最多でのメダルラッシュ、山中伸弥のノーベル賞受賞など数々の「金字塔」が打ち立てられた。他にも932年ぶりに全国的に観測された金環日食、自立式電波塔として世界一の高さとなった東京スカイツリーの開業、消費税生活保護など金が関わる問題の多発など。「金」は2000年にも選出されており、初めて複数度選出された漢字になった。



2013年・この一年

2013年十大ニュース(山陽新聞特集より)

 参議院選挙で自民党圧勝、「ねじれ」解消
  7月21日の参議院選挙で自民党が圧勝した。公明党と非改選議席を合わせて参議院の過半数となった。
  昨年12月の衆議院選で自民・公明が圧勝して誕生した安倍晋三政権は、衆参の多数を占め「ねじれ」を解消した。
  自民党一強状態に「数による強行政治」が目立った。
 特定秘密保護法が成立、国家安全保障会議を設置
  機密漏えいに最高で10年を科する特定機密保護法が自民・公明の賛成多数で成立した。
 2020年の東京オリンピック開催決定
  国債オリンピック委員会総会が9月7日にブエノスアイレスで開かれ、東京が20年の第32回夏季オリンピック大会の開催都市に選ばれた。
  1964年以来56年ぶりで、アジアでは初の2度目の開催年となった。
 来年4月より消費税率8%に引上げが決定
  政府は10月1日、消費税率を来年4月1日に予定通り5%から8%へ引き上げることを閣議決定した。
  増税は97年4月以来である。
 「アベノミクス」で円安株高に
  異次元の金融緩和もあり、昨年の政権交代前に1ドル80円を切っていた円相場は12月に一時105円台に。
  日経平均株価も8000円台だったが1万6000円を一時回復した。
 環太平洋連携協定交渉に参加
  安倍首相は3月15日、環太平洋連携協定交渉への参加を正式に表明した。
  米、麦、牛・豚肉など5品目の関税の取扱いが焦点で、決着は来年に持ち越された。
 東京電力福島第1原発で汚染水漏れが起こり対策に国費を投入
  東京電力が8月、福島第一原発の貯蔵タンクから汚染水300トンが漏れたと発表。
  原子炉建屋地下などにたまる汚染水も海に流失しており、除染対策を併せ国が前面に出ると表明した。
  原発周辺地域への全員帰還は難しく、移住を含めた抜本対策が検討される。
 日中・日韓関係が泥沼化、安倍首相護国神社参拝
  安倍首相は年末に靖邦神社を参拝、領土問題をめぐる対立もあり、中国、韓国との対話が求められる。
 プロ野球で東北楽天が日本一に、田中投手が24連勝の新記録
  プロ野球の楽天は日本シリーズで巨人を破り球団創設9年目で初の日本一になった。
 衆参1票格差に初の無効判決、最高裁は衆議院違憲状態
  「1票の格差」が最大2.43倍の昨年の衆議院選挙、最大4.77倍の今年7月の参議院選挙をめぐる訴訟は各地の高裁で違憲判決が相次ぎ、初の選挙無効の判断も出た。

2013年・今年の漢字
 2020年、東京五輪の開催決定や、富士山の世界文化遺産登録、サッカーW杯への日本代表の出場決定など「日本中が輪になって歓喜にわいた年」であり、台風など相次ぐ自然災害にも支援の輪が広がった。