世 界 遺 産 (ロシア編ー3・モスクワ

  黄金色の寺院、850年の歴史、ソ連からペレストロイカへと数奇な運命をたどるロシア連邦の首都「モスクワ」を文豪
  
トルストイは「母なる町」と呼んでいる。  たしかに、悠然たるモスクワ川の畔にそびえるクレムリン、そして赤の広場
  レーニン廟、黄金に輝く寺院など歴史を語るすべてのものが存在している。ロシア人は、誰でもモスクワを「母なる町」
  と感じるという。
  
  モスクワは、
12世紀に築かれた木造の城塞(クレムリン)を起源とし、その北東側の城壁に面して広がる赤の広場
  商取引の場所だったようだ。当時の意味は
「美しい広場」と呼ばれていた。 ロシアといえば真っ先に思い浮かぶ場所
  「赤の広場」は、時に戦場となり、数々の事件の舞台ともなっている。
  赤の広場は、長さ700m、幅130mの長方形の広場で、中央には演壇を備えた
「レーニン廟」がある。また、イワン雷帝
  が建立したカラフルで美しい
「聖ワシリー聖堂」もシンボリックに存在する。 残虐なイワン雷帝は「これほど美しい聖堂
  を二度と造れないように・・・」とこの建築家たちの目を潰すしてしまったという。

  クレムリンの城壁の長さは2200m、面積28万uと広大。内部には、サボールナヤ広場を中心に皇帝の戴冠式が行わ
  れた
「ウスペンスキー大聖堂」、 皇帝廟のある「ブラゴヴェンチェンスキー大聖堂」 など金色の円屋根をもつロシア
  正教の寺院が立ち並ぶ。また、帝政ロシア時代の宝物を展示する「武器庫」、世界最大の鐘「鐘の皇帝」、クレムリン
  大会宮殿などの見所も多く、十二分に楽しませてくれる。

  モスクワの近郊には、
「コロメンスコエ」「アルハンゲリスコエ」などの美しい自然が広がる。15世紀ころは、皇帝が
  宮殿を構えた場所でもあり、古典様式の宮殿や庭園、池など往時を偲ばせてくれる遺産も見られる。
  
                   ・・・・・今回は、クレムリン周辺の歴史地区を巡る。

赤の広場・・・思っていた程広くはなかったが、広場中央が盛り上がった石畳の周囲を重厚な建物が囲む。

クレムリンの外壁監視塔・・・要塞として完璧な構えだ。

聖ワシリー大聖堂・・・現在は色彩豊かだ、17世以前は金色だった。

グム百貨店・・・広場に面した市内最大の高級店。飲食OK!

衛兵の交代式典

トロイツカヤ塔
・・・クレムリンへの入り口にある最も高い80mの塔。

サボールナヤ広場に続くクレムリン内部・・・大統領府や寺院が連なる

大統領府

ウスペンスキー大聖堂・・・皇帝の戴冠式が行われた。生神女のイコンが有名。

大砲の皇帝・・・1586年に鋳造された大砲。口径89cm、重さ40t。

鐘の皇帝・・・イワン大帝の200t鐘楼は世界最大。火事で一部欠けた。

ブラゴヴェシチェンスキー聖堂・・・モスクワ大公の私的聖堂。

イワン大帝の鐘楼・・・イタリアの建築家による八角形の建物。

市内にある高級マンション・・・モスクワには数多く見られる

道路は広いが時間帯によっては、車の渋滞がひどい。
コロメンスコエ・・・モスクワ郊外でかつて皇帝が宮殿を構えた、豊かな自然と木造建築が残る。

広大な庭園が続く

古き良き時代を象徴するロシアの木造建築

ヴァズネセニエ教会・・・1532年の建築で皇帝一族の夏教会。

カザン聖母教会・・・青いドームと白亜の壁が美しい。


世 界 遺 産 (ロシア編ー2)

  モスクワの北東には、12〜13世紀より栄えた趣のある古都がいくつか点在している。 これらをつないで行くとほぼ環状
  になることから「
黄金の環」といわれている。 石造の美しい聖堂が多く残るウラジミールスズダリさらにはロシア正教
  会の聖地である
セルギエフ・ポサードは、カトリック教との違いを見せる聖堂など印象に残る町である。
  これらの古都のうち、修道院文化全盛期の中世の街並みを最もよく保存しているという
スズダリは、農村風景の中に突如
  現れる中世の町並みと50近くの宗教建設群で埋め尽くされる様子はまるで博物館地帯。特にスズダリには、ロシア各地
  から
木造建築物が移築され野外博物館となっていることも事実のようだ。黄葉の秋に訪れたのも旅行者には最高だった。
  
ウラジミールにはキエフの優秀な職人たちが集まって芸術家集団を形成していた。彼らの手によるこの地方独特の繊細
  で美しい
石灰岩の白い外壁に細かい浮き彫り装飾は見ものである。14世紀、モンゴルの支配下にあったロシアを結集さ
  せてモンゴル軍を破る功績をたてたのが
セルギー。 この英雄を祀る「セルギエフ大聖堂」を中心にロシア正教会の聖地
  となっているため、年中各地から信者で賑わうという。・・・・・今回は、モスクワ郊外の古都「黄金の環」歴史地区を巡る。
ウラジミール・・・大公国の首都として北東ロシアに輝いた街

ウスペンスキー大聖堂・・・金色の丸屋根が美しい石灰岩建築

大聖堂の天井フレスコ画を描いたアンドレイの像

黄金の門・・・12世紀、首都を防衛するために建設。現在、軍事博物館。

ロシア土産といえば、マトリョーシカ(多いものは10個以上)
ルーツは、日本から持ち帰った七福神入れ子人形というから、驚きだ。


聖ドミトリエフスキー聖堂・・・外壁のレリーフが素晴らしい

大聖堂のある丘から見下ろす(のどかな風景の中に鉄道貨車が見える)
スズダリ・・・のどかな風景が広がる中世のおとぎの国・

リスボロジェンスキー修道院(クレムリン敷地)

クレムリンの中心宮殿

パソ・プレオブランゼェンスキー聖堂の内壁画

変わった音色を放つ三連鐘楼

クレムリンの外周
三方を川が囲む天然の要害にクレムリンが築かれ、今も土塁が残る。

スパソ・エフフィミエフ修道院
 
からす・・・羽根が黒くない             庭園の花

市内で見かけた教会
セルギエフ・ポサード・・・ロシア正教の聖地として栄えた街

大聖堂の鐘楼(87個の鐘をもつ)

トロイツェ・セルギエフ大聖堂

皇帝の宮殿

トロイツキー聖堂

ウスペンスキー大聖堂

教会美術品の博物館

コロメンスコエ(皇帝の宮殿跡)の入り口

コロメンスコエ・・・15〜17世紀、皇帝の宮殿があった


世 界 遺 産 (ロシア編ー1)

ヨーロッパでもアジアでもないロシアという名の大地。 大自然、美しい古都、歴史ある宮殿や教会、玉ねぎ坊主形
屋根の聖堂など多くの見どころが残されている
サンクト・ペテルブルグ(旧レニングラード)は、ヨーロッパとは一味
違った中世の都を甦らせてくれた思います。
キエフに始まったロシアの歴史は、モンゴルの襲来をうけ続けるが、15世紀イヴァン3世によってモスクワ大公国
として独立。その後、
ロマノフ王朝の時代を迎えて大繁栄。この時、ピョートル大帝は、ロシアの西欧化を目指して
首都をサンクト・ペテルブルグへ移した。しかし、皇帝の戴冠式は
モスクワのウスペンスキー大聖堂で行なわれる
など、以後2つの都で新しいロシアの幕開けを迎える。・・・・・今回は、サンクト・ペテルブルグ周辺の歴史地区を巡る
  
ピョートル大帝夏の宮殿
 フランスのヴェルサイユ宮殿を真似て建設。800万uという敷地は殆どが庭園で、その中心に「大宮殿」が建てられた。宮殿正面の大噴水他64
 の噴水は今でも定期的に水を噴き上げ観光客を楽しませる。また、その噴水は自然の流れを利用したもので、動力なしの設計と言うから驚きだ。
真直ぐにフィンランド湾へ続く水路は大帝自身のアイデアという。 聖書の英雄サムソン像(金色の彫刻群)の噴水とテラス前の滝。
とにかく広い庭園は紅葉に染まり、特に美しい。 自慢の噴水庭園前で、ちょうどモデル撮影が行なわれていた。
宮殿裏の人工池にも、多数の噴水と聖書の英雄像がある。 庭園を散策中、清掃作業員が取っていた食べられると言うキノコ

エカテリーナ宮殿
ピョートル大帝が皇妃エカテリーナのために建てたバロック調の豪華な宮殿。55の続き部屋は圧巻で、宮殿の広さを見せつける。
青い外壁に白い円柱、随所に金箔が散りばめられた宮殿は、イタリアの著名建築家の設計。この宮殿はロシア女帝の権威の象徴であろう。
宮殿中庭もフランス風であるが、少し質素。 舞踏会の音楽が聞こえてきそうな大広間「玉座の間」。
内部の調度品は目を見張る品ばかりだが、古代ローマを
モチーフにしたという「緑の食堂」は、見どころの一つ。
アジア美術品収集の間・・・日本の古伊万里焼もある
金箔を貼り詰めたの55の部屋が続く通路は長い。 琥珀の間・・・最大の見所で、部屋全体が琥珀で飾られている。

エルミタージュ美術館(世界3大美術館)・・・ロマノフ王朝時代の権力の結晶。
ロマノフ朝の財宝とソ連誕生後に国有化されたコレクションで溢れる世界3大美術館のひとつ。300万点を超えるという収蔵品は
地域、年代別に展示されていて見学し易い。エルミタージュとはフランスで「隠者の庵」と呼ばれ、エカテリーナの愛人が居住したという。
玉座間・・・歴代皇帝が公式レセプションを行なったホール。
  かつては「大玉座」のみが置かれていたという。
ピョートル大帝の間・・・正面にあるのは古代ローマの勝利の女神
「ミネルヴァ」に見守られるピョートル大帝の絵。椅子はイギリス製とか。
皇帝に謁見に来た大使たちが上がった大理石の階段として有名。 古代ローマ遺跡のモザイク画を再現した床(パヴィリオンの間)
壁に絵画、中央に彫刻など名作に圧倒されるて疲れる。 倉敷の大原美術館にある名作と同じポーズ(3点あるとか)
大理石彫刻・・・不思議な尾を持つイルカ? に助けられる少年 エルミタージュ美術館の宮殿広場。中央のアーチはローマの
凱旋門を模して造られた。   後ろは、旧参謀本部の建物。
サンクト・ペテルブルグの市内観光
ここを訪れるなら、やはり夏がベストらしい。 賑やかな昼間の観光地と幻想的な白夜の街並み、二つの顔を持つ街は時間が足りない。
白夜の雰囲気に運河クルーズも良い、新聞が十分読めるほど明るい夜10時まで運行している。暗くなる時間が2時間程度の季節もあるらしい。


イサーク大聖堂

イサーク大聖堂の内部
大帝の守護聖人「修道士イサーク」を祀る聖堂で宗教画が多い。 聖堂内部はロシア宗教美術の宝庫、天井画は「最後の審判」。

ロシア正教の寺院「スパーク・ナ・クラヴィー聖堂」


ロシア正教の顔・・玉ねぎ坊主形のドーム
「血の上の聖堂」を意味する聖堂。1881年に皇帝が爆弾を投げつけ
られて死亡、その場所に建てられた。玉ねぎの変形したドームは美しい。
東方正教を源とするロシア正教は15世紀に独立、独自のキリスト
教文化を築く。その象徴の玉ねぎ坊主も時代とともに変化している。

旧海軍省

スモールムイ聖堂
前庭に大砲や武器が並び異様な雰囲気。 エリザヴェータ時代に建てられた聖堂と修道院、。ロシア初の女学校。

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