津倉わいわいESDの9月講座会 「二宮金次郎とは・・・」

   9月22日(木)二宮金次郎の研究本を発刊された植田心壮先生を講師に迎えて、校庭に現存する金次郎像
  の様子と二宮尊徳といわれる人間像について講演会が開催されました。  

  植田先生は、校長として赴任した岡山市立曽根小学校で最初に出会ったのが「二宮金次郎像」ということで、
  ここから二人のお付き合いが始まったとか。退職後、岡山市内中心に30校を巡り金次郎像の取材を行ない、
  生誕地の小田原市へも出向いて地元の扱いや人間像を探って来たということです。
                 

  講演は、最近見かけないと言われながら今なお多くの小学校校庭に鎮座する「二宮金次郎像」の実情レポート
  (材質、着衣、体形、文字の有無・・・)を楽しく話してくださいました。像の製作は、昭和初期から15年頃
  まで盛んだったようで安価な備前焼が多く使われたようです。他にも石造り、木製、ブロンズ製などがあるよう
  ですが断然に陶製が多い。
  着衣は、スカート式の短いものとモンペ式の長いズボンに分かれる。本を持つ手も両手、片手に分かれる。また
  本に文字が刻まれた希少なものもあり、作者の個性も垣間見られるようです。
  
興味深かったのは、これだけ全国に普及しながら公費で設置されたものは皆無、全て地域の人が寄贈したもの
  という。尊徳の教えに反対する教育者もいて学校教材に使用されたこともなかったようだ。
  
しかし、出身地の小田原市では尊徳の教えを選挙演説に使わない議員は当選しないとか・・・。

  そして最後に尊徳の教えを歌詞に入れた唱歌「二宮金次郎」を歌って
「現代にも通用する二宮尊徳の生き方を
  見ていただきたい。」
と講演を締めくくられた。



津倉わいわいESD」より講演会の開会挨拶

講師:植田心壮氏のご挨拶
 
小学生の子供たちの参加も見られる
植田先生の現地レポートは、ウイットに富んだ話で楽しかったと・・・。

備前焼の窯元による作品ポイントを解説!

昨年末に発刊された著書
16歳で両親と死別した後、二宮家復興のために勤労と勉学に
励み農家の出身でありながら、小田原藩士に上りつめる。

最後に唱歌「二宮金次郎」を聞きました。・・・初めての方が大半です。

ESD事務局長の閉会挨拶

形もまちまち・・・スカート式かモンペ式、本を両手か片手?

本は中国書「大学」とか・・・文字が刻まれる像は希少です

  背負う薪には、鎌が刺さっている像もある

金次郎の生家は小田原市に実在する

珍しい金次郎の成年像(小田原市)もある。

右手でわらじを差し出し、左手に数足のわらじを持つ像
これを「わらじ推譲の像」という

珍しい木製の座像もある。