平成27年度 第6回サイエンスラボ |
電気と磁気の不思議な関係 〜クリップモーターを作ろう〜 |
平成27年12月22日 於 東岡山工業高校 |
指導 山村 |
今回は工業高校で実施し、交代した新任の生徒会役員さんたちがお手伝いをしてくれた。対象は小学校高学年の児童のみであった。 |
今回は目に見えない力、電気〔電流〕とか磁気〔磁力〕の間の関係を力の働く現場を見て考えてみよう。先ずは磁石で働く力を見てみよう。磁石のN極とS極は引き合うし、同じ極どうしは引っ付かない(反発する)。(図?) |
ご挨拶 | 手伝っていただいた生徒会役員紹介 |
今日の内容 | 磁石の力で他の磁石を持ち上げる |
次に電流と磁気の間に何かあるのではと、電流の近くに磁針をも持ってきて見る。 |
電流と磁気の関係を最初に研究したのはエールステッドヤアンペールであることの話も聞きました。 |
導線に電流を流さないで、近くに磁針を持ってゆくと、北を指す。次に導線に電流を流すと磁針は導線と直角方向に向く。電流の向きを逆転すると、磁針は大体反対方向に向く。地磁気との関係で完全に逆にはならなかった。 このことは、直線電流の周りには右回りの円周に沿って磁気の働きを示す磁力線が働いていることを示している。 |
電流と磁針の関係を調べる実験装置と 電源、と投影用の撮影装置 |
電流が流れてないときと、流したとき、反対向きでは 磁針が方向を変えている。地磁気との合力なので、 対応不明。 |
次に、電流同士にも何か力が働くのだろうか。アルミ箔を2本張って同方向や反対方向に電流を流してみた。同方向の流れでは2本の電流は引き合い、反対方向に電流が流れるときには反発しあった。これを説明するにはフレミングの左手の法則が用いられることを学んだ。片方の電流の作る磁界ともう一方の電流のとの間の力の関係で決まる。 |
反対方向電流 | 同方向電流 | 教室風景 |
上図左2つの説明 上下に並べたアルミ箔に電流を流すとき、片方の電流で磁界ができ、その中にもう一つの電流があると考えると、電流が反対方向のときは反撥する力が働き、同じ方向のときは、引き合う力が働く。箔をあまりきつく張らずに力が働いたのがよく分かる。 |
コの字型のブランコをこしらえ電流を流しておき、馬蹄形磁石を近づけると、力が働いてブランコを引き付けたり、押しのけたりする。次のフレミングの左手の法則で考えてみよう。 |
フレミングの左手の法則 覚え方 (磁界の中の電流に働く力) ヒダリ(=りき=力=(運動と関係あるいは似ている)) 磁界の中で電流に働く力を求める 中指=電流の方向=current 人差し指=磁界の方向=field 親指=力の方向=motion (力が働けば動きが起こると 考えて似たもの仲間にする) 中指から a,b,cの順に current, field, motion, と覚える。 フレミングの右手の法則 (磁界の中を動く導体(金 覚え方 属)に生じる起電力) ミギ(=起電力(ギの濁点を取って)) 磁界中を導体を動かしたときの起電力を求める 中指=電流の方向(電圧の向き)=current 人差し指=磁界の方向=field 親指=運動の方向=motion 中指から a,b,cの順に current, field, motion, と覚える。 |
最後に、クリップモーターを作る。単3乾電池をデンチホルダーにいれる。端子ホルダーにアルミ箔をいれホルダーの裏に折り曲げ画鋲をホルダーに差込み、クリップの留め金にする。写真のようにクリップを取り付ける。コイルは、エナメル線を、単3の電池か、長方形の消しゴム等に3回くらい巻いて作る。両側に回転軸を伸ばす。エナメル線は電気が流れるように、片方は全面紙ペーパーで絶縁をはがす。もう一方は半円周だけはがして、一回転の半分の時間だけ電流が流れるようにする。これを写真のように組上げると完成です。エナメル線は濃い色の皮膜のついたものが望ましい。絶縁を取ったのがよく分かるように。 |
クリップモーター | 回転中 |